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入社一年間で学んだ「DX」「UX」を整理してみたい

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はじめに

今年の4月で入社二年目になった僕ですが、一年目の間は本当にたくさんのことを学びました。
化学系の学科出身ということもあり、一から勉強勉強という感じで一年目を疾走したように思います。
配属された部署は本当に自由に勉強をさせてくれる最高の環境で、本当に感謝しております。

そんな中で、「DX (Digital Transformation)」という言葉を耳にするようになり、「UX (User Experience)」という言葉を耳にするようになり、なぜか「DXを実現するためには、UXという概念を勉強するのがよさそうだ」と無意識に考えるようになりました。
そして先日ふと「あれ、なんでUXが大事なんだっけ?」と思い、一年間で学んだ様々な知識が、僕の頭の中に乱雑に放置されていることに気が付きました。

そこで今回は、「DX」「UX」について文献やいろいろな人の考え方を引用しつつ、自分の考えを整理していきたいと思います。
たかだか社会人歴1年間のヒヨッコの理解なので、考え切れていないポイントも多いと思います。
補足やアドバイス、良い文献や資料がありましたら、コメントいただけると嬉しいです。

それでは、少々お付き合いください!

DXって何だっけ

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
(引用元:https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf)

まずそもそもDXとは何だったっけと思い、経済産業省のサイトにある「DX推進ガイドライン」を見てみました。
DXの目標はざくっと「激しい環境変化に対応し、IT技術を活用して、競争優位を確立すること」ということでしょう。
つまり最終目標は「競争優位」になること。
この辺りはふむふむなるほどなあと腑に落ちそうな部分ではありますが、あえてもう少し深堀りしてみます。

なんで激しい環境変化なんだっけ

急激な情報化

昭和は大量消費を背景に、「ものを作れば売れる時代」でした。平成は、モノを作っても売れない時代」となり、経営フレームワークを駆使し、「儲かるモノを予測して作る」方向性へシフトしていきました。そして令和は「予測困難なVUCAの時代」となり、テクノロジーの進化で未知の強豪や製品・サービスがしのぎを削りあう時代への突入したのです。
(引用元:柴田彰他著「VUCA 変化の時代を生き抜く7つの条件」

一年目の間にVUCAというキーワードも何回も耳にしました。
Volatility(不安定さ)、Uncertainty(不確実さ)、Complexity(複雑さ)、Ambiguity(曖昧さ)の頭文字をとったもので、現代の予測困難さを表現するときによく耳にする言葉です。

VUCAの時代の到来を支えているのはテクノロジーの進化・情報化でしょう。
みんながスマホを持ち、みんながパソコン操作ができる現代、情報を発信したり情報を取りに行ったりすることが容易な時代になりました。
一度ヒットしたモノだからといっても、その情報が仮想世界を通じて世界に伝われば、それを代替するようなまた新しいモノが出てくることも容易に想像できます。

情報の動きが遅かった昔は、イノベーションの価値・インパクトが大きかった。
しかし情報が超高速で移動する現代においては、イノベーションを起こしても昔ほど長持ちしなくなった。
いつ「未知の競合や製品・サービス」が登場して顧客を奪っていくか分からない、しかも消費者の趣向もごろごろ変わってしまうような、不安定な時代になったと理解すればよさそうです。

問題の希少化

私たちは「問題=困っていること」を解決するためにお金を払ってモノやサービスを購入するわけですが、現在の世の中では「問題=困っていること」が希少になっているんですよ。その結果として発生しているのが「正解の過剰化」という問題です。
(引用元:水野学・山口周著「世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術」

これに加えて、いわゆる「モノの飽和」がイノベーションを起こしにくくさせているのではないでしょうか。
急に「何か新しいもの作ってよ」と言われても、パッと思いつくものって大体世の中にあるモノの焼き直しになってしまいそうですよね。
お店に行ってもボールペンなんて何種類あるのという感じですし、スーパーにいけば大体のものは購入できます。
今はamazonといったオンラインショップもあり、モノで困ることがほとんど無くなった、便利な時代になったんですね。

