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IIS に公的証明書をバインドして 外部公開する

Last updated at Posted at 2024-06-02

はじめに

この記事では、構築済み IIS の Web サイトを 取得した外部ドメイン名を使って HTTPS で公開するまでの手順を紹介していきます。

前提事項

① IIS の構築

以下の記事で IIS を導入して サンプル Web サイトを表示する手順を公開しているため、事前に構築してください。

なお、上記の手順を終えた段階では、以下のように HTTPS の Web ページ を参照することができません。この状態がスタート地点となります。

image.png

② ドメインの取得

Web サイトを外部公開するためには、ドメインを取得して "www.ドメイン名" のような形で ホスト名を 外部 DNS サーバーに登録する必要があります。

以下の記事は、Azure を使って構築する場合の手順を公開しています。

上記とは別に、3rd パーティやプロバイダーなどのサービスを使って、ドメイン取得&外部 DNS の公開をすることもできます。

③ 公的証明書の取得

Web サイト を HTTPS (SSL) で外部公開するためには、公的証明機関 が発行した サーバー証明書 が必要です。

以下の記事は、Azure を使って証明書を購入する場合の手順を公開しています。

上記とは別の 公的証明機関 から 証明書を購入することもできます。

構築手順

1. HTTPS ページの有効化

  1. サーバーマネージャーから インターネットインフォメーションサービス (IIS) マネージャー を起動します。
     
  2. 外部公開したい Web サイト (Default Web Site) を右クリックし バインドの編集 を選択します。
    image.png
     
  3. 追加 ボタンを押します。
    image.png
     
  4. 種類"https" を選択して SSL 証明書 は 選択可能な任意の証明書(TenantEncryptionCert 等) を選び、OK を押します。
    image.png
     
  5. 以下の一覧に追加されたことを確認したら 閉じる を押します。
    image.png
     
  6. ブラウザを起動して https://127.0.0.1 へ アクセスを行うと、下図のように表示されます。
    詳細設定 を押します。
    image.png
    127.0.0.1 に進む(安全ではありません) を押します。
    image.png
     
  7. すると、ようやく 以下のように Web サイトが表示されますが、セキュリティ保護なし の状態です。
    image.png

このように HTTPS を有効にしただけでは、Web サイトを開くことはできますが、セキュリティ保護なし になってしまいます。
さらに、この時点では 外部から Web サイトにはアクセスできない状態です。

2. Web サイトの外部公開

本章では、IIS の Web サイトを 外部公開します。

手順では、Azure VM 上に構築した IIS を外部公開する手順を説明していますが、オンプレミス環境の IIS の場合は、Firewall やリバースプロキシなどを使って、インターネット上の パブリック IP アドレス を使って、外部公開してください。

Azure VM の場合の手順

  1. IIS を導入した 仮想マシンの左ペインで ネットワーク設定 を開き、+ポートルールの作成 から 受信ポートルール を選択します。
    image.png
     
  2. 以下の画面で サービス Custom を選択して 宛先ポート範囲は 80,443 を入力します。
    プロトコルは TCP、アクションは 許可、名前 は、任意の名前 を記入して、追加 を押します。
    image.png
     
  3. 下図のように 一覧 に作成したルールが追加されたことを確認します。
    緑枠の個所の パブリック IP アドレス の値をコピーします。
    image.png
     
  4. ブラウザを起動して、http:// [パブリック IP アドレス] にアクセスします。
    以下の画面は、世界中の どの PC からでも同じように参照することができます。
    スマートフォンのブラウザなどからアクセスしてみると、良く分かると思います。
    image.png
     
  5. 同様に、ブラウザから https:// [パブリック IP アドレス] にアクセスします。
    HTTPS の場合は、以下のように セキュリティ保護なし になってしまいます。
    image.png

