はじめに
初めまして。
CryptoGamesというブロックチェーンゲーム企業でエンジニアをしている cardene(かるでね) です!
スマートコントラクトを書いたり、フロントエンド・バックエンド・インフラと幅広く触れています。
代表的なゲームはクリプトスペルズというブロックチェーンゲームです。
今回は、Ethereumのマーケティングを改革して、Ethereumをより盛り上げることを提案しているEIP2077についてまとめていきます!
以下にまとめられているものを翻訳・要約・補足しながらまとめていきます。
EIP2077という規格は正式には存在しません。
ERC404と同じで正式なルートを通さずに勝手に提案しているだけのものです。
ただ、どの仕組みを面白いので一読の価値があります。
ERC404については以下の記事を参考にしてください。
他にも様々なEIPについてまとめています。
2077とは?
上記の公式サイトに書いてあるように、「2077年の集団」とのことです。
未来を見据えて、そこに向けて活動していくよということですかね。
Ethereumのマーケティングを問題視していて、より良いマーケティングを行うことを目標にしているようです。
概要
2077 Collective (Ethereum’s Unofficial Marketing Department)は、Ethereumのブランドを強化して新しいユーザーや開発者、投資家を引き込むためのコミュニティ主導のプロジェクトです。
具体的には、次のような活動を行います。
-
ブランド強化
- Ethereumの認知度を高め、その魅力を広めるためのマーケティング活動を行います。
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ユーザーのオンボーディング
- 新しいユーザーがEthereumのエコシステムにスムーズに参加できるよう支援します。
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開発者と投資家の誘致
- 新しい開発者や投資家がEthereumに関心を持ち、参加するように促します。
2077 Collectiveは、オンライン上でETHに関する情報を拡散し、Ethereumがデジタル領域での存在感を高めるためにSNS活用したマーケティング活動を行います。
動機
この提案では、Ethereumのマーケティングに関して以下の問題を指摘しています。
マーケティングチームの不在
Ethereumには専用のマーケティングチームがありませんが他のブロックチェーンには存在します。
このことはEthereumのブランドや一般の認識、開発者やユーザーの採用に悪影響を与えています。
Ethereumには、構築とスケーリングに焦点を当てた研究者や開発者のコミュニティは存在しますが、プロモーションに焦点を当てた統一されたコミュニティがありません。
ソーシャルメディアでの存在感の欠如
Ethereumはソーシャルメディアでの存在感が弱いです。
特定のプラットフォーム(例えばFarcaster)を除いて、Ethereumをサポートする人々は他のL1(Layer 1)コミュニティの宣伝活動に数でも質でも負けています。
その結果、他のL1が議論をリードしてEthereumは「死んだチェーン」であるという誤った認識が広まっています。
協調マーケティングの不足
Ethereumコミュニティは、分散化と公平性を重視するため、協力してプロモーションやマーケティングを行うことを避ける傾向があります。
しかし、中央の組織がマーケティング活動を調整しないため、プロトコルやエコシステムのプロジェクトのプロモーションキャンペーンは一貫性がなく効果的でありません。
強力な声と擁護者の不足
Ethereumの開発者や研究者は控えめで、オンラインや現実世界でEthereumについて取り上げるよりも、ひっそり開発を行うことを好みます。
この過度な謙虚さと自己宣伝への嫌悪感が、Ethereumエコシステムの革新的なプロジェクトの過小評価と、コア開発者や研究者による最先端の研究開発作業への関心の低さを招いています。
要するに、Ethereumはマーケティングとプロモーションに関していくつかの重要な問題を抱えており、それがブランドの認知度や採用に悪影響を与えているということです。
仕様
EIP2077で提案されているコントラクトは、Ethereumのマーケティング活動を強化するための一連の機能を定義しています。
Ethereumをクールで素晴らしく楽しいものにすることに真剣に取り組む必要があります。
pragma solidity ^0.14.0;
operation marketEthereum public ()
function fillTheGap() external;
function controlTheNarrative() external;
function correctTheFocus() external;
