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Rancher v2.3の主要機能を触ってみた

Last updated at Posted at 2019-10-08

本記事は、Rancher v2.3で追加した主要な機能の紹介及び検証を纏めたものです。
・Windows GA Support
・クラスターのテンプレート機能
・Istio機能のデフォルト搭載
・ノードのセルフヒーリング機能
・K8Sバージョンアップの為のRancherバージョンアップが不要になった

Windows GA Support

KubenertesクラスターにWidowsノードの追加、Widowsアプリのデプロイ

概要

Rancherでのサポート内容

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現状できないこと

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基本は、kubernetesのWidowsコンテナからの制約事項です。詳細は、Windows制約事項からご参照ください。

検証Goal

■やること:
 WindowsとLinuxのMixedのクラスタを作成し、WindowsノードにIISアプリをデプロイする

■検証用のノード構成:

 ノード 役割 OS/MW
 master node etcdとControlPlane 1台 Ubuntu 18.04/Docker 18.09(1例)
 worker node Linux 1台 Ubuntu 18.04/Docker 18.09(1例)
 worker node Windows 1台 Windows Server 2019/Docker EE-basic 19.03(1例)

※AWS使用の場合は、[Microsoft Windows Server 2019 Base with Containers]のAMIから、Windowsノードを作成できます。

windows対応のMixedクラスタの構築

・[Cluster]方式で、クラスタ作成画面に、windows対応クラスタのパラメータは、下記のように設定します。
 ※現時点、[Cluster]方式+[kubernetesV1.15]+[Flannel]の設定しか、windows対応クラスタが作成できない
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・事前に用意したVMに、master node構成するためのDockerコマンドを実行します。
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・master nodeの構築が完了後に、事前に用意したVMに、worker node(linux)構成するためのDockerコマンドを実行します。
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・worker node(linux)の構築が完了後に、事前に用意したwindows VMに、worker node(windows)構成するためのDockerコマンドを実行します。
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・クラスタ構築後のノード一覧は下記となります。
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Widowsアプリのデプロイ

・[microsoft/iis]をwindowsノードにデプロイします。
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・デプロイが完了したら、WindowsノードのPublic IPとNodePortのポート番号で、アクセスします。
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クラスターのテンプレート機能

事前に決めたクラスター設定(セキュリティポリシーやベストプラクティス設定)をテンプレート化し、クラスター作成時は、指定のテンプレートを使用してクラスターを作成

概要

制約事項

・クラスターテンプレート機能を使用せず作成したクラスター(V2.3以外のバージョンで生成したクラスター含む)は、作成後にクラスターテンプレート機能を利用して、クラスターの設定変更ができない
・クラスターテンプレートの設定を変更したい場合は、既存のテンプレートのバージョンの設定変更ができないため、既存バージョンをクローンして新しいバージョンを生成します。その後、新しいバージョンの設定を、クラスターに適用できる

検証Goal

■やること:
 クラスターテンプレートを作成して、クラスター作成時に、クラスターテンプレートを使用して作成する。
 クラスターテンプレートをバージョンアップし、作成したクラスターも、クラスターテンプレートの新しいバージョンに更新して、クラスター設定を更新する。

クラスターテンプレートの作成して、クラスター作成時に適用

・[RKE Templates]メニューから、クラスターテンプレート作成画面を開きます。
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・クラスターテンプレート作成画面に、クラスター設定項目を設定します。
 ※設定項目のところの切替ボタンimage.pngの押下により、テンプレート利用者がクラスター作成時に、該当項目に対して、設定の上書きができるようになります。
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・クラスターテンプレート配下に、v1のテンプレートバージョンが作成されました。
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・クラスターテンプレートを指定して、クラスターを作成します。
 ※クラスターテンプレートとバージョンを指定するだけで、クラスターの設定項目が自動に入力されてています。
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クラスターテンプレートをバージョンアップして、クラスター編集時に新しいテンプレートのバージョン設定を適用

・テンプレート配下の既存のバージョンをクローンして、新しいバージョンを作成します。
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・ここでは、kubernetesのデフォルトのバージョンのみを変更しました。※必要に応じて、いろんなクラスター設定変更できます。
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・クラスターテンプレートを適用しているクラスターにも、アップデート催促の通知アイコンが表示されます。
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・クラスターテンプレートの最新のバージョンを選択したら、クラスターの設定項目が自動に更新されてています。
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・最新のテンプレートのバージョンを適用したら、アップデート催促の通知アイコンが消えます。
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Istio機能のデフォルト搭載

