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PMがPTA広報の部長になった訳だが(4)

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清明

前回分を書ききれなかったのでまだ春分の続きです。

文書フォーマットの探索と整備(続き)

状況説明から。office文書の整理は以下のタスクに分解できます。

  1. 過去発行した紙の手紙を目視確認し、文書一覧(a)を作る
  2. PCと持ち出し用USBの両方を探索し、officeファイルを新たに作るフォーマット置き場にコピーする。集まったものをファイル一覧(b)とする
  3. 文書一覧(a)とファィル一覧(b)を比較し、(a)に該当するファイルの有無を調べる
  4. 文書一覧(a)に合わせてファイル名を同じ名称に変える
  5. officeファイルが無いものは新規作成する
  6. コピーしたファイルは文例でありフォーマットではない。書き換えればよい箇所を○○に置き換えフォーマットとする。

このうち1~4を行う事としました。
文書数は20種類、officeファイルは重複やら過去の履歴やらを含め200個程度と仮定します。
私がやったら1時間位の作業ですが、メンバーにやった感を感じてもらう事も私の目的なので過剰な要員投入を行います。
1と2は平行して進められるので別の担当者を割り当てます。

開始した所、当たり前ですが手がかかります。
まずは文書一覧から。
(担当) 文書一覧の作成は何を見て作成すれば良いのか範囲が分かりません!
(部長)→ うん、私も分からない。棚に過去資料があるからその中を探索して網羅性が高そうならそれを対象としましょう。完全は求めません。
(担当) 物がいっぱいで多いです!
(部長)→ うん、前任者が整理してこなかったんだね。仕方ないね。
(担当) あ、過去の広報誌があります、へーこんなの作るんだ!
(部長)→ いや、それは今日の目的じゃないから、後にしようね。
(担当) 薄そうなファイルを見つけました。これを調べます!...終わりました。5種類でした!
(部長)→ 流石に少なすぎるでしょう。網羅性が低そうだからもっと調べてね。
(担当) えー!(と言って過去広報誌を見始める)
(部長)→ あ、ここにもバインダーがあったよ、私が見たところこっちのほうが網羅性高そうだよ。これも見てね。
(担当) あらー。郵便受けの仕分け大変そうね。手伝うわー!
(部長)→ (おい…)仕方ないので私が文書一覧作ります。

一方PCとUSBメモリからファイルの探索は
(担当) デスクトップにPTAのフォルダいっぱいあるー!こんなにあるのを見て探すんですか!面倒ー!
(部長)→ うん、面倒だから手伝いをお願いしたんだ。でも人手は極力かけたくないから作業の一部は自動化するよ。
(担当) あーデスクトップに「広報部」と「★広報部」があるー!どっちを見ればいいのー!
(部長)→ 分からないね。両方調べようか。ファイル名で名寄せしたものを作るからこれを元に同じファイルを1つ選抜してね。


Qiitaらしくコード書くmarkdown記法が使えるよ!

USBメモリ2本とデスクトップのフォルダ二つに移動し以下のコマンドを実行。
「広報部」をPC1、「★広報部」をPC2、USBもそれぞれUSB1、USB2として書きます。

dir /S /B *.doc* *.xls* >PC1.txt

ファイルのパスファイル名一覧が得られるので、USBメモリに全部コピーして私の持ってきたPCに入れてあるサクラエディタで開き正規表現置換します。

置換前
^(.*\\)(.+)\r\n

置換後
\2 PC1 \1\2\r\n

置換したファイルを1つのファイルにまとめてファイル内容をソート

sort merge.txt > sorted-merge.txt

(担当) えー、見方分からないんですけど、何すればよいですか!
(部長)→ 1列目に同じファイル名が名寄せされてるので、どれか1つ選んでください。重複した他のファイルの行は削除してください。
(担当) どれを選べば良いか分かりません!
(部長)→ 恐らくPCで作業してたのをUSBで家に持ち帰って修正、そのまま印刷したと予想できるからUSBって書いてある行を優先して残そうか。それ以上はファイルの中を見ないと判断できないし、そこまで大きな違いがあるとも思わないからUSBがなければ一番下の行を選ぼうか。

一時間位経過

(担当) 出来ました!
(部長)→ OK.一旦編集するからまたUSBに入れて私に渡してください。


置換前
^[^ ]+ [^ ]+ (.*)\r\n

置換後
copy "\1" \. \r\n

変換結果をbatファイルにして収集用フォルダに配置して実行。

はい。ファイル名が一意となるファイル集合が出来ました。

ここまでで2時間位経過してしまいました。予定してた作業は終わってませんが撤収準備に入ります。

それは今やる事ではない

プロジェクトの立上げ時期は様々な疑問が生じ、分からないことが不安につながります。不安に対して人間は優先度を上げて行動してしまうので、不安の正体を分析し課題として表現しなおします。不安は怖いですが、課題はいつか解決すればよいです。

