Capです。Amebient Advent Calendar 11日目です。モデリングの話、ビルの内装編です。
細かいBlenderのTipsなどをついでに共有できたらな、と思っていたんですが、全体的に形状自体はシンプルなので、作業そのものについてはあまり言えることが無さそうだということに気付きました。
炊事エリア
ここは、最初こんな感じで考えてて↓
ブロックくりぬいてかまどにしたら良いかも、と思って組み直して
あとはまあ良い感じに配置しました。ここはほぼ小物で構成されてるんで言うことが無いかも。
この空間だけ、ちょっと生活感がありますね。生活感というか、誰かの気配?物語の気配?二つ置かれたカップは、ちょっと意識してたりします。(ガスコンロとカップは完全にアレの一話のアレです。)
パイプ
ごちゃごちゃしててほしかったからごちゃごちゃさせました。
正しくは無いと思いますが一応水が通りそうな感じになるように繋げました。
配管を考える会 pic.twitter.com/Z8YYB32Knj
— Cap.🌘 (@CaptainAyakashi) June 18, 2020
これの作り方ですが、最初はカーブでやろうと思ってたけど意外とめんどくさかった良い感じにするのが難しかったので直線/曲がり角/T字分岐、という感じにパーツをいくつか作って組み合わせていきました。適宜伸ばしたり縮めたり。あと壁にくっつけるためのジョイントも。このやり方はわりとおすすめな気がします。位置合わせはBlenderのスナップ機能を使ってやりました。
トップバーから有効化できるスナップツール。動画では頂点スナップモードにしています。
メニューのObject/Snap
か、ショートカットShift+S
で使用できるスナップツール。
『選択部分に3Dカーソルを移動→オブジェクトを3Dカーソルへ移動』という操作を自分はよくやります。
棚
これの網部分はモディファイアのWireframe
でつくりました。辺をワイヤフレーム状にしてくれるので、良い感じに辺を切るだけで出来ました。鉄塔もこの方法で作っていたりします。
ロッカー
モデリングするときサイズのガイドとして幽狐さんを置いています。
楽器をしまうためのロッカーが欲しいという話になり、ちょっと電子ロックっぽい、一般的なシルエットのロッカーとしてこうなりました。
それぞれのロック部分から伸びた配線が、壁際を通る配線に合流しています。
そしてビルの配線は鉄塔と繋がっています。雷が落ちて電気が通りロック解除、という文脈です。
屋上の配電設備は、雷を実用的な電力に換えられるらしいです。
機械
メインフロアとサブフロアにある機械のイメージソースは、少女終末旅行
とSerial experiments lain
です。
lainのNavi機器類がひしめいて配線のおばけみたいになってるのがかなり好きで、あれをちょっと意識しています。ディティールはかなり抑えめですが。配線のごちゃついた感じはlainで、機械自体の形や色味などは少女終末旅行に寄せてますね(気持ちですが)。ほぼ箱っぽい感じ。
— Cap.🌘 (@CaptainAyakashi) June 24, 2020
コンソールやVJなどの操作パネルもだいたい同じですね、角度を使いやすいように合わせたくらいでしょうか。コンソールは30度(phiさんのつくったコンソール部分がもともと30度のため)です。
VRのUI、角度を付けてあげると操作しやすい気がします。地面に平行なのはさすがにそんな無いと思いますけど、垂直なのもわりと詰まるような引っかかるような感じが。さらにVRCでは身長という概念があるので難しそうね。サブフロアの操作UIはすべてphiさんお手製ですが、はちゃめちゃかっこいいしちゃんと働いているので大好きです。UIに奥があるのも良い。そう、奥行を使うから空間を確保しておいてほしいということだったので空けました。
Amebient Tipsですが、操作パネルを中から覗くと投影ディスプレイぽくて好きです。
あ、あとファンがありました。あれはCPUクーラーをモデルにしています。
テレビ
テレビは、え~~~と、こうやりました。
— Cap.🌘 (@CaptainAyakashi) July 8, 2020
Object Placement Toolというツールでぽとぽと落としたり、ぽちぽち置いたり。
詰みあがったブラウン管テレビ、好きですよね。人類。
バルブ
ほしかったので、付けました。回すことになりそうだったので、回せるようにしておきました。そしたらphiさんが回せるようにしてくれました。やったー!
