何の記事?
この記事はぐらだけアドカレ2023の15日目の記事です。
ココフォリアのクリックアクション機能を使って、TRPG初心者がダブルクロスをはじめたい!……となった時にこんなツールがあったら良いのでは……?というものを考えてみました。
※この記事では、完成までこぎつけていません。
あくまでもこういったことを考えて今作っている……という経過や工夫している点などを語る内容となっています。
誰向け?
- クリックアクションでGMレスダブルクロスのシナリオを作りたい人
- TRPG初心者をダブルクロスに引き込みたい人
- TRPGをやったことがないが、ダブルクロスに興味があってやってみたい人
- ココフォリアのクリックアクションをダブルクロスで使ってみたい人
あらすじ
私が「TRPG楽しいぜー!オンラインセッション最高―!」……とXで叫んでいたら、フォロワがダブルクロスのるるぶを購入してくれました。まじで……?
積るるぶにさせるのはしのびないので、責任を取ってダブクロ沼に引きずり込みたいオンラインセッションやダブルクロスの導入ができたらいいなぁ……と思って色々悩んでいたところ、
「ココフォリアのクリックアクションを使えばGMレス初心者導入みたいなものができるのでは……?」と思い至り、作りはじめました。
単純にクランブル・デイズ回せばいいじゃない……!というより、まず「TRPGってナニ?」「ダブルクロスってナニ?」という話をセッション成立前に1on1で話せる資料を作りたかった……という。
参考にしたものや、使ったもの
CoC「奇邂な国のシロウサギ」タイマン版
賽の目日和3にてこちらのシナリオを見かけ、 ダブクロもこういうのできたら素敵じゃないか……! となったのが発端です。
余談ですが、このシナリオもめちゃくちゃ楽しそうです。というか絶対楽しいやつ。
CoCはほぼ未履修に近いのですが、クイックスタートとにらめっこしてキャラシをこさえたところなので、これから楽しく遊ばせてもらおうと思います。
お部屋にデータを全て詰め込んでしまえば、あとはココフォリアのルーム共有機能でOK!……はすごく便利でした。なるほど、こういう配布方法なんてあるのか……。
オンユアマーク
ダブルクロス初心者のための参考書。
ここでかみ砕いて説明していることは、おそらくこのツールでも説明が必要になるだろう……ということで、説明する要素の割り出しに参考にしました。
オフラインセッションだとダイスを数えて実際に手に握ってもらって……で済むところが、オンラインセッションだと少し説明資料があった方が良さそうだな……と思い色々と参考にさせていただいています。
d10アイコン素材
過去、自分が作った遺産。これに文字を入れてマーカーパネル配置するだけでちょっとイイ感じになります。
さくっと作る場合、picrewさんでポチポチするのが早いです。
ココフォリア
みんな大好きココフォリア。
やったこと
盛り込む要素を選定
基本的にはシナリオ本文を全て放り込みます。
要所要所でPLに選択肢を投げる形式だとゲームっぽく遊ぶ感じになるかと思います。
私の場合はまず、ダブルクロスもTRPGもココフォリアも知らない初心者に、ダブルクロスを楽しんでもらうためにはどうするか、自分が初心者さんに回した時に説明したことを思い出しながら整理しました。
今回、盛り込もうと考えている要素
ダブルクロスの流れの説明
- オープニング
- 登場侵蝕とは
- ダブルクロスの世界のこと
- ミドル戦闘
- リアクションダイスの振り方
- 攻撃ダイスの振り方
- リザレクトの方法
- 情報収集
- 情報判定の振り方
- 100%超えの話
- リザレクトが使えなくなる
- エフェクトレベルが上がる
- バックトラックに成功しないと帰ってこれない
- 衝動判定
- 意志で判定
- 2d10侵蝕率が上がる
- クライマックス戦闘
- バックトラック
- Eロイスの話
- 等倍か倍振りか追加振りをするか
- エンディング
- バックトラックによるエンディング分岐
書き出してみると、思った以上に説明する事項は多いです……。
とはいえ、これだけテンプレートが固まっているからこそ、プレイヤーが「いまこのあたり」がわかって動きやすい……というのもあるんですよね。
ミドル戦闘やEロイスはなくてもいいと言えばいいのですが、リザレクトの練習や、Eロイス環境に慣れておいた方がよかろう……という気持ちで盛り込んでいます。
ココフォリアやロープレの説明
- ダイスやパラメータの操作、チャット送信について
- @マークを使った表情の変更
- チャットパレット機能の説明
- 表情差分の変え方について
- ログやタブの見方
そもそもオンラインセッション初めての人や、ココフォリアを初めて触る人にとっては、ログやタブの見方からかもな……と。
ダブルクロスに限らず、ココフォリアって遊びやすいツールなんだなー……と思ってもらえるのがゴールです。
TRPGのこと
- ○○した、でも「~~」と発言してもいい
- 顔が見えないぶん、わからないことはすぐきいてみる
- キャラクターとプレイヤーの違い
自分が初めてTRPGに触れた時、「演劇をしないといけないのかな?」という印象がありました。