社内にある IIS のサーバー を 外部公開することで、世界中の PC から参照できることがわかりました。

しかし、今の段階では IP アドレス を使ってアクセスする必要がありますし、HTTPS のサイトは セキュリティ保護なし になってしまいます。

3. 外部ドメインの購入と 外部 DNS サーバーの構成

前提事項の ② ドメインの取得 で説明しましたが、外部ドメインの購入と 外部 DNS サーバーの構成を行います。

上記の構成が完了したら、続けて A レコード の追加が必要です。
以下の手順を実施してください。

外部 DNS に A レコードを追加する手順

  1. 左ペインの レコードセット を選択して +追加 を押します。
    image.png
     
  2. 名前欄に www を入力して、IP アドレス欄に、Web サイトの パブリック IP アドレス を入力して 追加 を押します。
    image.png
     
  3. 以下のように 一覧に 追加されれば OK です。
    image.png
     
  4. ブラウザを起動して、http:// [www.外部ドメイン名] にアクセスします。
    取得したドメイン名を使って、Web サイトが参照できるようになったことが判ります。
    image.png
     
  5. 同様に、ブラウザから https:// [www.外部ドメイン名] にアクセスします。
    HTTPS の場合は、以下のように セキュリティ保護なし になってしまいます。
    image.png
    安全ではありません を押して、サイトを開いても 以下の状態です。
    image.png

FQDN (取得したドメイン名+ホスト名)を使って、外部からアクセスできるようになりました。

FQDN を使って、外部からアクセスできるようになっても、HTTPS の セキュリティ保護なし の状態に変化がないことが判ります。

4. 公的証明書を発行して、証明書を取得(ダウンロード)する

前提事項の ③ 公的証明書の取得 で説明しましたが、公的証明書 を購入して サーバー証明書 を取得してください。

注意
上記の記事では "sfb.carol226.com" というネイキッドドメイン名 を使って発行する内容になっています。別のタイミングで記事を書いたことが理由です。

"www.carol226.com" の証明書を取得するためには、"carol226.com" というネイキッドドメイン名で申請する必要があります。

そのため、上記の記事は、ネイキッドドメインの箇所を 読み替えながら参照してください。

以下は、carol226.com で申請して発行された証明書の画面です。
この画面から、エクスポートした証明書を使って、後続の作業の画面キャプチャを取得しています。
image.png

5. 証明書のインポート

IIS のサーバー上で作業を行ってください。

  1. 前章で取得(ダウンロード)した証明書を右クリックして PFX のインストール を選択します。
    image.png
     
  2. ローカルコンピューター を選択して 次へ を押します。
    image.png
     
  3. ダウンロードしたファイルが選択されているので 次へ を押します。
    image.png
     
  4. 特に何も指定せずに 次へ を押します。
    image.png
     
  5. 特に何も指定せずに 次へ を押します。
    image.png
     
  6. 以下の画面になったら、完了 を押して終了します。
    image.png

6. 公的証明書を Web サイト にバインドする

  1. インターネットインフォメーションサービス マネージャー を起動します。
    以下の画面で 公開したい Web サイト(Default Web Site)を右クリックして バインドの編集 を選択します。
    image.png
     
  2. https の行を選択して 編集 を押します。
    image.png
     
  3. 以下のように HTTPS のサイト条件を追加して、SSL 証明書 欄で 先ほどインポートした証明書を選択してから、OK を押します。
    もし、証明書が選択出来ない場合は、証明書の作成やインポートで 何かミスがあるはずなので確認してください。
    image.png
     
  4. 以下のように HTTPS のサイトが追加されたことを確認して 閉じる を押します。
    image.png
     
  5. すると、以下のように 世界中の任意の PC から、URL を指定して HTTPS の Web サイトを参照できるようになっています。
    image.png
     
  6. 証明書も セキュリティで保護された状態であることを確認できます。
    image.png

ここまで構築が完了すると、世界中の PC から HTTPS のサイトを参照できることが可能になっています。

なお、www.carol226.com のサイトは、この記事を書き上げたら STOP してしまいます。
VM 代が掛かってしまうのと、証明書は 他の目的で使いたいため。
ご承知おきください。

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