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【解いてみた】確率微分方程式入門 (逐次更新)

Last updated at Posted at 2016-12-29

はじめに

どうも、皆さんおはこんばんにちは

ハルです

私は、数学が苦手です。けど、友人には「数学が好き」とは言っています
「こういう理論があるのか」というワクワクは人並みには感じてるので、好きだと思います
苦手なのは圧倒的に演習量が足りない、という自分なりの結論に至りました
というわけで、「問題解いてみた」シリーズを始めていきたいと思いました

解け次第逐次更新するつもりで、最初は勉強から始めていくのでもし読まれる方がいれば温かい目やコメントを頂ければ嬉しいです

どのような問題を解いていくか、書いてみました。もし、興味があれば解いてみてください

問題

1章 ブラウン運動

  1. $W =W(t) \, \, (t \geq 0)$を標準ブラウン運動とする. このとき
    $$
    V[W(t)-W(s))^{2} - |t-s|] = 2(t-s)^{2}
    $$
    を示せ.

  2. オルンシュタイン・ウーレンベック過程の共分散$C[U(t+s), U(t)] \, \, (s, t \geq 0)$を示せ.
    オルンシュタイン・ウーレンベック過程を, $ W=W(t) \, \, (t \geq 0) $ を標準ブラウン運動, $\mu, \sigma$を正の数としたとき,
    $$
    \begin{equation}
    U(t) = e^{- \mu t} W( \frac{ \sigma^{2} e^{2 \mu t} }{2 \mu} )
    \end{equation}
    $$
    とする.

  3. 確率1で

    $$
    \displaystyle lim_{t\to \infty} \frac{W(t)}{t} = 0
    $$
    となることを示せ. この性質を, 大数の法則と云う.

  4. $W(0) = W(1) = 0$を満たす$0 \leq t \leq 1$におけるブラウン運動をブラウン橋(Brown bridge)と云う.
    (1) $W^{0}(t) = W(t) - t W(1) \, \, (0 \leq t \leq 1)$
    (2) $W^{1}(t) = (1-t)W(\frac{t}{1-t}) \, \, (0 \leq t \leq 1)$
    は、それぞれブラウン橋であることを確かめよ.

    また, $W^{0}(t), W^{1}(0)$の平均$E[W(t)]$と共分散$C[W^{k}(t+s), W^{k}(t)]$ (ただし, $0 \leq t \leq 1, 0 \leq t + s \leq 1, k = 0, 1$を, それぞれ求めよ.

  5. $\mu, \sigma$を正の数としたとき

    $$
    X(t) = \mu t + \sigma W(t) \, \, (t \geq 0)
    $$
    を, ドリフトをもつブラウン運動と云う. $\mu t$をドリフト項と云う. このとき, $X(t)$の分布は, 平均$\mu t $, 分散$\sigma^2 t$の正規分布$N(\mu t, \sigma^2 t)$に従うことを示せ.

  6. ドリフトをもつブラウン運動$(1.5)$に対して
    (1) 共分散$C[X(t+s), X(t)]$
    (2) 積率母関数$M_{X}(s) = E[e^{sX(t)}]$

を, それぞれ求めよ.

2章 伊藤積分

  1. $f$が連続でなければ, 積分$\displaystyle \int_{0}^{T} f(t)dg(t)$は, もはや存在しない場合がある. 例えば
{f(t) = \left\{
\begin{array}{ll}
1 & (t \text{が有理数})\\
0 & (t \text{が無理数})
\end{array}
\right.
}

のとき, リーマン積分$\displaystyle \int_{0}^{T} f(t) dt$は存在しない. 理由を述べよ.

