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Pentaho Data Integration Spoonステップ逆引きまとめ

Last updated at Posted at 2018-05-27

前回で導入手順をまとめたので、今回は実際の使い方をまとめ。

基礎用語概要

基本的にPentaho Data Integration(PDI)でできることは、色々なデータ(データソースや型)を入力・統合し変換して出力すること(ETL)であり、データの可視化(グラフ化等)もできる。
いろいろと用語があるので、必要最低限を簡単にまとめておく。

ストリーム
PDIでは基本的にデータを入力してそれを次々に加工していく(ETL:Extract Transform Load)。このデータのフローのこと。
ステップ
データを扱う最小の単位。入力(Extract)だったり、変換(Transform)だったり、出力(Load)だったり。PDI上の操作としては、「デザイン」タブのメニューから実行したいETL動作を選択してメインエリアに配置する。
ホップ
データのフローを表す。ステップ間をホップでつないでデータを受け渡してストリームを構成する。PDI上の操作としては、メインエリアのアイコン同士を[Shift]+マウスドラッグで繋ぐ、出力側アイコンを選択しておいてデザインからダブルクリックでメインエリアに配置する等複数の方法がある(Windows等で3つボタンマウスを使用していれば、真ん中ボタンのドラッグでも可)。
データ変換
PDIで作成するファイルの種類というと語弊があるが、Wordでいう文書。ストリームが主役。
ジョブ
これもPDIで作成できる文書の種類。こちらはその名の通りなにがしかの処理を定義しておいて、Pentaho-Serverなどにスケジュール実行させたりする。

ステップ逆引き

やりたいことからどんなステップを使えば良いかまとめ(随時更新)。

指定したデータフィールド(固定値)をレコード生成する

「入力」ー「データグリッド」
スクリーンショット 2018-05-25 21.00.43.png
スクリーンショット 2018-05-25 21.01.00.png
データは1レコードずつ任意の値を指定可能。
スクリーンショット 2018-05-25 21.01.17.png

指定したデータフィールド(固定値)を指定レコード数生成する

「入力」ー「行生成」スクリーンショット 2018-05-23 21.43.23.png
スクリーンショット 2018-05-23 21.44.17.png

データ型を変換する

「変換」ー「選択/名前変更」(のメタ情報)
例として文字列"$100,000"と"$200,000"をそれぞれInteger型に変換して足し算(Integer変換できていること確認)

  1. 「入力」ー「データグリッド」でvar1およびvar2を生成
スクリーンショット 2018-05-25 20.53.30.png スクリーンショット 2018-05-25 20.53.34.png
  1. 「変換」ー「選択/名前変更」
スクリーンショット 2018-05-25 20.55.23.png var1, var2ともデータタイプに「Integer」、書式に「$#,###」を指定する。
  1. 「変換」ー「計算」
スクリーンショット 2018-05-25 20.55.57.png 出力フィールド名に任意の名称、計算式に「A + B」、フィールドAおよびBにそれぞれvar1, var2を指定。
  1. 実行結果
    スクリーンショット 2018-05-25 20.56.31.pngスクリーンショット 2018-05-25 20.56.35.pngスクリーンショット 2018-05-25 20.56.38.png
    resに"300,000"が計算されている。

正規表現で一致パターンのみ抽出する

「スクリプト」ー「正規表現」
例として日付文字列「YYYY/MM/DD HH:MM:SS.mm」から日付の「DD」のみを取り出す場合

  1. 「入力」ー「システムデータ」でシステム日付を"var"として生成
スクリーンショット 2018-05-25 21.28.24.png
  1. 正規表現
スクリーンショット 2018-05-25 21.35.50.png 結果フィールドは正規表現にマッチしたらTrue(Y)、しなかったらFalse(N)が入る。キャプチャして値を新規フィールドに入れるには、「キャプチャグループにフィールドを作成」にチェックし、フィールドを定義する。キャプチャする正規表現は、一般的な後方参照表現である`(pattern)`となる(参照する部分をカッコで囲む)。
  1. 実行結果
スクリーンショット 2018-05-25 21.36.00.png スクリーンショット 2018-05-25 21.36.03.png resultに「Y」、dayに「25」が入った。

テキストの繰返しデータを行列データへ変換する

「変換」ー「行フラット化」
わかりづらい表題だが、例えば以下のようなデータを行列データへ変換する。

data.txt
var1: var1 value1
var2: var2 value1
var3: var3 value1

var1: var1 value2
var2: var2 value2
var3: var3 value2

これを、

var1 var2 var3
var1 value1 var2 value1 var3 value1
var1 value2 var2 value2 var3 value2

