はじめに
本記事は2022年12月に Red Hat 認定システム管理者 (RHCSA) 認定試験に合格しましたので、その体験を紹介します。
Red Hat 認定システム管理者 (RHCSA) とは
Red Hat で認定している IT 資格の一つです。
取得には、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) の操作に関する幅広い知識が求められます。
また、RCHSA 認定試験は実際にコマンドを打つ実機試験のため、暗記だけでは難しい試験と思います。
Red Hat 認定システム管理者 (RHCSA®) に認定された IT プロフェッショナルは、Red Hat Enterprise Linux 環境で必要なコアシステム管理スキルを実行することができます。RHCSA 認定試験 (EX200) に合格すると、認定が付与されます。
受験までの流れ
RHCSA 認定試験は難易度が高く、Red Hat は以下のコース受講をお勧めしています。
Linux 経験者用に、RH124 と RH134 を短期間で学習できるコースも用意されています。
私は会社の案内により、以下のコースを事前にリモート受講しました。
5日間のコースですが、合計10日間のコースを半分に圧縮しているので時間が不足気味でした。
また、コースの対象 OS は RHEL9 になっており、RHEL8 と少し変わっていて新鮮でした。
独学の場合、英語ですが Amazon で取り扱いのある Cert Guide は人気がありそうです。
RH199 の受験後、RHCSA 受験日を 2 ヶ月後に予約して勉強を開始しました。
現地受験だと、直前の受験日はなかなか空いていないので、余裕を持った受験日予約をお勧めします。
対象 OS は RHEL8 と RHEL9 で選択できましたが、私は RHEL9 を選択しました。
受験日までは、「実機での実習」と「コマンド集の暗記」を主に勉強しました。
特に本番は実機試験のため、各種コマンドとその実行結果を感覚的に掴んでおくのが重要でした。
私は VirtualBox に仮想マシンで RHEL9 を2~3台構築しました。
スナップショットを撮っておけば、パーティション操作をしても元の状態に復元できるので便利でした。
Red Hat では開発用に 16 システムまで無料で利用できるので構築していました。
Red Hat Developer サブスクリプションを取得することで、RHEL, OpenShift, JBoss EAPを始めとした各種ミドルウェア製品をダウンロードできるようになります。ただし、1ユーザ(共用不可)、16システムまでに利用可能です。
あと VirtualBox で RHEL9 を構築すると cpu does not support x86-64-v2
のエラーで起動できませんでした。
このエラーは AlmaLinux 9 の記事を参考にして、以下のコマンドで回避できました。
C:\Program Files\Oracle\VirtualBox> VBoxManage.exe setextradata "VM name" "VBoxInternal/CPUM/IsaExts/POPCNT" 1
1ヶ月くらいはずっと実機でコマンド実習していました。
ただ、実機操作はどこでもできるわけではないので、スキマ時間用にコマンド集をまとめて通勤中に読んだりしていました。
受験当日の流れ
RHCSA 認定試験は、予約時に現地またはリモートを指定できました。
私は以下の理由により、現地で受験しました。
- リモート受験は USB ブートなどでトラブルが多いという記事をよく拝見
- リモート受験で必要な、部屋全体を撮影できるカメラを不所持
- 受験で使用する実機のキーバインドは英語のため、手持ちの日本語キーボードだと混乱すると予想
現地の受験方法は事前にメールで案内があったため問題ありませんでした。
現地といっても、Red Hat 側で実機端末・部屋・カメラなどを用意してもらえるだけです。
監督官とはリモートでやり取りするところはリモート受験と変わらないように感じました。
リモート受験と同様に、リモートで身分証を見せたりカメラで部屋を見せたりしたので。
受験時間は 3 時間で、回答中に問題があればトラブルシューティングしたりするので時間いっぱい受験しました。
受験結果
受験結果は当日中にメールで受信し、無事に合格を確認しました。
点数は 257/300 (合格ラインは 210) でした。
コンテナ管理以外はだいたいできたので良かったです。
The result of your recent EX200 Red Hat Certified System Administrator Exam are reported below.
Passing score: 210
Your score: 257
Result: PASS
Congratulations -- you have earned the Red Hat Certified System Administrator certification.
受験対策
問題には守秘義務があるため具体的に答えませんが、RHCSA 認定試験の「受験の内容」に関わるコマンドは使いこなせるようにしました。
実機でも man
コマンドは使用できるため、事前に man
の出力を確認しておいて、コマンドやオプションを忘れても受験中に確認できるようにするのが重要です。
また、「受験の内容」にもある通り、実機は採点前に再起動されます。
逆に言えば、再起動で残らない設定はそんなに意識する必要がないので、多少勉強範囲を狭められます。
Red Hat のすべての実技試験と同様に、再起動後も自動で設定が維持されるようにする必要があります。
先駆者様の受験体験記も非常に参考になりました。
ただ、下記記事にある「IBM SkillsBulild」による RH124/RH134 の受験はできませんでした。
無料期間が終了したんですかね。
あと、個人的にネットワークの設定は nmcli
だとオプションを覚えられないので、nmtui
をお勧めします。
CLI ベースでも GUI チックにネットワーク設定ができるので、直感的に操作しやすくて好きです。
おわりに
今回は RHCSA 認定試験とその概要、受験体験記を紹介しました。
今度、Red Hat 認定エンジニア (RHCE) 認定試験を受験しますので、合格すればその体験記も紹介したいです。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。