そんな中で企業は価値を提供し「続けなければ」ならない。
企業にとって現代は非常に厳しい時代だといえそうです。

僕は最初SOW Experienceというサービスを知ったときに「うわあこんな発想があったのか!!」と衝撃を受けたのを覚えております。
クルーズ船にのる、旅行に行ける、高級レストランを味わえるといったいわゆる体験ギフトのサービスです。
あのサービスこそ、モノが飽和している現代だからこそ生み出され価値を発揮するものなのかもしれませんね。

その手段がなんでITなんだっけ

このようなデータを基にサービスが生み出されると考えるのではなく、社会基盤そのものが再構築され、ビジネスモデルもルールも抜本的に変わっていくととらえる必要があります。つまり「デジタルによる社会システムのアップデート」が起きるのです。
(引用元:藤井保文・尾原和啓著「アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る」

ここまで書きながら、「あれ?これって別にITで解決する必要なくないか?」と思ってしまいました(素朴な疑問だと思ってください・・・)。
ここまでのまとめは「画期的なアイデアを生み出し続けなければならない、しかもアイデアが生み出しにくい世の中になっている」なので、この解決手段は「画期的なアイデアを生み出す方法」になるはずです。
これではDXに注目する充分な理由になりません。

そのヒントが「アフターデジタル」から引用した言葉、「デジタルによる社会システムのアップデート」でしょう。
少し前の時代と比べ、「ほとんど全員がスマホを持っている」という前提で会話が繰り広げられるようになりましたよね。
スマホを持っていないというと「えっ持ってないの?不便じゃない?」と驚く姿も容易に想像できます。
これも一つの社会システムのアップデートでしょう。

そのようなアップデートがこれからまた起こる。
そのアップデートに追いつき追い越せば競争優位になり、置いていかれれば競争劣位となる。
だからDXが必要なんだ、という論法のようです。

社会システムのアップデートって何なのさ

しかし、モバイルやIoT、センサーが偏在し、現実世界でもオフラインがなくなるような状況になると、「リアル世界がデジタル世界に包含される」という図式に再編成されます。(中略)つまり「デジタライゼーション」の本質は、デジタルやオンラインを「付加価値」として活用のではなく、「オフラインとオンラインの主従関係が逆転した世界」という視点転換にあると考えます。
(引用元:藤井保文・尾原和啓著「アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る」

そのアップデートとは、ザクっと「オンラインメインの世界」になっていくということ。
コロナ禍で「出社する必要がある仕事」と「出社する必要がない仕事」を意識するようになった人も多いのではないでしょうか。
今は外出を避ける必要があるため、「出社する必要がない仕事=オンラインの仕事」がメイン、「出社する必要がある仕事=オフラインの仕事」がある場合は仕方なく出社という企業も多いのではないでしょうか。

今回の場合はコロナ禍をきっかけにしてこのようなオンライン化が進みましたが、オンラインでできることって意外と多いんですよね。
コロナが終わったとしても、このような「オンライン=メイン」「オフライン=サブ」が常識の時代がすぐにやってくること、それがまさにこれから起ころうとしている社会システムのアップデートのようです。

僕がこれを読んだときはコロナ前だったので、「なるほどなあとは思うけどほんまか?」と思いました(素朴な反応だと思ってください・・・)。
ただコロナを通しオンラインで色々なことができることを経験してしまった今、「オンラインメインの世界もありえなくはないなあ確かに」と思うようになりました。(ゆるい)

「社会システム」のオンライン化ということは、消費者側の考え方もオンライン前提になるということ
つまりこれまでオフラインで通用していたビジネスモデルが通用しなくなる危険性があるということ。
企業はビジネスモデルの変革が迫られるわけです。
つまり社会の中のあらゆるものが、「オンラインでやりとりされる前提」になっていく、このパラダイム変化についていくためにも、DXが必要なのだ。
このような論法のようです。

