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物理・数学・プログラムのページについて概要
「マクスウェルの方程式」を「ローレンツゲージにおけるマクスウェルの方程式」と呼ばれる方程式に変形したいと思います。
mathjaxでの式の記述が思ったより大変で途中で力尽きてしまい、途中式を書けませんでした。いずれ書きます。すいません。
ここでは数式のみですが違うページでプログラムも書いて見たいと思います。実はこっちがやりたい!!
結果
\boldsymbol{A} = \left(\frac{\phi}{c}, A_x, A_y, A_z \right) \tag{電磁ポテンシャル}
\boldsymbol{i} = \left(\rho c, i_x, i_y, i_z \right) \tag{4元電流密度}
\Box \boldsymbol{A} = - \mu_0 \boldsymbol{i} \tag{ローレンツゲージにおけるマクスウェルの方程式}
\mathbf{div} \boldsymbol{A} + \frac{1}{c^2} \frac{∂ \phi}{∂t} = 0 \tag{ローレンツ条件}
証明
マクスウェルの方程式を$\boldsymbol{E}$と$\boldsymbol{B}$で表現すると以下のようになる。
\mathbf{rot} \boldsymbol{E} + \frac{∂ \boldsymbol{B}}{∂t} = \boldsymbol{0} \tag{1}
\mathbf{rot} \boldsymbol{B} - \frac{1}{c^2} \frac{∂ \boldsymbol{E}}{∂t} = \mu_0 \boldsymbol{i} \tag{2}
\mathbf{div} \boldsymbol{E} = \frac{\rho}{\varepsilon_0} \tag{3}
\mathbf{div} \boldsymbol{B} = 0 \tag{4}
この状態から出発する。(1)式と(2)式から以下のものが定義できる。${\phi}$と$\boldsymbol{A}$のことををまとめて電磁ポテンシャルという。
\boldsymbol{B} = \mathbf{rot} \boldsymbol{A} \tag{5}
\boldsymbol{E} = - \mathbf{grad} \boldsymbol{\phi} - \frac{∂ \boldsymbol{A}}{∂t} \tag{6}
(2)式に(5)式と(6)式を代入するとなり
\left( \triangle - \frac{1}{c^2} \frac{∂^2}{∂t^2} \right) \boldsymbol{A} -
\mathbf{grad} \left( \mathbf{div} \boldsymbol{A} + \frac{1}{c^2} \frac{∂ \phi}{∂t} \right) = - \mu_0 \boldsymbol{i} \tag{7}
また(3)式に(5)式と(6)式を代入すると
\triangle \phi\ +\ \mathbf{div} \frac{∂ \boldsymbol{A}}{∂t} = - \frac{\rho}{\varepsilon_0} \tag{8}
となる。以上ををまとめるとマクスウェルの方程式は結局2つの式になる。この結果は他のページでも使用する。
\left( \triangle - \frac{1}{c^2} \frac{∂^2}{∂t^2} \right) \boldsymbol{A} -
\mathbf{grad} \left( \mathbf{div} \boldsymbol{A} + \frac{1}{c^2} \frac{∂ \phi}{∂t} \right) = - \mu_0 \boldsymbol{i} \tag{7}
\triangle \phi\ +\ \mathbf{div} \frac{∂ \boldsymbol{A}}{∂t} = - \frac{\rho}{\varepsilon_0} \tag{8}
さらにここで(7)式と(8)を3式を見てみると(7)式の
\mathbf{div} \boldsymbol{A} + \frac{1}{c^2} \frac{∂ \phi}{∂t} = 0
となってくれると式が綺麗になることがわかる。このことを踏まえて以下の式変換することができて、これもマクスウェルの方程式である。
(11)式はローレンツ条件と呼ばれる。
\left( \triangle - \frac{1}{c^2} \frac{∂^2}{∂t^2} \right) \boldsymbol{A} = - \mu_0 \boldsymbol{i} \tag{9}
\left( \triangle - \frac{1}{c^2} \frac{∂^2}{∂t^2} \right) \phi = - \frac{\rho}{\varepsilon_0} \tag{10}
\mathbf{div} \boldsymbol{A} + \frac{1}{c^2} \frac{∂ \phi}{∂t} = 0 \tag{11: ローレンツ条件}
さらにここで
\boldsymbol{A} = \left(\frac{\phi}{c}, A_x, A_y, A_z \right) \tag{12: 電磁ポテンシャル}
\boldsymbol{i} = \left(\rho c, i_x, i_y, i_z \right) \tag{13: 4元電流密度}
という4次元に拡張したものを定義してやると(9)式、(10)式は1行で書くことができる。
\Box \boldsymbol{A} = - \mu_0 \boldsymbol{i} \tag{14: ローレンツゲージにおけるマクスウェルの方程式}
最後にまとめるとマクスウェルの方程式は以下のようになる。
\Box \boldsymbol{A} = - \mu_0 \boldsymbol{i} \tag{14: ローレンツゲージにおけるマクスウェルの方程式}
\mathbf{div} \boldsymbol{A} + \frac{1}{c^2} \frac{∂ \phi}{∂t} = 0 \tag{11: ローレンツ条件}
ゲージ変換
ゲージ変換とは$\chi$を用いて以下のよう変形することである。つまり$\left(\phi, \boldsymbol{A}\right)$の組から新たに$\left(\phi^{’}, \boldsymbol{A}^{’}\right)$の組み合わせを作ることである。
このことは(5)式、(6)式に代入してみて矛盾がないことが確認できる。
\boldsymbol{A}^{’} = \boldsymbol{A} + \mathbf{grad} \chi \tag{15}
\phi^{’} = \phi - \frac{∂ \chi}{∂t} \tag{16}
結局どのように解くのか
ゲージ変換変換を用いて(11)式のローレンツ条件を満たすような$\left(\phi^{’}, \boldsymbol{A}^{’}\right)$を見つける。
その後(11)式、(14)式の変形されたマクスウェルの方程式を用いて解けばいいのである。