なのでそこは、「こうしたよ」と宣言すれば、あとは参加者の創造力を借りてキャラクターが作られるものなんだよー……というのが伝えられればなと思います。
クリックアクションでシーン切替を行う前の予備知識
GM駒を作るか否か
NPCの表情差分や立ち絵はコマで管理しません。 そのため、NPCの表情差分などを登録した駒は不要です。
これは、クリックアクションでは発言コマの変更が利かないことと、シーン切替テキストで進める都合上、シーン名=発言コマ名となる仕様では、立ち絵を上手く表示することができない為です。
表情や立ち絵はマーカーパネルで表示するようにしましょう。新たなキャラクターが登場した後は、そのキャラクターの情報を簡易的にまとめたものを画面端にマーカーパネルでおいておくのもよいと思います。
プレイヤーが使うパラメータの設定
PCの侵蝕率などのパラメータを管理する用の駒がひとつ必要になるため、部屋に設置しておきます。キャラ立ち絵がある人はここに入れてもらいます。
最低限必要なパラメータは下記3点です。
- 侵蝕率
- ロイス
- HP
初心者向けシナリオであれば、サンプルキャラのパラメータとコンボデータを入力しておいて使ってもらう……などもよいと思います。
パラメータ名を入れた駒を部屋データと一緒に作っておいて、数値入力はコマンド説明と一緒にプレイヤーに指示すると良いと思います。
今回私が製作中のものは、ほぼ切札君のデータを入れておいて、ダイスをたくさん振ってもらえるようにしようかと思っています。
コマンド入力を削減するのも手
登場侵蝕など、決まったコマンドの場合はそれ専用のマーカーパネルを作っておいて、常時使ってもらうのもよいかもしれません。特に、初心者を想定する場合はコマンド入力が少ない方がゲームのお話やルール説明などにある程度集中できるかな……と考えています。
定型文ならぬ、定型マーカーパネルを作成する場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
クリックアクションでできること
設定された画像をクリックした時に、チャット欄にテキストを書き込む事ができます。
通常のNPCのセリフや描写などの他、下記コマンドを使って盤面を動かすことが可能です。
:HP=0
@カットイン名
ダイスロール
/scene シーン名
この機能でシーン切替コマンドを駆使して進めて行くのが基本のやり方になります。
基本的にマーカーパネルを使う
スクリーンパネル・マーカーパネルの違いは、シーンを切り替えた際にそこに残り続けるかどうかです。
その為、セリフや場面と共に変化させたいパーツはマーカーパネルで作っていく事になります。
逆に、画面上にずっと表示させたい基本の説明や、シーン枠などはスクリーンパネルで作ります。
各シーンの組み立て方
基本的に、セリフ区切り毎にシーン作成を行います。
次のシーンに進むためのマーカーパネルを用意し、そのマーカーパネルをクリックすると、クリックアクションで次のシーンに切り替わり、シーン切替時のテキストに次の描写が書かれている……という仕組みでうごかします
オープニング
やることはトレーラー・ハンドアウトの読み上げと、登場侵蝕、対応するNPCのセリフや描写のみです。
そのため、導入さえできればシンプルな流れになります。
要所要所でNPCのセリフに対して選択肢を設置し、選択肢に応じた返答や描写を盛り込むと、ゲーム感が出て良いかと思います。(その分、シーン数は増えますが……)
ミドルフェイズ
ミドル戦闘
戦闘処理は少し複雑になります。
駒を1つしか使わない為、イニシアチブは駒表示で管理しません。
味方NPCやボスなどの行動順を表示しておいて、プレイヤーに「今誰の番?」を選んでもらってコマンドを動かしてもらうのがシンプルかなと思います。
戦闘終了ボタンも配置しておいて、戦闘終了条件を満たしたら押してもらう式にします。
情報収集
情報収集に応じて、シーンやテキストが増えます。
テキストは全てメインタブに送信される為、情報収集シーンが終了したら、収集結果をマーカーパネルで配置しておくと良いかと思います。
クライマックスフェイズ
基本的にはボスとのやりとりを行った後、衝動判定があります。
戦闘の流れはミドル戦闘と同じように組み立てます。
ボスの行動条件が複雑になりますが、プレイヤー数が少ない戦闘になる為、必然的にある程度シンプルな作りとなります。
「敵のHPが0以下になったら押す」マーカーパネル等を配置しておいて、蘇生復活を使わせる、「1回目の攻撃」「2回目の攻撃」とボタンを選ばせる位が分岐の限界かと思います。
バックトラック
最低でも下記分のシーンとルート分岐が必要です。
ただし、やることはどんなシナリオでも変わりません。
- Eロイス分の提示
- 基本振りか倍振りか
- 追加振りを行うか
- 帰ってきたかどうか
上記4つの処理やルート分岐があるかどうかの処理になります。
エンディングフェイズ
バックトラックが成功したかやシナリオによってのエンディング分岐があるかと思います。分岐分だけつくります。
基本的な作り方はオープニングと同様、シンプルな一本道です。
結果
できあがったものはどこにあるんですか?
