Sierra MC8355 をWindows10環境で使えるようにする
Sierra MC8355はWindows8.1までサポートが打ち切られた3G通信カードである。
ドライバーの更新履歴によると、バージョン3.4で一度Windows10のサポートが追加された後、同じバージョンにてWindows10のサポートが削除されている。
ThinkPad X220にSierra MC8355をインストールし、Windows10環境で利用できるようにする。
なおX220はWindows10をサポートしていないため、Windows10をサポートするX230用のドライバを利用する。
事前準備
対象のマシンにSierra MC8355をインストールしておく。
Windows10もインストールし、SIMカードも挿入しておく。
ドライバのインストール
ドライバをダウンロードする
X220の場合はLenovoのサポートサイトのドライバーとソフトウェアからダウンロードする。
ダウンロードするのはネットワーキング:ワイヤレスWANの項目の中にあるSierra ワイヤレス MC8355 - Gobi 3000 ソフトウェア (Windows 8.1 32bit, 64bit/ 8 32bit, 64bit)
ドライバを展開する
インストーラーは2段階で動作する。まずg7wt12ww.exeを実行するとドライバのディレクトリにLenovoGobi3kSetup.exeが展開され、続けてLenovoGobi3kSetup.exeが実行される。
ダウンロードしたg7wt12ww.exeをダブルクリックするとファイルのインストールが行われるので指示に従って進んでいく。
最後にドライバーをインストールするステップに進むか聞かれるので、チェックを外してインストールを終了する。
(もしsetup.exeが起動してしまった場合は終了する。)
ドライバをインストールする
エクスプローラーで C:\DRIVERS\WIN\WWANSR を開く。
まずConfiguration.iniを編集する。
2行目に DEFAULTIMAGE=302 とあるので、これを DEFAULTIMAGE=6 に書き換えて保存する。
GOBI 3000ドライバーをインストールするときに既定のキャリアーのファームウェアを設定する方法に記載されている通り、デフォルトのままインストールすると汎用ドライバが組み込まれないためである。
次にLenovoGobi3kSetup.exeを右クリックして 管理者として実行(A) を選択する。
インストールが終わったら再起動する。
デバイスマネージャー
ドライバのインストールに成功していればデバイスマネージャーは以下のようになる。
- センサー
- Sierra Wireless Location Sensor
- ネットワークアダプタ
- Sierra Wireless MC8355 - Gobi 3000(TM) Module
- ポート(COMとLPT)
- Sierra Wireless MC8355・Gobi(TM) 3000 HS-USB Diagnotics 9013 (COM9)
- Sierra Wireless MC8355・Gobi(TM) 3000 NMEA 9013 (COM8)
- モデム
- Sierra Wireless MC8355・Gobi(TM) 3000 HS-USB Diagnotics 9013 #2
ありがちなエラー
接続できない
デフォルトではNTT DoCoMo用のAPNしか設定されていないため、MVNOの場合はAPNを自分で設定しなければならない。
NTT DOCOMOが見えているが接続できない / 圏外になる
電波を掴むまで少し時間がかかるため、しばらく待ってみる。あるいは本体左の無線ON/OFFスイッチで無線をリセットする。
接続が不安定になる
WiMAX/Wi-Fi対応のカードも同時に積んでいる場合は不安になりやすい傾向がある。WiMAX/Wi-Fiをオフにすると若干改善される場合がある。
また原因は不明だがWebブラウザが多数のセッションを張るような環境やサーバー側から何らかのプッシュを受け取るような場合でも接続が不安定になる傾向があるようだ。これについては現状回避策が見つかっていない。