サービスメッシュ機能を提供するIstioをデフォルト搭載

概要

主要な機能

・UIからのIstioの設定機能
・namespaceへのIstioサイドカー自動注入の設定機能
・kiali(Istio可視化ツール)、jaegar(分散トレーシング)もデフォルトでUI搭載

検証Goal

■やること:
 Istio機能を有効化してから、サンプルアプリケーションをデプロイし、UI画面上に、トラフィック情報確認などを行う

■事前準備
下記のようなテスト用クラスターを用意します。※リソースは多めにしました
 master node(2Cpu+8GB)×1
 worker node(2Cpu+8GB)×4
※Istioは結構リソースを消費します。最低(CPU:3950m | メモリ:5546Mi)を消費します。詳細情報は、Istio's Prerequisitesをご参照ください。
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Istio機能を有効化

・[Istio]メニューから、Istio画面を開き、デフォルトの設定のままで機能を有効化します。
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サンプルアプリケーションをデプロイ

・下記のサンプルアプリのchart URLをプライベートカタログとして追加します。
https://github.com/qiang1981cn/bookinfo-chart
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・[default]namespaceをistioサイドカー自動注入のnamespaceとして設定します。
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・カタログ機能で、上記で設定したプライベートカタログのアプリを選択して、[default]namespaceにデプロイします。
 Review画面機能は、v1とv2の2つのバージョンを同時にリリースさせ、ユーザーリクエストのトラフィック制御はそれぞれ50%にするように設定します。
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サンプルアプリのトラフィック情報を確認

・トラフィックのデータを生成させるため、サンプルアプリの対象reviews画面を複数回をアクセスします。
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・UI画面上に、サンプルアプリのトラフィック情報を確認します。
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ノードのセルフヒーリング機能

クラスターを構成するノード数を指定した数に自動維持
※Rancher経由で、AWS,Azure,Vsphereなどのクラウドに、Node Driversで構築したクラスタをサポート対象とする

概要

主要な機能

・Node Pool単位で維持するノード数を指定
・Node Pool単位でunreachableの時間を指定
 ※unreachableの時間:ノードと通信取れない時間。この時間経過後に、対象ノードが削除され、新しいノードが自動再作成される

検証Goal

■やること:
 クラスターを構成する[Node Pool]を2つ作成する。1つの[Node Pool]は、ノードのセルフヒーリング設定ありにし、もう1つは、セルフヒーリング設定なしにします。それぞれの[Node Pool]中のノードを手動で停止して、セルフヒーリング有無を確認する

テスト用クラスターを作成

■事前準備
下記のようなテスト用クラスターを用意します。
 master node : (2Cpu+8GB)×1
 worker node(with-selfhealing) : (2Cpu+8GB)×2  ※ノードのセルフヒーリング設定あり+[Auto Replace]が1分指定
 worker node(without-selfhealing) : (2Cpu+8GB)×2  ※ノードのセルフヒーリング設定なし
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※[Auto Replace]が0以外の値(分単位)を指定している場合、指定した時間にノードと通信取れない時にノードのセルフヒーリングが行われる

ノードの手動停止とセルフヒーリング有無を確認

・それぞれの[Node Pool]中の1つのノードを手動で停止します。
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・停止処理の1分間後に、セルフヒーリング有無を確認します。
 結果1:ノードのセルフヒーリング設定ありの[with-selfhealing]が、通信取れないノードを削除し、新しいノードを作成しました。
 結果2:ノードのセルフヒーリング設定なしの[without-selfhealing]が、何の復旧処理も行わないです。
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K8Sバージョンアップの為のRancherバージョンアップが不要になった

K8Sバージョンアップを行いたい場合、通常は、Rancherバージョンアップを行ってから、新しいバージョンのRancherから、K8Sバージョンアップを行います。
V2.3以降、K8sのpatchバージョンアップ(CVE緊急対応など)の場合は、Rancherバージョンアップが不要となり、
下記のクラスタ編集画面から、定期的に自動更新されたK8sリストから最新バーションを選択してにアップデートできます。
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おわり

主要な機能だけを説明と検証させて頂きましたが、上記以外も、ノードへのtaints追加機能や、UI上のHPA管理機能など、いくつかの機能が追加されています。
詳細な変更情報(バージョンアップ時の注意事項合わせて)は、リリースノートをご参照ください。

今後のリリースですが、kubernetes 1.16 GA対応は、V2.3.x以降で対応されます。
また、当初、V2.3にリリースする予定の、クラスターのセキュリティスキャンとアラーム機能は、V2.4になりそうです。

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