2. 部分和$(2.2)$において, $\xi_k = \frac{1}{2} (t_k + t_{k+1})$としたとき, すなわち, $\xi_k$を各小区間$[t_k, t_{k+1}]$の中点としたとき, $n \to \infty$とすれば
$$ \displaystyle
\sum_{k=0}^{n-1} W(\frac{1}{2} (t_k + t_{k+1})) (W(t_{k+1}) - W(t_k)) \to \frac{1}{2}W(T)^2
$$
となることを示せ.
$部分和(2.2)$は$\displaystyle \sum_{k=0}^{n-1} W(\xi_{k}) (W(t_{k+1}) - W(t_k))$とする.
3. 伊藤積分の定義により次を示せ.
$$\displaystyle \int_{0}^{T} t dW(t) = TW(T) - \int_{0}^{T} W(t) dt$$
4. 単関数$f, g$に対して, 等式

$$
E \bigl[ \bigl( \int_{0}^{T} f(t) dW(t) \bigl) \bigl( \int_{0}^{T} g(t) dW(t) \bigr) \bigr] = E \bigl[ \int_{0}^{T} f(t) g(t) dt \bigr]
$$
を示せ.
5. 次の等式を示せ.

$$
\int_{0}^{T} W(t)^3 dW(t) = \frac{1}{4}W(T)^4 - \frac{3}{2} \int_{0}^{T} W(t)^2 dt
$$
6. 次の伊藤積分が従う分布を求めよ.

(1) $\displaystyle \int_{0}^{T} \sqrt{t} dW(t)$
(2) $\displaystyle \int_{0}^{T} e^{t} dW(t)$

7. 確率的でない, すなわち, 決定論的である実数値連続微分可能な$f$に対して

$$
\int_{0}^{T} f(t) dW(t) = f(T)W(T) - \int_{0}^{T} W(t) f'(t)dt
$$

を示せ.

3章 伊藤の公式

  1. $d(W(t)^n) \, \, (n=2,3,\dots)$を求めよ

  2. $X(t) = e^{-\frac{1}{2}t + W(t)}$に対して$dX(t) = X(t) dW(t)$となることを確かめよ.

  3. $E[W(t)^4]$を, 伊藤の公式を用いて求めよ.

  4. $X$が$\cal{G}-$可測であるとき, ほとんどいたるところ $E[X|\cal{G}]=X$となることを示せ.

  5. 一次元対称ランダムウォーク$S_n (n=0, 1, 2, \cdots)$に対して, 例題3.19で定めたフィルトレーション$\cal{F}_n$に関してマルチンゲールであることを示せ.

  6. 対数正規過程$X(t) = e^{\sigma W(t)}$ ($\sigma$は正の数, 式$(1.3)$参照)に対して, $dX(t)$を求めよ.

  7. 正の数$\alpha, \sigma$に対して, 確率過程

$$X(t) = \sigma e^{- \alpha t} \int_{0}^{t} e^{\alpha s} dW(s)$$

を定める. $X(t)$は

$$dX(t) = - \alpha X(t) dt + \sigma dW(t), \, \, X(0) = 0 \hspace{100px} (3.4)$$

を満たすことを確かめよ. 式$(3.4)$をランジュバン(Langevin)方程式と云う.

  1. 確率過程$X = X(t)$は

$$
dX(t) = \alpha X(t)dt + \sigma dW(t)
$$
を満たすとする. ただし, $\alpha, \sigma$は定数である. このとき
(1) $Z_{1}(t) = X(t)^2$
(2) $Z_{2}(t) = \frac{1}{X(t)}$
に対して, それぞれ$\ dZ_{1}(t), dZ_{2}(t) \ $を求めよ.

  1. 次の確率過程はマルチンゲールであることを, マルチンゲール表現定理を用いて示せ.

(1) $X(t) = e^{\frac{1}{2}t} cos W(t)$
(2) $X(t) = e^{\frac{1}{2}t} sin W(t)$
(3) $X(t) = (t - W(t)) \exp \bigl(-\frac{1}{2} t + W(t) \bigr)$

  1. 任意の$\alpha \in \mathbb{R}$に対して

$$
Z(t) = exp \bigl[-\frac{1}{2} \alpha^2 t - \alpha W(t) \bigr]
$$
はマルチンゲールであることを示せ.

