Global Data Servicesカタログの作成
GDS構成情報やステータス情報を格納するためのカタログをGDSカタログデータベースに作成します。
SPFILEを使用するOracle Database 12c以上のデータベースが必要です
GDSカタログデータベースは、GSMと同一のノードに作成しています。dbcaで作成した直後の状態です。
# | 値 |
---|---|
ホスト名 | gsm01 |
DBリスナポート | 1521 |
インスタンス名 | ccatdb |
PDB接続用サービス名 | catdb |
sqlplusを使用して、データベースに接続します。
[oracle@gsm01 ~]$ sqlplus sys@//gsm01:1521/catdb AS SYSDBA
パスワードを入力してください:
Oracle Database 19c Enterprise Edition Release 19.0.0.0.0 - Production
Version 19.3.0.0.0
に接続されました。
GDS管理者のDBアカウント gsm_admin を作成します。作成後、gsmadmin_roleロールを付与します。
SQL> CREATE USER gsm_admin IDENTIFIED BY welcome1 DEFAULT TABLESPACE users;
ユーザーが作成されました。
SQL> GRANT gsmadmin_role TO gsm_admin;
権限付与が成功しました。
GDSカタログの作成は、GSMに付属する gdsctl コマンドラインツールを使用して行います。gsmアカウントにて、gdsctlを起動します。
[gsm@gsm01 ~]$ gdsctl
GDSCTL: リリース19.0.0.0.0 - Production Thu May 04 16:54:46 JST 2023
Copyright (c) 2011, 2019, Oracle. All rights reserved.
GDSCTLへようこそ。詳細は"help"と入力してください。
警告: gsm.oraにGSMエントリが含まれていないため、GSMは自動的に設定されません。"set gsm"コマンドを使用して、セッションのGSMを設定してください。
現在のGSMはGSMORAに設定されています
create gdscatalog コマンドを実行し、カタログを作成します。
- -database パラメータにカタログデータベースへの接続情報を指定します。
- -user パラメータに、先ほど作成したGSM管理者のDBアカウントを指定します。
GDSCTL> create gdscatalog -database gsm01:1521/catdb -user gsm_admin
"gsm_admin" パスワード:
カタログが作成されました
以上でGDSカタログデータベースの作成が完了です。
Global Service Managerの作成
GDSカタログデータベースにデフォルトで存在するgsmcatuserアカウントのアカウントロックを解除します。gsmcatuserは共通ユーザのため、CDB$ROOTに接続して実施します。
[oracle@gsm01 ~]$ sqlplus / AS SYSDBA
接続されました。
SQL> COL username FORM a25
SQL> SELECT username, account_status, con_id FROM cdb_users WHERE username = 'GSMCATUSER';
USERNAME ACCOUNT_STATUS CON_ID
------------------------- -------------------------------- ----------
GSMCATUSER LOCKED 1
GSMCATUSER LOCKED 3
SQL> ALTER USER gsmcatuser ACCOUNT UNLOCK;
ユーザーが変更されました。
SQL> PASSWORD gsmcatuser
gsmcatuserに対するパスワードを変更しています。
新規パスワード:
新規パスワードを再入力してください:
パスワードが変更されました。
SQL> SELECT username, account_status, con_id FROM cdb_users WHERE username = 'GSMCATUSER';
USERNAME ACCOUNT_STATUS CON_ID
------------------------- -------------------------------- ----------
GSMCATUSER OPEN 1
GSMCATUSER OPEN 3
gdsctlのadd gsmコマンドを使用して、GSMを作成します。
- -gsmパラメータに、GSMの名称を指定します。
- -listenerパラメータにGSMのポート番号を指定します。
- -catalogパラメータに、GDSカタログデータベースの接続情報を指定します。
add gsmを実行すると、先ほど、アカウントロックを解除したgsmcatuserのパスワードを求められます。
GDSCTL> add gsm -gsm gsm_lis1 -listener 1531 -catalog gsm01:1521/catdb
"gsmcatuser" パスワード:
GSMが正常に追加されました
start gsm コマンドを使用して、GSMを起動します。
- -gsmパラメータに先ほど作成したGSM名を指定します。
起動後、STATUSコマンドにて状態を確認します。GSMが、gsm01サーバのポート1531を使用している事などが確認できます。
GDSCTL> start gsm -gsm gsm_lis1
GSMが正常に起動しました
GDSCTL> status
別名 GSM_LIS1
バージョン 19.0.0.0.0
開始日 04-MAY-2023 18:03:20
トレース・レベル off
リスナー・ログ・ファイル /u01/app/gsm/diag/gsm/gsm01/gsm_lis1/alert/log.xml
リスナー・トレース・ファイル /u01/app/gsm/diag/gsm/gsm01/gsm_lis1/trace/ora_23180_139625490500672.trc
エンドポイント・サマリー (ADDRESS=(HOST=gsm01.besite)(PORT=1531)(PROTOCOL=tcp))
GSMOCIのバージョン 3.0.180702
マスター Y
GDSカタログYに接続
プロセスID 23183
再接続回数 0
保留中のタスク。 合計 0
処理中のタスク。 合計 1
リージョン・マスター TRUE
パブリッシュ済メッセージ合計数 0
タイムゾーン +09:00
孤立したバディ・リージョン:
なし
GDSリージョン regionora
リージョンの作成
add regionコマンドを使用して、Tokyo1, Tokyo2という名称の2つのリージョンを追加します。デフォルトのリージョンを使用する事も可能なため、本手順は必須ではありません。
- -regionパラメータに、リージョン名を指定します。複数ある場合はカンマ区切りで複数指定が可能です。
GDSCTL> add region -region Tokyo1,Tokyo2
操作は正常に完了しました
config regionコマンドを実行し、リージョンの一覧を確認します。先ほど作成した二つのリージョンが追加されていることが確認できます。
GDSCTL> config region
名前 バディ
-- ---
regionora
tokyo1
tokyo2
次回に続きます。