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Azure 上 の OpenVPN の NAT を無効化して クライアントと相互通信させる

Last updated at Posted at 2024-04-14

はじめに

この記事は、既に 公開済み の 以下の記事に関連する内容です。

下記の記事で NAT を使った VPN 構成が完了している事を前提に、そこから NAT を無効化して 相互通信を構成するまでの手順を説明しています。

上記の記事の内容で Azure 上 に OpenVPN を展開して VPN 接続で利用ができますが、NAT を使っているので外部から Azure への 片方向 の通信です。

相互ルーティング まで実現したい人は、上記の構築を済ませたあとに、本記事を参考に、Azure 側の構成変更と、OpenVPN の NAT の無効化を実施してください。

構成イメージ

image.png

  • NAT が構成されている場合は、VPN クライアントから、VM への通信は可能だが、VM から VPN クライアントへのルーティングはできません
  • 本記事の構成を採用すると、VM から VPN クライアントへのルーティングが可能になります

つまり、上記の図の VM 上から VPN クライアント(192.168.240.10)に向かって、Ping や RDP などのアクセスをすることが出来るようになります。

手順1:Azure 側の構成を変更する

OpenVPN の設定で VPN クライアントに割り当てられるネットワークアドレスを把握しておく必要があります。その情報を踏まえて、Azure 側の構成を変更する必要があります。

  1. OpenVPN へ 管理者アカウントでサインインします。
     
  2. 左ペインで VPN Settings を選択して、緑下線の Dynamic IP Address Network を読み取ります。
    image.png
     
  3. 以下の記事を参照して、NIC の IP 転送 や ルートテーブルを構成します。
    その際に、アドレス空間やルーティングの宛先に、上記で読み取ったネットワークアドレスに読み替えて設定するようにしてください。

手順2:NAT の無効化

  1. OpenVPN へ 管理者アカウントでサインインします。
     
  2. 左ペインで VPN Settings を選択して、Routing 設定 で、赤枠部分の Yes, using Routing を選択します。
    Specify the private subnets to which all clients should be given access の欄には、Azure 仮想ネットワーク のネットワークアドレス を入力します。
    image.png
     
  3. 画面を一番したまでスクロールして、Save Settings ボタンを押して、設定を保存します。
    image.png
     
  4. これだけでは、まだ設定が反映されていません。
    以下の画面で Update Running Server を押して反映させます。
    image.png
     
  5. 以下の表示がでれば OK です。
    image.png

以上の手順で OpenVPN の NAT が無効化され 相互に通信ができるようになったはずです。

Next Step

この時点で OpenVPN で接続したクライアントと Azure 側のホストが 相互にルーティングできていると思います。

しかし、OpenVPN に VPN 接続を行った クライアント とだけしか通信ができません。(P2S : Point to Site)

さらに、以下の記事で説明している構成を行うことで、物理拠点や他社クラウドなどの OpenVPN クライアントをルーター化して、各物理ホストが Azure 上のホストと相互に通信ができるようになります。(S2S : Site to Site)

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