はじめに
過去に、以下の記事で Office をインストールする手順を紹介しました。
以下の記事で紹介している Office カスタマイズツール(OCT)を使えば、必要な XML ファイルも自動的に用意してくれます。
上記の記事を検証した時には、Office LTSC 2024 は提供されていなかったため、今回 追加で検証してみました。
公開情報:Office LTSC 2024 をデプロイする
Office の 新バージョンが提供された時の考慮事項
以下の記事で案内されている通り、Office LTSC 2024 は、2024/9/16 に発表されたばかりです。
Microsoft 365 Blog : Office LTSC 2024 is now available
https://techcommunity.microsoft.com/t5/microsoft-365-blog/office-ltsc-2024-is-now-available/ba-p/4244953?wt.mc_id=mvp_407731
Office LTSC 2024 が提供された直後は、OCT に 2024 の選択肢はありませんでした。
そのため、OCT を使った XML の自動作成をすることができず、自身で XML を記載する必要がありました。
製品名 | PID | 更新チャネル | PIDKEY (KMS) |
---|---|---|---|
Office LTSC Professional Plus 2024 VL | ProPlus2024Volume | PerpetualVL2024 | XJ2XN-FW8RK-P4HMP-DKDBV-GCVGB |
Office LTSC Standard 2024 VL | Standard2024Volume | PerpetualVL2024 | V28N4-JG22K-W66P8-VTMGK-H6HGR |
PID(製品ID)は、以下で確認できます。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/office/ltsc/2024/deploy?wt.mc_id=mvp_407731
更新チャネルは、以下で確認できます。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/office/ltsc/2024/update#update-channel-for-office-ltsc-2024?wt.mc_id=mvp_407731
KMS 用の PIDKEY は、以下で確認できます。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/office/volume-license-activation/gvlks?wt.mc_id=mvp_407731
結論から言うと、OCT が使えなくても、上記の情報さえ確認しておけば、Office LTSC 2021 用の XML ファイルを Office LTSC 2024 に 書き換えることで対応が可能です。
但し、その場合は ODT を最新化して使うようにしましょう。
今回のシナリオ
以下の要件での 導入を想定しています。
- Office LTSC Profesional Plus 2024 (64bit) 日本語版
- 資材は インターネットからダウンロード
- インストール時の画面を表示させる
- EULA 自動応答
- KMS キー
設定内容と手順
- OCT のサイトを開きます。
https://config.office.com/deploymentsettings
- 以下の通り、設定していきます。
★更新チャネルは、表示されませんが、このまま進めて ちゃんと XML が生成されましたので、OK でした。将来的には チャネル が選択できるようになると思われます。
ファイル名を指定します。
ここで 拡張子は付けません。エクスポートすると、拡張子として .xml が付加されます。
生成された xml ファイル
確認する限りは、Product ID , PIDKEY , Channel は LTSC 2024 用のものが適切に構成されており、問題なさそうです。
<Configuration ID="dadb4fdf-d016-4d11-8983-bf6847f05d0f">
<Add OfficeClientEdition="64" Channel="PerpetualVL2024">
<Product ID="ProPlus2024Volume" PIDKEY="XJ2XN-FW8RK-P4HMP-DKDBV-GCVGB">
<Language ID="ja-jp" />
<ExcludeApp ID="Lync" />
</Product>
</Add>
<Property Name="SharedComputerLicensing" Value="0" />
<Property Name="FORCEAPPSHUTDOWN" Value="FALSE" />
<Property Name="DeviceBasedLicensing" Value="0" />
<Property Name="SCLCacheOverride" Value="0" />
<Property Name="AUTOACTIVATE" Value="1" />
<Updates Enabled="TRUE" />
<RemoveMSI />
<AppSettings>
<User Key="software\microsoft\office\16.0\excel\options" Name="defaultformat" Value="51" Type="REG_DWORD" App="excel16" Id="L_SaveExcelfilesas" />
<User Key="software\microsoft\office\16.0\powerpoint\options" Name="defaultformat" Value="27" Type="REG_DWORD" App="ppt16" Id="L_SavePowerPointfilesas" />
<User Key="software\microsoft\office\16.0\word\options" Name="defaultformat" Value="" Type="REG_SZ" App="word16" Id="L_SaveWordfilesas" />
</AppSettings>
<Display Level="Full" AcceptEULA="TRUE" />
</Configuration>
展開する
展開を行うためには Office 展開ツール (ODT) を使います。
重要
すでに ODT をダウンロード済みの場合でも、新しい Product ID の製品を導入する際には、最新の ODT をダウンロードしましょう。古い場合には 利用できない場合があります。
公開情報:Office 展開ツールの概要
https://learn.microsoft.com/ja-jp/deployoffice/overview-office-deployment-tool?wt.mc_id=mvp_407731
- 以下のリンクから、直接ダウンロードできます。
https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=49117
- ダウンロードしたファイルを実行します。
- 以下の画面では はい で応答します。
- 内容を読んで、チェック を行い、Continue を押します。
- 任意のフォルダ(下図では C:\ODT)を作成して選択し、OK を押します。
- 以下のメッセージが出れば OK です。
- フォルダ内に、以下のファイルが展開されています。
このフォルダに、OCT で作成したファイル (OCT2024.xml) をコピーしてください。
- ターミナル(管理者)を起動します。
- ODT を使って インストールを行います。
以下のコマンドを実行してください(管理者になっているか確認しましょう)
.\setup.exe /configure .\OCT2024.xml
資材のダウンロードのみ行うには
以下の通り、/configure の箇所を /download に変更して実行します。
(変更前).\setup.exe /configure .\OCT2024.xml
(変更後).\setup.exe /download .\OCT2024.xml
このようにすることで、インストール用の資材が ローカルファイルとしてダウンロードされます。
以後、インストール実施時には、このファイルを使ってインストールを行う事ができます。
(インストール手順の続き)
10. 以下のように インストール中のウィンドウが表示されます。
11. 数分待って、インストールが完了すると、以下のウィンドウが表示されます。
12. 以下のように Office LTSC Professional Plus 2024 が展開されます。
以上で、Office LTSC 2024 のインストールは完了です。
Next Step
ここまで検証できていれば、以下の記事を参考に Intune を使って 最新の Office LTSC 2024 も展開できます。
チャレンジしてみてください。