業務効率化はDXなの

現在日本国内では「デジタルトランスフォーメーション (DX)」という用語について、3段階の認識が存在する。
①広義のDX:ITの浸透により、人々の生活が根底から変化し、よりよくなっていく・・・
②狭義のDX:デジタルテクノロジーの進展で劇的に変化する産業構造と新しい競争原理を機会、または事業継続上の脅威と捉え、対応していくべき、という示唆を根幹とする。
③経済産業省レポートのDX:レガシーシステムや硬直化した組織改革、経営意識改革といった「マイナス要素を克服する活動
(引用元:https://shareboss.net/contents/feature/digital-transformation/)

少し脱線しますが、入社直後で情報系の知識が全くなかった僕は、最初DXとはIT導入による業務効率化のことだ!と思っていました
これは半分正解で半分不正解のようです。
ITが一般化することによって、「IT技術当たり前社会」に対応するという意味で、業務効率化は一種のDXと言えそうです。
この文脈でのDXはツールを常に最新にしていくという、連続的で外交的な改革の意味合いがあるように感じます。
ただ、業務効率化の主目的をコスト削減に置いてしまうと、それはDXとは呼べなさそうです。

ShareBossというサイトから引用しましたが、企業が本来目指すものは②のDXであり、③のDXではない、ということに留意する必要がありそうです。
作業効率化は人件費などのコストを下げるという、マイナスを軽減するものであり、プラスを増やすものではありません。
もちろんコスト削減も必要ではありますが、いつか頭打ちになるでしょう。

あくまでもDXの目的は、社会システムの変革とビジネスモデルの崩壊に太刀打ちするため、ということを意識する必要がありそうです。

データってなんで必要なんだっけ

すると、険しい顔をしたポール氏は、このように言いました。
「藤井さんが考えている、データエコシステムとか、データの売買という考えは、すべて幻想だよ」
「データに関しては、おそらく中国で一番研究し、様々なことを試してきたけど、データはソリューションにしないとお金にならないんだ。」
(引用元:藤井保文著「アフターデジタル2 UXと自由」

こう書きながら、「あれ、DX周りのキーワードでIoTとかデータとかってあるけど、そもそもなんでデータって必要なんだっけ」と疑問に思いました(アホとか言わないで)。

ここまでの話を整理すると
・先行き不透明、やべぇ
・社会システム変わってビジネスモデル変えなきゃ、やべぇ
という話でした。(ふざけてないです)
こうなると次に考えるべきは、その新しいビジネスモデルをどのように作るか、という話でしょう。

社会システムのオンライン化によって、企業側は一つ恩恵を得ることができるようになります。
それが世の中にデータが大量に生まれることです。
ネットで調べものをすれば閲覧履歴が残るし、購入ボタンをポチれば購入履歴が残ります。
企業は価値を提供することで対価を得るという仕組みである以上、消費者が何に価値を感じるかを考える必要があります。
そのためデータはビジネスモデルを作るためのまさに「宝の山」と言えるでしょう。

ビジネスを作る材料となるのが「データ」、そしてデータ生成をさらに促進させるためのIoT、という理解でよさそうです。
引用の文章にもありますが、データは持っているだけではお金にならないどころか漏洩リスクや管理コストがかかってしまいます。
なのでDXに必要なのは「データ」というよりは「データ活用」といったほうが正確なのかもしれません。

データ活用って何だっけ

どれだけ立派な「データ分析」をやっても、それだけではただの数字遊び、一銭にもなりません。意思決定につながってこそ、利益増加やコストダウンという形でビジネスに貢献するのです。
第二章では、データ分析でビジネスを変えるには、解く力(分析力)だけでなく、見つける力(問題発見力)と使わせる力(実行力)が必要であると伝えました・・・。
(引用元:河本薫著「会社を変える分析の力」)

もう一歩詰めて考えてみます。
データ活用って具体的にどういうことでしょうか。なぜデータ活用をすることによって顧客の需要が分かるのでしょうか。
ここでは過去データから傾向を読み取る「データ活用」と、未来予測をする機械学習的な「データ活用」とを区別する必要がありそうです。