こうする。

  1. テキストファイルを読込む

  2. 行のフラット化
    Field2をvar1,var2,var3としてフラット化。

スクリーンショット 2018-05-25 22.57.39.png
  1. Field1が残るので「変換」ー「選択/名前変更」で除外。
スクリーンショット 2018-05-25 22.58.38.png
  1. 実行結果
    スクリーンショット 2018-05-25 22.59.29.pngスクリーンショット 2018-05-25 22.59.33.pngスクリーンショット 2018-05-25 22.59.37.png

または、次のように一旦テキストファイルを1フィールドで読込んで加工する。

  1. テキストファイルを1フィールドで読込む
スクリーンショット 2018-05-25 22.16.46.png 実際はカンマ区切りだがフィールド区切り文字をタブ文字等にして1フィールドで出力させる。 スクリーンショット 2018-05-25 22.16.56.png
  1. 行のフラット化
    Field1をvar1,var2,var3としてフラット化。スクリーンショット 2018-05-25 22.17.06.png

  2. 余計な文字をカット

スクリーンショット 2018-05-25 22.17.14.png 先頭の"var[1-3]: "6文字はデータとして不要なので、カットする。文字列カットは終点も固定値で指定しないといけないようなので、ここに入力したよりも長いデータが入るとデータが切れてしまう。。。あまり美しくないが今の所はこれでよしとする。
  1. 実行結果
    スクリーンショット 2018-05-25 22.17.21.pngスクリーンショット 2018-05-25 22.17.24.pngスクリーンショット 2018-05-25 22.17.38.png

文字列置換

「変換」ー「文字列置換」(正規表現も使用可能)
スクリーンショット 2018-05-25 23.17.08.png
スクリーンショット 2018-05-25 23.17.26.png
スクリーンショット 2018-05-25 23.17.30.png

Javaのワンライナーでデータを加工

「スクリプト」ー「ユーザー定義Javaエクスプレッション」
スクリーンショット 2018-05-25 23.31.33.png
スクリーンショット 2018-05-25 23.31.49.png
スクリーンショット 2018-05-25 23.33.43.png
スクリーンショット 2018-05-25 23.33.49.png
スクリーンショット 2018-05-25 23.34.01.png

データをつなげる

「フロー」ー「ストリーム結合」
スクリーンショット 2018-05-26 06.35.34.png

Excelに出力

「出力」ー「Microsoft Excel Writer」
スクリーンショット 2018-05-26 06.41.30.png
スクリーンショット 2018-05-26 06.43.06.png
スクリーンショット 2018-05-26 06.48.04.png

ステップ(処理)の同期を取る

「フロー」ー「ステップブロック」
特に同一ファイルへの入出力は自動でロックしてくれないため、指定のステップが終了するまで待つステップを入れる。
スクリーンショット 2018-05-26 06.57.20.png
スクリーンショット 2018-05-26 06.57.38.png

特定の条件を満たすレコード以外を除去する(データのフィルタリング)

「フロー」ー「フィルター」
スクリーンショット 2018-05-26 07.09.16.png

DBからデータ取得

「入力」ー「テーブル入力」
スクリーンショット 2018-05-27 09.05.12.png
SQL文を自分で書ける。「SQLの選択」から対象テーブルをGUIで選択可能。
スクリーンショット 2018-05-27 09.06.03.png

統計分析値の算出

「統計」ー「単変量統計」
スクリーンショット 2018-05-27 09.15.31.png
スクリーンショット 2018-05-27 09.16.02.png

数値の範囲で出力値を分ける

「変換」ー「数値範囲」
SampleDataの"ORDERDETAILS"から取得した"QUANTITYORDERED(x)"を使ってグルーピング。

group1 group2 group3
$x<30$ $30<x, x<40$ $40<x$

スクリーンショット 2018-05-27 09.18.24.pngスクリーンショット 2018-05-27 09.26.01.png

ソートする

「変換」ー「行整列」
スクリーンショット 2018-05-27 09.39.27.png
※DBから取得するデータならORDER BY句をつける方が効率的

複数データ行にまたがった計算(値の参照)

「統計」ー「分析クエリ」
スクリーンショット 2018-05-27 16.36.27.png
スクリーンショット 2018-05-27 16.37.01.png
ORDERSテーブルからCUSTOMERNUMBERORDERDATEを取得してソート。各行にLAST_ORDERDATEフィールド(1つ後ろのレコードのORDERDATE)をセット。

条件によってステップを分岐させる

「フロー」ー「条件分岐(Switch / Case)」
スクリーンショット 2018-05-27 16.52.02.png
乱数を生成し、ユーザー定義Javaエクスプレッションで生成された乱数が偶数ならtrue、奇数ならfalseEvenOddフィールドに出力(num % 2 == 0 ? tree : false)、偶数ならダミーステップ、奇数ならダミー2ステップへ。

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