実施概要
ITS (Intelligent Transport System) とは、車両など移動体と情報通信し、移動システムの高度化により渋滞などの社会問題の改善、移動に新しい価値を生み出すシステムです。
近年、自動運転技術や車両運行管理技術の高度化に伴い、ITS分野が活性化され始めています。
また、高度化により必要な技術やスキルが異なってきており、様々なバックグラウンドを持つ人が活躍できる状態となっています。
ITS勉強会は、そういった技術に取り組んでいる、興味のあるエンジニアが取り組みの共有や議論ができる場として開催しました。
第二回はAWS IoTをITS領域に活用した取り組みの紹介です。
AWS が提供する IoT ソリューションと ITS における活用
アマゾンウェブサービスジャパン株式会社
園田 修平 さん
AWSのIoTサービスの紹介
AWS IoT Core, AWS IoT Device Management, AWS Greengrassなど
「Things」デバイス向けソリューション
- デバイス制御: AWS IoT Device SDK, Amazon FreeRTOS
- エッジコンピューティング: AWS Greengrass
「Cloud」 クラウド側ソリューション:
- thingsとのやり取り: AWS IoT Core
- 他、AWS IoT Device Management(デバイス管理), AWS IoT Device Defender(セキュリティ), AWS IoT Analytics(分析)
ITSアプリケーションの例
- 自動運転
- ナビゲーション
- センサーデータのログ
- 地域依存のサービス(渋滞情報など)
- 運転者の情報
- 音声操作
- など
AWS IoT Core
- データ収集:デバイスからデータを収集する
- リモート制御:デバイスをクラウドを介して制御する
クラウド上で、オフラインデバイスのアプリケーションを操作できる
他AWSサービスと統合できる
他にも、TLSにより認証、デバイスへの権限管理、ルールエンジンなど
AWS IoT Device Defender
デバイスの初期化、ファームウェアのアップデート
デバイスのグルーピング機能 グループを用いた検索やログレベルの変更など
AWS Greengrass
レイテンシの解決、帯域幅の問題、オフライン中の対応ためにエッジコンピューティング
Linux上で動作し、ローカル内の処理、機械学習やDeepLearningの利用
Auto Connected Vehicle Solution
IoT関係サービスを利用したリファレンス実装が公開されている
車両や人の位置を管理する「動態管理」の事例と IoT の始め方
株式会社ソラコム
テクノロジー・エバンジェリスト
松下 享平 さん
ITS 高度道路交通システムについて
- ネットワークのトラフィック制御と似ている
- 出元、宛先、種別、現在位置、経路情報、優先度などの情報を持っている IPパケットではこれらの情報を入手できるが、デジタル化されていない自動車などのモノでは困難
IoTは、センサー/デバイス:モノ、ネットワーク、クラウドを併用し、モノをデジタル化
従来のIoTに似たシステムとしてETCや自動改札などが挙げられるが、
これらは、高価な投資が必要
今は、だれでも使えるクラウド環境や入手な容易なデバイスが増えているという背景がある
一方で、ネットワークは「接続方法」と「セキュリティ管理」の課題
→ SORACOMが低価格で提供している
事例(一部抜粋)
デザイニウム
GPSトラッカーを使用して、除雪車の位置情報管理
除雪車の位置把握で、渋滞回避
フレクト
リアルタイム車両管理サービス「Cariot」
オープンハウス
上記のCariotによって、営業車両の稼働先を分析して、車両配備の最適化
ITSデバイスに必要な機能
位置即位
- GPS 精度は高いが、GPSモジュールが必須 消費電力が高いがデバイス上の実装が必須
- セルラー基地局 電波状況から 精度は低いがGPSモジュール不要 消費電力が低く、デバイスの実装が不要
SORACOMでは、セルラー基地局による位置情報の提供機能がある
OTA(Over the Air)
(IoTに限らず)デバイス側実装の課題
- 要件を後で決めたい
- 出荷後に、ソフトウェアのアップデートをしたい
しかし、基本的に低級言語による記述が必要で、書き換えに特殊な操作が必要となる
開発言語による生産性の課題、ファームウェア更新の特殊性の課題に繋がる
→ AWS Greengrassによるコード実行基盤、OTA基盤が有用
Pythonなどで簡潔にコードを記述、簡単に更新できる
エッジコンピューティング
ネットワークによる問題のため、ローカル内で必要がある処理を行う
ITS を支える情報集約基盤アーキテクチャ
株式会社ディー・エヌ・エー
オートモーティブ事業本部基幹システム開発部
アーキテクト
放地 宏佳 さん
非常に具体的な話をされていて興味深かったが、
AWS周りの知識が追い付かず、この部分は割愛で。。。
要点は、膨大なIoTデータを加工する際に、AWS Lambdaを全データに対して使用せず、
Kinesis内の関数で用いて、一定周期ごとにデータをまとめてバッチ処理的に行って、
経済的コストを削減したみたいなことだと思う。