コロナ前の弊社のオフィスは不健康なのか業務中の雑談がほとんどありません。ですが、ここはPTAの集まりなので雑談が飛び交います。ある意味健康的です。
その中で広報誌の予算がどれくらいあるかが話題になりました。部内に過去資料が残っていないので規模感も分からず、部の予算案作るのもそのうちやりますと部員に回答する時にうっかり本部の棚には会計資料があるだろうからそこ見れば分かるかもね、と不用意な発言をしてしまいました。
とたんに鍵束をもって棚に集中する部員達。いや、今それ見る時じゃないから。担当した仕事終わらせて…
恐らくPTA総会向けに本部棚の鍵は会計担当が管理してるのでしょう。結局棚は開けられずすごすご帰ってきて仕事に戻ってくれたのでほっとしました。

課題管理表の準備

課題が多すぎると収集がつかなくなるので、課題は記録し優先度を決めて1つずつ完了させていきましょう。課題の先行、後続を見極め並行して進行する課題の数を減らします。

予算不明瞭の不安からか暫くお喋りが続きます。私が予算案を作りますと宣言し、一旦部員の不安衝動を落ち着かせました。そろそろ課題管理が必要な時期ですが redmine 等は導入難度が高すぎます。サービスを上げるサーバ調達の問題もありますが、部員に課題管理の概念から教えるのは教育コストが高すぎてそれだけで1年経過してしまうでしょう。
企業の手法としては最低限のレベルですがGoogleスプレッドシートに課題をメモして課題管理表を作り4役にリンクを共有します。
多くの現場で未だにExcel管理が無くならないのは要員特性が一番影響してるのだと痛感しました。

モチベーションの高揚と維持

結局人の楽しみって価値観が近い人同士のおしゃべり、会食、軽い身体接触(握手程度の)なんですよね。

撤収準備にとりかかりますが、まぁ皆さんグダグダしています。結局片付けを一人で淡々と進め後は機械関係のシャットダウンだけだから先に帰ってよいですよと伝えると快活に帰っていきました。
シャットダウン中に過去資料を見たり10分位してから私が退館すると皆さん校門の前で談笑し肩叩いたりしています。横を通るときに挨拶して先に帰りましたが、ここでモチベーションの維持に必要な要素が見えた気がしました。
「おしゃべり・会食・身体接触」が人間には必要なのだと。

PTAの茶話会(PTAの金使ってお茶して駄弁る)の必要性が何なのか今まで全く理解できませんでしたが、唐突に必要なコストだと理解しました。福利厚生費なんですね。

ちなみに会社の飲み会は「価値観が近い人同士」の前提が欠けるので、あてはまりません。

生殺与奪の権(お金)を他人に握らせるな

プロジェクトでもPTAも目的をもって活動する組織であり、活動には資金が必要です。活動の内容から必要な資金を事前に見積もり予算案を必ず作成しましょう。

広報誌発行にかかる経費を予め見積もります。PTA活動はボランティアなので人件費は0ですが、物品や対外的な支払いは経費として見積もる必要があります。
過去資料がまったくありませんがそれでも見積もるのがPMの仕事、ざっくり経費を作成します。
・印刷費(印刷業者に払う費用)
・郵送費(関係者・団体への郵送)
・コンクール参加費(県、市のコンクールに参加費が必要とか?)
・交通費(PTA活動は学校外でもあるので、取材の為に交通費がかかる)
・文具代
・接待費(印刷会社に迷惑かけることが明らかなので、毎年菓子折りを持参するそうです)
・コピー代(PTAのコピー機に部名と利用枚数を書く事から部で按分するのでしょう)
・取材用雑費(企画の為の小道具等を用意したいのでその予備費)
項目と概算を出しておきます。過去印刷費やら、適当な想定人数×単価の掛け算でかまいません。
仕事だとリスク分も含めて見積もりますがボランティアなのでこれも0にします。予算都合で活動できないなら、活動自体を停止すればよいのです。

PTA本部から経費削減の為取材は自転車で移動をお願いしますと言われる等ブラックな噂も聞いてますが、無視して交通費見積もりを作ります。そうしないと自転車移動が当たり前になりかねません。既に交通費は出ないものと受け取ってる部員がけっこう居ました。

生徒数とPTA会費を掛け算して今年のPTA予算収入を計算します。
広報部の見積もりの6倍位あります。本部含めて6つの部署があるのでこの時点では問題ないでしょう。

過去のPTA総会資料は毎年読まずに捨てていたので、部員から過去の総会資料のコピーを頂きます。
予算案と勘定科目を見比べて広報部の予算が嵌るかチェックします。



嵌ってないじゃん笑

予算確保の為部長の仕事が1つ増えました。でも見積もりがあるので戦えます。
見積が無いと本部が決めた予算を押し付けられて終わりです。
想像ですが引継ぎも資料を残すこともせずモチベーションを失った集団は、外部から好きなようにコントロール出来るという暗黒面を見た気がします。
これは本部だけでなく各部にも予算案を出してこなかった責任があります。本部からすると聞いても答えてくれないのだから、例年通りでいいやとなるのも必然でしょう。

進捗管理をしよう

ボランティアでも活動を請け負ったからには完成責任が伴うのが道理です。
メンバーの事情を考慮して実行計画を立てましょう。

ボランティアってすごく都合の良い言葉なんですよね。
仕事を押し付ける側も仕事を受ける側もその時の状況に応じて都合の良いように解釈して使ってます。
一応私のPTAボランティアの定義は