前者の意味でのデータ活用とは、過去の記録から顧客にどんな傾向があるかを分析することを言いそうです。
例えば、夏はこれが売れ行きが良いとか、男性より女性のほうがこの商品に興味があるだとか、この商品を買った人はこの商品も一緒に買いそうだとかですね。

でも冷静に考えてみると、過去の傾向が分かったからと言ってビジネスが生まれるわけではありませんよね。
引用にもある通り「意思決定につながってこそビジネスに貢献する」ようです。
ビジネスの質を上げたり、新しいビジネスを探すための手段としてデータ活用をするわけであって、結局のところビジネスを考え出すのは人間の力。
「へぇ女性のほうがこれよく買うんやあ」と分かりましただけではビジネス的には意味がないわけですね。
ここからどうアイデアを展開していくか、ということが大事になりそうです。

後者の意味でのデータ活用は、いわゆるAI/機械学習そのものをサービスにするものです。
AI/機械学習を使って人間より高い予測精度で何かを予測できるのであれば、それ自体に価値がありますよね。
でもこれについても冷静に考えてみると、これをしている時ってそもそも「これを予測したい」という課題があって、AI/機械学習の構築を試みているわけですよね。
つまり、データ活用の前に課題の発見・サービスの決定がすでにあるわけです。

二つの観点からデータ活用について考えてみましたが、いずれにしてもデータ活用そのものが新ビジネスに直結するわけではなく、課題・アイデア・新サービスの発見が先にある、と考えられそうです。
僕が最初「データ活用がDXには必要だ!」と聞いたとき「新しいビジネスを作るには最初にデータとにらめっこしなさいよ」という風に聞こえましたが、それは間違いのようです。
あくまで先にアイデアがあり、課題があり、サービスの模型がある、ということに留意する必要がありそうです。

ここまではビジネスを新しく作ることを前提に話していましたが、既にオンラインでの顧客接点がある場合は、データ活用はサービスの質の向上に役立ちそうですよね。
この文脈ではアイデア先行ではなさそうです(もちろん新ビジネスを見据えるサービス向上であればアイデアは必要です)。
データ活用の目的が「ビジネスを作る」か「ビジネスを改善する」かによって、頭を切り替える必要がありそうですね。

どうやってアイデアを見つけるのさ

アート思考・デザイン思考

そう、論理的で理性的というのは科学のようにいつでもどこでも誰がやっても、方法が間違っていなければみんなが同じ答えを導き出せるということです。
しかし昨今の複雑な世界では意思決定するために必要な材料が膨大にあるために時間がかかってしまうのです。つまり時間が足りない。
(引用元:山口周監修「マンガと図解でわかる 世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?」

それではどのようにすれば斬新なアイデアを見つけることができるのでしょうか。
しかも最初に書いた通りモノが飽和したVUCAな時代です。
ぱっと思いつくアイデアは世の中にたくさんあります。

ここで出てくるのがアートやデザイン思考なのではないでしょうか。
最近本屋さんで関連の本をたくさん見ますが、いずれも論理的に考える力に加え、「右脳的」「クリエイティブ」「ケイオティック(chaotic)」に考える力の必要性を訴えております。
引用にも書いてある通り、論理的思考だけでは現代には太刀打ちすることが難しい。

ここで留意するべきことが、いずれも決して論理的思考が不要だと主張しているわけではないことです。
クリエイティブな思考だけだと、ドラえもん的な先進的すぎるアイデアが生まれてしまいます。
ふわっとしたアイデアから少しずつ地に着いたものにしていくためにも論理的思考は必要であって、創造的思考とバランスよく使っていくことが大事だよ、ということのようです。