まだできてないです!!1
できたらBOOTHで配布して、たくさんの人に触ってみてもらえれば……と思います。
それか、誰かが作る方が早いかもしれない……それはそれでめっちゃ宣伝してください。私がクリックアクションでダブルクロス遊びたいんじゃ。
応用
多分、GMレスシナリオもやろうと思えばできる
とはいえ、多人数でプレイするものとは別物になるかとは感じています。ただ、シナリオを読んで回そうと思ってくれた人が遊びながらシナリオを読める……というものを作ることはできるかと。
敵データやNPC、シナリオ内容を改変する必要は出てくるかと思いますが、扱いやすいシンプルな数値に変更すれば十分可能かも……という見通しが立ちました。
どうやって改変するとよさそうか、敵データをどうやってシンプルにするとよいかなどもこうやってまとめられればと思います。
APNGをうまく使って、ノベルゲーム風に
いわゆる動く画像ですね。コレをうまーく演出に使えると、映画やゲームっぽくなります。
クリックして欲しいボタンや、「今ミドルフェイズ」などに動きをつけて目立たせるのもいいと思います。
むずかしさを感じたところ
戦闘データの処理
今回、どうしても敵のHPを見えない処理にする方法を考えることが難しく、HPはオープンとなりました。
BCDiceの仕組みと、ルーム変数周りを上手く使うと、不可視パラメータを扱うこともできなくはなさそうか……?とも思うのですが……。
HPを不明に、戦術パターンも不透明にできるとだいぶダブクロ感が上がる気がするのですが、小難しいことを行って本番に近づけるよりも敵の残HPが見えている状態で殴ることで得られる安心感を優先しました。
究極は、敵データをPC側と違う組み方をする(HPと固定値攻撃技を持つデータにする)などもアリかもしれません。
その方が抜群に数値管理はしやすいですし、シナリオを手に取ってくれた人向けのもの、という位置づけであれば、完全なエネミーデータにこだわる必要はない気もします。
他キャラクターとのロールプレイング
当たり前なのですが、NPCと一本道の会話しかできず……。
ダブルクロスって、シナリオから提供される様々な葛藤を他PCたちと協力して咀嚼して立ち上がるところがあるな……と感じているので、これは、ダブルクロスと言えるのか……?と悩んでいます。
でも、それを犠牲にしてもシナリオ購入者がPC目線で最初に読み進めるワクワク感が提供できるものが作れればそれでよいのかもな、とも思います。
プレイヤー目線でシナリオに触れてみて、それからGM目線で読める……という機会を提供できる何かが作れたら素敵かな、と。
お部屋素材量が大変
テキストデータはさることながら、ボタン素材、背景素材、NPC立ち絵などがすごい量になりそうです。なってきてます。部屋データ自体も重たくなる為、なるべくちゃんと動くPCで制作を行いましょう。飛びます。
また、クリックアクション1つでノベルゲームのように綺麗に進行させようとすると、どうしてもシーン切替機能を使うことになって、シーン切替を使う……ということはシーン数がすごいことに……なるという……。
なるべく省エネで作る方法を考えて、「シナリオ作者さんもどうぞ参考にしてください……!」と投げれればと思っていたのですが、とてもじゃないですが気軽にオススメできる作業量ではなさそうです……()
CoC「奇邂な国のシロウサギ」を見つけた時に、それはもうすごく感動したんですね。
いち早くシナリオに興味を持ってくれて、遊ぼうかなって人に向けて遊んでもらえるものをお出しできる……というのが本当に素敵なことだなと。
そういうことが、ダブクロでもできたらいいなぁ、そういうテンプレートが作れたら、使ってもらえて広まったりしないかなぁ……という夢があります。
目指せ! シナリオ購入者だけが遊べる遊び作り!
そのために、制作頑張ってみようと思います。