概要
TeamUp Developers LAB #2~メルカリのピープルアナリティクス分野のプロが登壇~
テクノロジーの進化に伴い、HRに関する様々な情報が集約される時代になりました。経験や勘など、これまで属人化していた組織や人に関する意思決定はデータ主導に置き換えられています。実際に、GoogleやMicrosoftなどの巨大組織だけでなく、LINEやメルカリなど日本発のグローバルベンチャーも「ピープルアナリティクス」を用いた組織づくりを進めています。
(中略)
そこで、今回はHR分野において様々な新しい取り組みを進めているメルカリからピープルアナリティクスの専門家・友部様をお呼びして、基本的なトピックから、これまでの成功/失敗事例などのリアルなお話までを共有していただきます。
発表「強い組織を作るためのPeople Analyticsとは」
スピーカー
株式会社メルカリ People Growth & Analytics 博士(情報理工学) 友部博教 様
内容
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people analytics
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人事データを分析することで組織の課題を解決
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できそうなことに対する多大な期待がかかりがち
- 例えば、退職予測、ポテンシャルをもつ従業員発掘、チーム編成
- 分析までと分析自体に困難がある
- 分析できたとしても、施策に落とし込むのが難しい
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おおまかな全体の流れ
- データの収集・蓄積
- 組織内データの集約・統合
- データの可視化
- 分析
- 施策実行
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特に難しいステップ
- データの収集
- 分析&施策で改善するKPIの設計
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人事分析にかかわるデータ
- 社内で取得する必要なデータ
- 人事労務
- 採用
- 意識的に入力するデータ
- パルスサーベイ
- 各種アンケート
- 無意識に収集するデータ
- 入退室記録
- センサーデータ
- 社内で取得する必要なデータ
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サーベイやアンケート
- 顕在化している課題の状況把握・定点観測に有効
- 運用時の工夫
- 一定数真面目に答えない人がいる
- 一方、真面目に答える人は、サーベイのたびに負荷がかかる
- 定期運用のため、迅速なフィードバックを行う姿勢が必要
- 設問の設計が重要
- 信頼性・妥当性を設問設計が必要
- eNPS(employee NPS)のような総合的な設問を必ずおく
- アンケートにおける総合的な評価指標として扱う
- 各設問スコアとeNPSスコアの相関から、組織課題の優先度付けに利用
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センサーデータ
- コストの問題を解決できれば、従業員負担が低く、大量のデータが集まる
- 一方で、何に使っていいか分からない分析あるある
- センサーデータは普通のデータよりも扱いが難しく、扱える人材も少ない
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人事におけるKPI設計
- 分析時には、KPIを設計して改善の行う
- KPI設計には、AsIsの把握に基づいたToBeの設定が必要
- 人事において、ToBeの設定は難しい
- 理想的な従業員像から、具体的なToBeの落とし込みへ
Q&A
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扱っているコミュニケーションデータについて
- ランチミーティング補助
- slack
- googleカレンダーのスケジュール
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人事におけるKPI設計の例
- コンディションの最適化KPIとして、平均出社時間の分散
- 小さいほど安定してて良いコンディション
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アンケートデータの匿名化について
- メルカリでは、人事・経営陣を含む全員が個人を特定できない状態に
- 所属部署やマネージャは把握できるようにしている
- 組織の規模が小さいと課題箇所の特定が重要であるが、心理的安全性を高めることも必要なので、総合的な判断に基づく対応が必要