意外と苦労(というほどでもないけど)したのがハンドル部分で、形を調べたらけっこう複雑というか一見どうなってるのかわからなくて。どうなってんだこれ!?ってなってました。良い感じになってよかったよかった。
そういえば、円形のオブジェクトはモディファイアのArray(配列複製)
とSimple Deform(シンプル変形)
を組み合わせると作りやすかったりします。こういうハンドルとか、タイヤとか。
足場
絵としても役割としても欲しかったのでつくったものです。
基底現実の単管足場がどうなってるのか調べて組んだあと、足場に一家言ある人有識者にフィードバックをもらって調整したりしました。ありがとう。
クランプ部分が最初(ディティール的な意味で)解像度低かったんですが、労働安全衛生上まずいかなと思ったので比較的ちゃんとしたやつにしました。
ぱっと見は単純だと思ったんですが、意外と単管を挟む部分?の形をつくるのが難しかったです。こう、裏側の厚みの変化とか、接続とか。
Amebientの件だけではないですが、ものによってはトポロジーとシルエットを同時につくっていくのが難しいなと感じていて。スカルプトして形を定めてからリトポロジーするのが自分は合ってるかもしれないな、と最近思っています。Amebientのモデルは概ね温かみのある頂点移動で作っています。
貯水槽
スタンダードなやつです。良い感じの貯水槽の資料を見ながらつくりました。
最初「給水塔」って書いたんですが「貯水槽」の方が正しそう。こういうのは厳密には「高置水槽」と言うらしいです。
なんかモデリング自体は全般的にあれですね、『資料を見てそれっぽい感じにそのようにする』で終わっちゃいますね...。
このスクショ『あっ』感があって好き。"終わる"直前の給水塔のやぐら部分のアニメーションはボーンでぐにゃっと曲げています。給水タンクが転がっていくのはphiさんのシェーダーです。
配電設備
外の電線とビルをつなぐための設備です。
モデル自体はメインフロアの機械と足場の組み換えですね。
これの鉄塔は棚と同じくワイヤフレームモディファイアで作りました。
配線を考える会 pic.twitter.com/zppYgNjTvy
— Cap.🌘 (@CaptainAyakashi) June 23, 2020
初期案。
テント
くつろぎスペースです。上のスクショは今とソファが違いますね。
最初これ↑で、ちょっと硬いかな~と思ったので
こっちになりました。ソファはふたつともAmebient以前につくったやつです。メインフロアや階段付近にも置いてありますね。
テントの骨組みは単管足場から持ってきて組んで、布はBlenderのクロスシミュレーションでかけました。
そういえばここのドラム缶がコライダー入ってなくて更にひとつだけフタ開いてますが、入りたい人が居るだろうなと思ったからです。実際ここに納まってる写真をいくつか見たので合ってた。机っぽいブロックは確かコライダー入ってて、机は乗りたいけどドラム缶は埋まりたいんじゃないかな、という状況判断です。
まとめ
マジで全体的に"雰囲気に合いそうないいかんじのReferenceを見つけていいかんじにそのようにする"で作ってました。何が必要かさえ分かれば、ビジュアルに関してはそんなに困らなかった気がします。『ここにありそうなもの』としてみれば視えちゃうので。遠景に鉄塔が欲しいって話になったとき、phiさんとはその時点でシルエット/位置/大きさまで共通のものが視えてた気がする。ワールド制作、文脈が近いと幻視体験できるんでおすすめです(ホンマか?)。
以上になります。次は小物の話をする予定です。ありがとうございました。