function promoteEthereumEcosystem() external;
Solidityの現在(2024年7月)のバージョンは0.8.26が最新なので、ここで提案されている0.14.0は相当未来のバージョンを想定しています。
また、operationというのも現在の機能ではないと思います。
fillTheGap
Ethereumのマーケティングと認識のギャップを埋める機能。
- Ethereumのマーケティングに関する主要な問題についてコンセンサスを確立する。
- マーケティングの問題に取り組むための公共インフラを構築する。
- Ethereumの技術コミュニティとマーケターの間で協力関係を築く。
controlTheNarrative
Ethereumのマーケティング努力を正しい方向に集中させる機能。
- 革新的なアプリケーションやプロジェクトを紹介することで、より多くの人々をオンチェーンに引き込む。
- ケーススタディや使用例を公開することで、オンチェーンで開発やビジネスを行う開発者や企業の割合を増やす。
- Ethereumの技術コミュニティとマーケターの間で協力関係を築く。
correctTheFocus
Ethereumのマーケティング努力を正しい方向に集中させる機能。
- 革新的なEthereumアプリケーションやプロジェクトを紹介することで、より多くの人々をオンチェーンに引き込む。
- Ethereumエコシステム内のビルダーの割合を増やす。
- 新しいユーザー、開発者、企業をEthereumにオンボードするためのツールとリソースを作成する。
promoteEthereumEcosystem
Ethereumブランドを積極的にプロモーションして擁護する機能。
- 2077 Collectiveを活用して、Ethereumエコシステム(Ethereumに関連するプロジェクトやプロトコルを含む)をプロモーションし、採用、認知度、投資を促進する。
- Ethereumエコシステム全体の提供するものを市場に示す。
- Ethereumインフラの価値提案についてユーザー、開発者、企業に教育する。
補足
Ethereumとサイファーパンクの価値を広めるためには、高品質なミームやコンテンツを作って多くの人に届ける一貫した取り組みが必要です。
この取り組みは、新しい話題を作り出しながら、他のブロックチェーンに対する批判や意見にも対応する必要があります。
Ethereumの価値をしっかりと伝えることで、新しいユーザー、開発者、企業、クリエイターをEthereumのコミュニティに引き込むことができます。
Ethereumを効果的にマーケティングして広めるためには、コミュニティ全体の協力が必要です。
2077 Collectiveのような中央組織がEthereumのマーケティングを一手に引き受ける方が、現在のバラバラなアプローチよりも効果的です。
中央組織があることで、統一されたブランドイメージを作り上げてそれを維持できるからです。
互換性
この提案により、Ethereumのソーシャルメディアやコミュニケーション方法に大きな変更が加えられます。
これらの変更は、以前のやり方とは互換性がありません。
技術的なハードフォークのように、文化的にもコミュニティ全体が新しい方針やメッセージに合わせて考え方や行動を変える必要があります。
Ethereumに関わるすべての人々や組織が、ここで提案されている新しい方針に対応できるように十分な準備が必要です。
セキュリティ
この変更により、Ethereumのマーケティング活動がより活発になり、多くの人の関心を引きつけ、利用者の増加が期待され、Ethereumの採用率と知名度が大幅に上がることが見込まれます。
また、多くの人がEthereumの魅力に気づき、その評価を高めるはずです。
Ethereumを嫌う人々は、新しいマーケティングコンテンツに長時間さらされることでストレスや苛立ちを感じるかもしれません。
こうした人々には、Ethereumや暗号通貨全般から距離を置くことが推奨されます。
引用
Emmanuel Awosika (@eawosikaa), Olly (@operator_xyz), Lynett.eth (@Lynett0x), and 2077 Collective (@2077Collective), "EIP-2077: Ethereum Marketing Department," Not actually an EIP, no. 2077, May 2024. [Online serial]. Available: XXXX.XXXX.
最後に
今回は「Ethereumのマーケティングを改革して、Ethereumをより盛り上げることを提案しているEIP2077」についてまとめてきました!
いかがだったでしょうか?
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