~マイグレーションツールを使用したWASの構築方法 2~
6 新環境:プロファイルの作成(Dmgr01)
Dmgr01とCustom01のプロファイルを作成するが順序を分けて実施する。まず初めにDmgr01を作成する。
① デプロイメントマネージャー用のプロファイルを作成する。
cd /opt/IBM/WebSphere/AppServer/bin
./manageprofiles.sh -create -isDefault -templatePath /opt/IBM/WebSphere/AppServer/profileTemplates/management -serverType DEPLOYMENT_MANAGER -profileName Dmgr01 -profilePath /opt/IBM/WebSphere/AppServer/profiles/Dmgr01 hostname localhost -cellName Test01 -nodeName Test01Dmgr -portsFile /WAS/portdef.props
↑ コマンドとしては現行環境のプロファイル作成時に使用したものと変わらないが、セキュリティ(ユーザ名・パスワード)等は設定しない。
ポートを同じにするのであれば、ポートリストを現行環境から持ってきて「-portsFile」で読み込ませれば良い。ポートリストの置き場は「/opt/IBM/WebSphere/AppServer/profiles/プロファイル名/properties/portdef.props」
② プロファイルが作成出来たことを確認する
/opt/IBM/WebSphere/AppServer/bin/manageprofiles.sh -listProfiles
[Dmgr01] と表示されればOK
③ デプロイメントマネージャーを起動し管理コンソールに接続出来ることを確認する
/opt/IBM/WebSphere/AppServer/profiles/Dmgr01/bin/startManager.sh
アクセスするURL: http://IPアドレス:ポート番号/ibm/console 接続確認ができたらDMを停止する。
/opt/IBM/WebSphere/AppServer/profiles/Dmgr01/bin/stopManager.sh
7 新環境:現行環境の構成リストア(Dmgr01)
リストアはWASPostUpgrade コマンドで行う。
https://www.ibm.com/docs/ja/was-nd/9.0.5?topic=tools-waspostupgrade-command
① 現行環境の構成を新環境にリストアする
cd /opt/IBM/WebSphere/AppServer/bin
./WASPostUpgrade.sh /WAS/V9_Backup_20231114_WASPreUpgrade -setPorts useOld -profileName Dmgr01 -oldProfile Dmgr01 -backupConfig true -includeApps true -clone true -newDmgrHostname localhost -newDmgrSoapPort 8879
構成情報を保存したディレクトリー、古いプロファイルで使用していたポートと同じポートを使用する、リストア先となるプロファイルを指定する、リストアのソースとなるプロファイルを選択する、リストア前に既存の構成のバックアップを取得するか否か、アプリケーションを移行対象に含むか否か。
その他、オプションコマンドを並べたプロパティファイルの挿入やログ収集の追加、取得するプロファイルを限定する、マイグレーション終了時にDMを起動させることなども可能。
補足:
MIGR0612E: 1 つの製品バージョンから同じ製品バージョンに対するマイグレーションを試行中ですが、このマイグレーションはクローンではありませんでした。
↑ 「-allowSameRelease true」のオプションを付与した場合、「-clone true」「-newDmgrHostname localhost」「-newDmgrSoapPort ポート番号」を付けなければいけないらしい。
② マイグレーション完了後、デプロイメントマネージャーを起動する
/opt/IBM/WebSphere/AppServer/profiles/Dmgr01/bin/startManager.sh
現行環境のプロファイルでセキュリティを掛けていたからか、ログイン時点でパスワードが求められた。ユーザとパスワードは現行のもので良い。
↓ この時点で既に管理コンソール上ではCustom01/02に存在するJVMとIHSが表示されている。(DMのマイグレーションを行った段階でJVMやNAといったDMの持つ全ての情報は移行されてしまうらしい。だが、あくまで情報だけでありNAのプロファイル本体は移行されない。)以下の通り、実際のプロファイルとしてCustom01/02は存在していない模様。
[root@localhost ~]# /opt/IBM/WebSphere/AppServer/bin/manageprofiles.sh -listProfiles
[Dmgr01]
[root@localhost ~]# ls /opt/IBM/WebSphere/AppServer/profiles
Dmgr01
[root@localhost ~]#
補足:
マイグレーション前に戻したい場合: マイグレーション時に保存されたバックアップファイルを用いてrestoreConfig.shコマンドで戻す。
ls -l /opt/IBM/WebSphere/AppServer/profiles/Dmgr01/temp
/opt/IBM/WebSphere/AppServer/profiles/Dmgr01/bin/restoreConfig.sh /opt/IBM/WebSphere/AppServer/profiles/Dmgr01/temp/MigrationBackup.Tue-Nov-14-17.42.21-2023.zip
8 新環境:プロファイルの作成 (Custom01)
① アプリケーションサーバ用のプロファイルを作成する。
cd /opt/IBM/WebSphere/AppServer/bin
./manageprofiles.sh -create -templatePath /opt/IBM/WebSphere/AppServer/profileTemplates/managed -profileName Custom02 -profilePath /opt/IBM/WebSphere/AppServer/profiles/Custom02 -hostname NA01 -nodeName NA01 -dmgrHost localhost -dmgrPort 8879 -dmgrAdminUserName wasadmin -dmgrAdminPassword P@ssw0rd -federateLater true -validatePorts true
↑ コマンドとしては現行環境のプロファイル作成時に使用したものと基本的に変わらない。変更点として作成時にDMとの統合を避けるべくfederateLaterをtrueにした。
統合を行なった状態でマイグレを行ったらどういった挙動になるのかは分からない。(マニュアル通りに行うのが無難であろう)
ポートに関してはどうせマイグレのコマンドで旧環境のポートを使用するか否かの選択が出来るので、ここでわざわざポートリストを読み込ませる必要はないかと思い入れていない。
② プロファイルが作成出来たことを確認する
/opt/IBM/WebSphere/AppServer/bin/manageprofiles.sh -listProfiles
[Dmgr01, Custom01] と表示されればOK
9 新環境:現行環境の構成リストア (Custom01)
リストアはWASPostUpgrade コマンドで行う。
https://www.ibm.com/docs/ja/was-nd/9.0.5?topic=tools-waspostupgrade-command
① 現行環境の構成を新環境にリストアする
cd /opt/IBM/WebSphere/AppServer/bin
./WASPostUpgrade.sh /WAS/V9_Backup_20231114_WASPreUpgrade -profileName Custom01 -oldProfile Custom01 -username wasadmin -password P@ssw0rd -clone true -newDmgrHostname localhost -newDmgrSoapPort 8879
構成情報を保存したディレクトリー、古いプロファイルで使用していたポートと同じポートを使用する、リストア先となるプロファイルを指定する、リストアのソースとなるプロファイルを選択する、リストア前に既存の構成のバックアップを取得するか否か、アプリケーションを対象に含むか否か。
以上でマイグレーションツールを使用したWASの構築は完了。