4章 確率微分方程式

  1. $dW(t) = dW(t)$の場合に, 式$(4.7)$を直接計算せよ. ただし, $W(t)$は標準ブラウン運動とする.

    $(4.7)$を, $(\cal{A}$ $\displaystyle f)(x) = \lim_{t\to 0, t > 0} \frac{ E [f(X(t)) \ | \ X(0) = x] - f(x)}{t}$

  2. 一般の初期値のランジュバン方程式, すなわち
    $$dX(t) = - \alpha X(t) dt + \sigma dW(t), \, \, \, \, X(0) = X_{0} (\in \mathbb{R}) $$
    に対して($\alpha$と$\sigma$は正の数)
    $$(1) E[X(t)] , \hspace{50px} (2) C[X(t+s), X(t)], \hspace{50px} (3) $V[X(t)]$$
    をそれぞれ求めよ.

  3. 確率過程$X(t)$は, 確率微分方程式
    $$
    dX(t) = - \alpha X(t) dt + \sigma dW(t)
    $$
    の解であるとする. ただし, $\alpha, \, \sigma$は正の数とする. このとき, $Y(t) = X(t)^2$は, 確率微分方程式
    $$
    dY(t) = (\sigma^2 - 2 \alpha Y(t)) dt + 2 \sigma \sqrt{Y(t)}dW(t)
    $$
    を満たすことを示せ.

  4. 確率微分方程式
    $$
    dX(t) = \alpha X(t) dt + \sigma dW(t)
    $$
    を満たす確率過程$X = X(t)$に対して, 生成作用素$\cal{A}$を求めよ. ただし, $\alpha, \, \, \sigma $は定数である.

5章 数理ファイナンスへの応用

  1. 満期日$T$において, 価格変動するある金融資産$S = S(t)$の1単位を$K$円で売却する. という先渡し契約を結んだ. この先渡し契約のペイオフ関数を図示せよ.

  2. オプション契約で, 売る権利のことをプットオプション(put option)という. 満期日$T$において, 価格変動するある金融資産$S = S(t)$の1単位をK円で売却する. というオプション契約を結んだ. このプットオプション契約のペイオフ関数を求めて図示せよ.

  3. BSMモデルにおいて, 満期日$T, $行使価格$K$のヨーロッパ型プットオプション$\ P(t, S) \, \, (0 \leq t \leq T) \, \, $の価格評価式を求めよ.

  4. ブラック・ショールズ評価公式において, $t \to T$としたときの極限は満期日でのペイオフ関数に等しいこと, すなわち
    $$
    \displaystyle lim_{t \to T} (S(t) \phi(d1) - K e^{-r(T-t)} \phi(d_2)) = max \{ S(T) - K, \ 0 \}
    $$
    であることを確かめよ.

  5. ブラック・ショールズ評価公式において, それぞれ, 株価$S$, 満期日$T \ $までの残り期間$T - t$, 行使価格$K$, 無リスク利子率 $r \ $, ボラティリティ $\sigma \ $ に関する変化率を総じてグリークス(Greeks)と云う. 以下のデルタ以外のGreeksを, それぞれ求めよ.

デルタ$: \Delta = \frac{\partial C}{\partial S}, \, \, \, $ガンマ $: \Gamma = \frac{\partial^2 C}{\partial S^2}, \, \, \, \, $ シータ $: \theta = \frac{\partial C}{\partial t}$

ナブラ$: \nabla = \frac{\partial C}{\partial K}, \, \, \, $ ロー $: \rho = \frac{\partial C}{\partial r}, \, \, \, \, \,$ ベガ$: \cal{V} = \frac{\partial C}{\partial \sigma}$

  1. 1期間二項モデルにおいて, 満期$t=1$での行使価格が4のプットオプションに対して, $t=0$における価格を計算せよ. また, 複製ポートフォリオを求めよ.

解いてみた

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