はじめに
Intune を使い、Windows PC へ WiFi プロファイルを配布する手順となっています。
今回は、WPA パーソナル 向けです。
WPA パーソナルは、一般家庭で使われている WiFi ルーター で多く使われていて、SSID と 事前共有キー(固定文字列のキー) を使って接続する仕組みです。
公開情報:Intune + Wifi プロファイル 事前共有キー
上記のリンク先の「基本プロファイル」の章が、本記事で紹介している手順です。
Intune で WiFi 設定を配布するテストを簡単に実施することができるため、まず最初に この手順で経験することをお勧めしています。
なお、「エンタープライズプロファイル」の章は、WPA エンタープライズ を構成するための手順ですので、今回は実施不要です。
WPA パーソナル は、共通のキーであることと、PC 側から キーを参照することも出来てしまいます。
そのキーが他人に知られてしまうと、誰でも WiFi を通じて 会社のネットワークへの接続が可能となる仕組みです。
そのため、小規模な組織であれば この方法でも さほど問題ありませんが、それ以上の規模の組織の場合は、WPA パーソナル で運用することは お勧めできません。
WPA エンタープライズ を使うことで、この問題を回避できます。
Intune で「WPA エンタープライズ プロファイル」の配布は、以下の記事を参考にしてください。
エンタープライズプロファイル:ドメイン認証 (MS-CHAPv2)
https://qiita.com/carol0226/items/99e1674ce6be6e24f53c
エンタープライズプロファイル:クライアント証明書 認証 (EAP-TLS)
https://qiita.com/carol0226/items/3b17a2c02c5791727e93
1. 事前準備
以下の記事を参考に、Windows PC を Intune に登録してください。
2. Intune 構成プロファイル (WiFi 設定) の作成手順
- Intune 管理センター へ グローバル管理者 でサインインします。
https://intune.microsoft.com
- 「構成プロファイル」を開き「作成」から「新しいポリシー」を選択します。
- 以下の選択肢を選び、「作成」を押します。
・プラットフォーム = Wndows 10 以降
・プロファイルの種類 = テンプレート
・テンプレート名 = WiFi
- 「基本」タブでは、構成プロファイルの名称を設定します。この名称は Intune 管理センター内でプロファイルの識別のために使われます(ユーザー側には見えないので、管理用の名前)
- 「構成設定」タブでは、WiFi の詳細な設定値を入力して「次へ」を押します。
・ Wi-Fi の種類 = 基本
※WPA パーソナルを使う場合は、"基本" を選ぶ必要があります。
・ Wi-Fi 名(SSID) = [任意の SSID 名]
※画面では、iPhone のテザリングでテストしました。
・ 接続名 = [任意の名前]
※ここで指定した名前が 利用者の PC 画面に表示されます。
・ ワイヤレス セキュリティの種類 = WPA/WPA2 - パーソナル
・ 事前共有キー = [キー]
※接続する WiFi アクセスポイント側のキーを入力します。
※ここで設定値を明記していない項目は、任意で選択してください。利用シーンでは差がでますが、設定を Intune で WiFi 設定を配布して PC から接続する・・という目的は どの設定でも果たせます。
6.「割り当て」タブでは、WiFi 設定を配布するグループ を指定して「次へ」を押します。
ここでは、「すべてのデバイスを追加」を選択して検証を実施しました。
7.「適用性ルール」タブでは、何も修正せずに、「次へ」を押します。
※「割り当て」タブで選択された ユーザー/デバイス のうち、適用する条件や 除外する条件 を指定できます。未設定の場合は、全台が適用されるため、検証時は未選択としました。
8.「確認および作成」タブでは、設定値を最終確認して、「作成」を押します。
10.構成プロファイル が作成されると、以下のように 一覧に表示されます。
3. 接続テスト
3-1. プロファイル適用前の確認
- インターネットに接続されないようにして、作成したプロファイルを割り当てた PC を起動します。
- タスクトレイ で ネットワーク アイコンをクリックして、WiFi 接続し SSID を選択します。
- すると、以下のように キー の入力を求められます。
ここで、接続できてしまう場合は、Intune で設定を配布する前に、この PC が SSID に接続したときのキーを PC が記憶してしまっているためです。
その場合は、この段階で PC 側の WiFi 設定を削除して、キー入力を求められる状態にしてください。そうしておかないと、Intune で配布されたかどうかのテストができません。
3-2. プロファイル適用後の確認
- PC を 起動して、インターネットに接続します(有線LAN または 別の WiFi を使います)
- タスクトレイ で ネットワーク アイコンをクリックして、WiFi 接続し "Intune で設定した接続名" を選択します。
※Intune 側で "範囲内にある場合は自動的に接続する" を ON にしていた場合は、選択することなく 接続されます。
- キーを入力することなく、WiFi に接続されます。
- PC 側の 設定アプリ の WiFi 設定で、以下のように 接続した結果の詳細を確認できます。
WiFi プロファイル名 が "テストWiFi" で、SSID が "iPhone-#####" になっており、Intune から配布した情報情報であることが分かります。
この記事の冒頭でも説明しましたが、WPA パーソナル の場合は、以下の「ビュー」を押すと キーが丸見えなのが要注意点です。
4. 接続できない場合
4-1. Intune で指定した 接続名 が PC の WiFi 接続先に表示されているが、WiFi に接続できない
この場合は、単純に SSID や 事前共有キー が誤ってる場合があります。
Intune 管理センター 側の設定を見直してください。
(Wi-Fi プロファイルはデバイスに展開されますが、デバイスはネットワークに接続できません)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/troubleshoot/mem/intune/device-configuration/troubleshoot-wi-fi-profiles#the-wi-fi-profile-is-deployed-to-the-device-but-the-device-cant-connect-to-the-network
4-2. Intune で指定した 接続名 が PC の WiFi 接続先に表示されない。
Intune プロファイルが PC へ配布できていない可能性が考えられます。
以下の 公開情報 を参考に 問題の切り分けを実施してください。
(Wi-Fi プロファイルはデバイスに展開されますが、デバイスはネットワークに接続できません)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/troubleshoot/mem/intune/device-configuration/troubleshoot-wi-fi-profiles#the-wi-fi-profile-isnt-deployed-to-the-device
4-3. Intune のサポートを受ける
それでも原因が判明しない場合は、Intune のサポートを活用しましょう。
この環境構築のためのライセンスを保持している段階で、サポートは 無料で受けられます。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/mem/get-support