  • PTA会費を払う事、つまり資金提供自体が十分なボランティアである
  • 労働力は無給
  • タスク毎に労働力の提供可否を請け負う個人が選択出来る
  • 労働力が集まらないタスクは破棄する
  • 請け負ったら完成責任が発生するが、品質は問わない
  • 期日までに完成しない場合、スケジュールを遅らせる
  • 必要な経費は正しく清算

です。
しかしタスク毎ではなくプロジェクト全体に拡大解釈して責任果たせと要求したり、そんな事言うから請け負った側も完成責任を果たさずトンズラしたり、予算がないから移動は自転車!手紙の投函も保護者が地域を歩いて配達!等公共サービスを使うのが妥当な場面で非常識な発言が出てきたり、ブラック企業さながらの状態です。

とはいえ広報部なので広報誌を作るのがミッションです。作業をタスク単位に分解し、やれる/やれないを聞いた上でアサインし、タスク遅延は確定的に明らかなので余裕を持ったスケジュールとタスク担当割を決めます。

ここまで春分


ここから清明

華麗なる空中戦

交渉相手が回答を用意してない場合、揚げ足取りやこちらの非を攻めだす傾向があります。何回も空中戦に付き合ってると余裕が無いんだなと分かってきます。
空中戦に付き合う必要は無いので回答可能日時を確認して無駄な会話を打ち切りましょう。

活動詳細がつかめてないので、細かい所は知ってる人(大抵の場合PTA本部)に確認をとります。流石民主主義、何でも合議して回答です。回答が得られるまで凄く時間かかりますけどね。
PTA本部の方に質問事項を一覧にして連絡、回答可能日を教えてくださいと伝えると窓口担当者が逆ギレし始めました。恐らく今までこんな質問された事がなく、質問量も多かったので自衛の為の行動なんでしょうね。
LINEでやり取りしてたのもあり文字だけで一方的に要求を伝える形になってしまうのも良くなかったのでしょう。コミュニケーション計画は大事です。

PTA本部 広報部付き担当者の攻略

文書だけのコミュニケーションは構造的にどうしても一方通行になるので、会話して着地点を探る作用は重要です。臆さず会話しましょう。相手も会話を欲してる筈です。

LINEでレスバトルになりかけていた所相手から電話したい旨の申し入れがあったので会話しました。
最初の10分位は私に対する個人攻撃の様相でしたが、広報部のミッションを達成する為に質問している事を理解頂き、やっとそこから普通の情報交換が出来るようになりました。
過去事例に囚われていたり今までの本部運営方式から外れる事に恐怖心を抱いているようですが、ちゃんと説明すれは理屈は通る方で助かりました。
こちらのスタンスも理解頂けたようでとりあえず関係性の悪化は回避できたようです。

お気持ちバリア

前例に無い事をやろうとすると反発はつきものです。強行しても良い結果は生まれないので時間をかけて説得を試みましょう。いつまでも平行線の場合は仕方ないので民主主義に則り多数決で決めましょう。

今回新奇性のある企画を思いついたので部内に提案した所、巻き込まれたくない気持ちから反発が多く出ました。反発の中でもよく聞いたのは「私に聞かないでください。本部に確認して良いと言われたのなら、やってもいいです」というものでした。
賛成反対の意見すら言えない状態になってしまっているのでしょうね。
本部からは広報誌の企画は広報部に一任し、本部は口を出さないと回答を貰っているので何も問題ないのですが、これまた口伝や体験談で「せっかく部員が考えた案も本部に否定された」という話を聞きました。
記録が残ってない為どんな提案がどういう理由で否定されたのか知りようはありませんが、恐らく予算都合で否定されたのでしょう。しかし口伝が省略され脚色されて「本部に否定されるから企画提案は無理」という雰囲気が形成されたらお終いです。せっかくPTA会費を払ってるのだからその分は楽しまないと損です。

失われた権限を取り戻せ

お金の取り方や流れに積極的に興味を持ちましょう。交渉相手に「お金の話が出来る人」という認識を生めば色々動きやすくなります。世の中お金で回ってます。

PTAの予算がどのように決まるのか今までまったく興味がありませんでしたが、部長になり部のミッションを進めるには予算がどれくらいあるのか知っておく必要があります。
現状判明している事は「PTA総会で予算が承認される」これだけです。

部の予算案を作るのは誰か(私の認識だと部長です)、部の予算はどのように総会資料に反映されるのか、部の勘定科目とPTA全体のそれの対応付けはどうやるか、総会で承認された後の突発的な追加予算請求はどのようにするのか、部内で資金調達(バザー等)を行って良いのか、一切が不明です。

恐らく今まで誰もこんな事を考えてなかったのでしょう。PTA会則に記載がありません。
PTA総会を取り仕切る本部に確認するのが筋です。広報部付き担当者と一定の関係性を作れたので問い合わせをしておきます。(この問い合わせは多分未来のフラグになる予感がします)

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