はじめに
社内向けにビジネス職向けの分析依頼時の注意事項を整理する上で、分析者が意識している観点をまとめたので、再編集した上でここで展開してみます。
関連:データ分析の設計・コミュニケーションの際に意識すること
分析時に行うコミュニケーションの重要性
分析時にその背景を理解することは、そのニーズを適切に満たす分析を実施することに加え、
成果物に対するQCDS(Quality, Cost, Delivery, Scope)を適切に管理することも重要につながる。
QCDSとその管理について
ここでのQCDSは、以下の内容を表す。
- Quality:分析の質、精緻さ
- Cost:コスト、ここでは主に人での労力
- Delivery:納期
- Scope:スコープ、作業範囲
QSとCDはトレードオフの関係性にあり、QとSに応じてタスクボリュームが増え、それに応じてCも増大し、Dの達成が困難になる。
ただし、一般にデータ分析人材は不足していることもあり、かけられるコスト(C)は人的リソースによる制約がある。
そのため、「納期(D)を後ろ倒しにする」「質(Q)とスコープ(S)を意思決定を損なわない範囲で下げる」などの調整を適宜行う必要がある。
分析におけるDeliveryの調整
一般的な納期調整とあまり変わらないため詳しくは割愛するが、
分析手順にベストエフォートを尽くしている前提で、その手間を理解してもらうことは重要である。
分析におけるQualityとScopeの調整
分析時のデータの取り扱い方の要件(≒QやS)によって、基本的にその対応コストは増大する。
データ分析は、意思決定を支えることが目的であるため、意思決定を損なわない限りで余計なコストは減らしていきたい。
分析内容によりケースバイケースであるが、QSと分析設計の観点の2軸から大まかに整理できる。
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QSの観点
- Quality
- 分析時の定義の複雑さ
- Scope
- 集計する対象や集計項目の量(≒データ量)
- Quality
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分析設計の観点(クロス集計 おイメージ)
- 分析の対象
- 取り扱うユーザや期間などの抽出条件
- 集計軸
- ユーザセグメントなど
- 集計項目
- KPIなど
- 分析の対象