はじめに
PHP のプロジェクトを管理する際、プロジェクトごとに異なる PHP バージョンが必要になる場合があります。そのような場面で便利なのが mise です。本記事では、mise を使用して PHP のバージョン管理を行う方法について私の備忘録になります
mise とは?
mise は軽量なバージョン管理ツールで、プロジェクトごとに異なる PHP バージョンを簡単に切り替えることができます。他のバージョン管理ツールと比較して設定がシンプルで、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
公式サイト: https://github.com/jdx/mise
参考記事: https://qiita.com/yuki777/items/8c71f4535e696a2434b3
mise のインストール
mise を利用するためには、まずインストールが必要です。以下の手順でインストールを進めてください。
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依存ツールの確認
mise を利用するには、以下のツールが必要です。
- brew
- PHP 環境(インストール先のライブラリの要件に依存)
必要に応じてインストールしてください。
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mise のインストールコマンド
mise をインストールするには、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
brew install mise
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パスの設定
通常、brew を利用したインストールでは PATH の設定が自動的に行われますが、エラーが発生する場合は以下を確認してください。
echo $PATH
必要に応じて PATH を再設定します。
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古い PHP バージョンの削除
brew でインストールされている古い PHP バージョンを削除しておくことを推奨します。
brew remove php@8.2 php@8.1 php@8.0 php@7.4 php
必要な依存パッケージのインストール
mise と PHP の動作に必要な依存パッケージをインストールします。以下は asdf-php
の README に基づく依存パッケージの例です。
# Install openssl@1.1 first to avoid errors
brew install rbenv/tap/openssl@1.1
# Install other packages
brew install autoconf automake bison freetype gd gettext icu4c krb5 libedit libiconv libjpeg libpng libxml2 libzip pkg-config re2c zlib
# Install conflicting packages
brew install openssl@3
asdf-php プラグインのインストール
mise は asdf-php
というコミュニティプラグインを使用して PHP をインストールします。以下の手順でプラグインをインストールしてください。
mise plugin install php https://github.com/asdf-community/asdf-php
PHP のインストールとバージョン管理
mise を使用して PHP をインストールし、バージョンを管理する方法を説明します。
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PHP のインストール
好みの PHP バージョンをインストールするには、以下のコマンドを実行します。
mise install php 8.2
よく使われるバージョンとして、以下のバージョンを推奨します。
- PHP 7.4
- PHP 8.0
- PHP 8.2
特定のバージョンを指定しない場合、デフォルトの最新バージョンがインストールされます。
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インストール済みバージョンの確認
インストール済みの PHP バージョンを確認するには、次のコマンドを実行します。
mise list
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バージョンの切り替え
プロジェクトごとに使用する PHP バージョンを切り替えるには、以下のコマンドを実行します。
mise use php 8.1
現在のプロジェクトディレクトリに
.mise-version
ファイルが作成され、バージョンが記録されます。 -
グローバルバージョンの設定
グローバルで使用する PHP バージョンを設定するには、以下を使用します。
mise global php 8.0
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不要になったバージョンを削除するには以下のコマンドを実行します。
mise uninstall php 7.4
まとめ
mise を使用することで、PHP のバージョン管理が簡単に行えるようになります。特にプロジェクトごとに異なるバージョンを使いたい場合や、手動での切り替えが煩雑な場合には非常に有用です。