その他、考え方に関するおすすめ書籍を載せておきますね。
もともと本嫌いだった僕でも読める読みやすいものばかりなので是非ご覧になってください!
その他おすすめ図書があれば、コメントいただけると嬉しいです。
・佐宗邦威著「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」
・水野学著「センスは知識からはじまる」
・末永幸歩著「13歳からのアート思考」
・前田裕二著「メモの魔力」
・三浦俊彦著「東大の先生!超わかりやすくビジネスに効くアートを教えてください!」

ダイバーシティ・アイディエーション

見てください、全員顔が違うでしょう。
心も同じだけあるんですよ。僕らはもともと多様なんです。
(中略)だからみんなの経験を持ち寄って聞きあうだけでいろんな発見があるんです。「この人間社会をどうみているか」を語り合うといいますか
(引用元:フランクリン・コヴィー・ジャパン監修「まんがでわかる7つの習慣Plus」)

就職活動のときに「ダイバーシティという言葉をよく聞くけれど、なんでダイバーシティは大事なんだろう」と思っていました。
もちろん多様な働き方を尊重するなど人財的観点もあるとは思いますが、画期的なアイデアを出すという意味でダイバーシティはキーワードとして大事になりそうです。
個々の価値観や体験を持ち寄って議論をしあって意見を交換することによって、新しいアイデア創出を促進するという狙いがありそうです。

ただ、アイデアを持ち寄ったとしてもそれをうまくハンドリングしないといけませんよね。
色んな意見は出たけれど結局多数決で一個に絞りました、ということが多いのではないでしょうか。

そのためにも「アイデアを組織の中でどうまとめるか」ということも知る必要がありそうです。
Ziba Designの濱口さんは「ブレストをやるときはアイデアを見てはいけない」と言っていたり、
ワンキャリアの北野さんは「アートとサイエンスは「同じ土俵で戦わせてはいけない」・・・(中略)・・・具体的にはどちらがいいか?という軸でぶつけたらあかん。」と言っていたり、
クロスフィロソフィーズの吉田さんは「(哲学シンキングの特徴は)いっしょに問いを深め、考えることで、本人さえ気づいていなかった(コトバにできなかった)コトバを哲学の手法で引き出す点です」と言っていたり、・・・・。
チーム内や組織内でどのようにハンドリングしていくかは本当に様々あるようです。

ただいずれのものにしても、「問題の裏側にあるものを議論の中で少しずつ引き出す」という点では共通してそうです。
どのようにして画期的な創造的な斬新なアイデアを組織の中で生かすか、ということも勉強していく必要がありそうです。

(引用元:
・濱口秀司講演「「認知バイアス」にイノベーションのカギがある」https://vimeo.com/48997854
・北野唯我著「天才を殺す凡人」
・吉田幸司著「「課題発見」の究極ツール 哲学シンキング」
こちらもおすすめです!
・玉樹真一郎著「ついやってしまう体験のつくりかた」
・川喜田二郎原作「まんがでわかる 発想法 ひらめきを生む技術」)

SDGs (Sustainable Development Goals)

経営層がSDGsを気にする理由は、SDGsが、①新事業開発や既存事業の拡大につながりそうだ、②新たな人材獲得のための武器になりそうだ、③コミュニケーションツールとして有効だ、という3つの魅力を感じるからです。
新たな事業の種を探したい経営者にとって、「企業の力を必要としている」SDGsは、宝の山と言えます。
(引用元:村上芽・渡辺珠子著「SDGs入門」)

これは先日僕がたまたまSDGsの本を読んでて「ええ!SDGsって新規ビジネスにつながるの」と驚いたので書いてみました。
SDGsが世界的に大事なものだ、ザクっと「世界が目指すべき目標でしょ」ぐらいの感覚だったんですが、引用の書籍を読んでかなり考え方が変わりました。
企業は価値を提供してその対価を得るという仕組みなので、SDGsのような世界的な課題に着目することは確かに言われてみれば非常に良いアイデアな気がしますよね。

僕自身まだまだ理解不足なので、多くを語れませんが、これから少しずつ本を読みながら勉強していきたいと思います。
おすすめ書籍として落合陽一著「2030年の世界地図帳」も是非ご覧になってくださいね。

アイデアの良し悪しをどう判断するのさ

UXは利用時の品質に関わるものであり、製品やサービスを実環境で利用した実ユーザーが経験するものである。
利用時の品質には、客観的利用時品質と主観的利用時品質が区別されるが、客観的利用時品質は最終的には主観的利用時品質に集約される。
その主観的利用時品質のうち、特に満足度がUXの代表的指標として考えられる。
(引用元:黒須正明他著「HCDライブラリー7 人間中心設計における評価」

それではアイデアが出てきてこんなサービスどうだろうという話になりました。
そのサービスが本当に売れそうかを評価したいですよね。
ここで出てくるのが学問的な「UX」という考え方だと思うんです。
(UXがどの領域を示すのかについてはまだまだ勉強不足なので、やや拙い議論をしているかもしれませんがご了承ください)

「いやいやブレストの時に「こんなユーザ向けでこんなアイデアはどう?」みたいな話してるからUXの話はもうしてるよ」「UXって結局サービスを考えることでしょ?」という人もいると思います。
ここからは個人的な解釈になってしまいますが、「あるサービスのUXを考える」とは「あるサービスにおける体験とは何かを考え、ユーザの体験を体系的に追体験し、その体験の品質を最大化すること」だと思うんです。

アイデアとして非常に画期的で「それ面白いねえいいねえ!」というものが出てきたとしても、ユーザに使ってもらえるようなものに仕上げないと結局意味がありません。
だとか「今まで日本では見たことがない斬新なアイデア」だとしても、うまくサービスを設計しなければ「見たことないし怖い」と言われて終わってしまいそうです。

アイデアが出てきました、それじゃこれが実際にサービスになったときのことを考えてみましょう。
その時に役に立つ学問や考え方が「UX」や「HCD (Human-Centered Design)」なんだと思います。
有望なアイデアをもっと具体化して検討するための考え方ともいえるでしょう。

もともと僕も「UXってつまりはユーザ体験を想像することでしょ」と甘く見ていたんですが、実際やってみるとめちゃめちゃ難しいことに気づいたんです。
想像するといってもどのレベルで?どうやって?何を正解として?といった枠組みが全く分からないんですよね。
そのためにもUXは学問として一度学ぶべきものだなあと感じました。

なんでUXが大事なんだっけ

UX品質が低く、顧客の置かれている状況に即していなければユーザーに継続利用してもらえません。
たまったデータをUXに還元し、さらにUXを良くすることでより粘着度の高いサービスに改善され、進化し、さらに行動データがたまっていく、といったループを作ることが「体験型ビジネス」の成功の最重要ポイントになります。
(引用元:アフターデジタル2 UXと自由)

ようやく最初の問いに戻ってきました。
DXにおいてUXが大事な理由は、「ユーザが離れない高品質なサービスを提供し、サービス品質向上に役立つデータを集めるため」でしょう。
情報化がまだされていない時代でもUXはもちろん大事でしたが、DXが迫られる目まぐるしい現代において、UXの重要性がより高くなった、という方が正確のようです。

思い付きでサービスをポンポンだしても、自転車操業的で価値の低いものばかりになってしまう。
価値があり存在感のあるサービスを作り出すためにも、アートやデザイン思考や他の様々な手法でアイデアを生み出し、UXを吟味してサービスを設計し、データを集められるような仕組みを作る。
そうしてデータ取得⇔UX向上or新サービス提供のループを構築できた企業こそが、優位に立てるようになるのだよ。
このような論法のようです。

さいごに

いかがだったでしょうか。
ここまで書きながら、まだまだ議論の余地があるなあと思う部分があったり、ちょっともやもやしている部分はあります。
ただDXとUXとの関係の骨子はつかめたような気がします。

2年目のヒヨッコなのでこれからもどんどん勉強していきたいと思います。
是非是非LGTMやコメントいただけると励みになりますので、よろしくお願いします!

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