Capです。Amebient Advent Calendar 8日目、ビル本体のモデリングの話です。
ビルは、ノリでつくられています。建築物をつくるのに慣れてないのと、そもそもモデリングに慣れてないのでずっと試行錯誤してた気がする。いろいろ学びが多かったです。
モデリングはBlenderです。
全体経緯
現在Amebientに置かれているのはBuilding MK-5
です。一番最初の仮のモデルも含めると全部で6棟の案がありました。ひとつずつ追っていきます。
MK-0
いちばん最初のやつです。phiさんからイメージをもらった当日に仮でつくりました。ざっくりですけど既に構造は完成形と近いですね。
MK-1
MK-0にもう少し奥行きが欲しかったので、ぐっと長くしました。崩れていて欲しかったので破壊しました。鉄骨も生えてますね。
この時点のベースのフロアはこんな感じになってます。これ以降もつくりは大体同じで、柱/梁/壁/床の組み合わせです。接合部分の見た目好きなんですが、これ鉄骨が切れちゃってるし何やかんやで組み合わせがし難くてやめた気がする(この辺りはあんまり覚えてない)。
で、この時点で光を当ててみました。
めっちゃ良いとなった。ノイズも味があって好きです。これによって、だいぶ見たい景色が視えた気がする。光は良いものです。
この辺の写真も施工感あって好きです。
MK-2
えーと、全体としてはだいたい同じなんですが、破壊方法を変えたりとかディティールアップしたりとか...だと思います。見ての通り、ほぼ最終形です。フロア内の柱はまだ存在しませんね。このあと一旦別案をつくったりしますが、またこれに戻ります。
MK-3
雰囲気がけっこう変わっています。これまでのやつがちょっとかわいすぎるかなと思ったから。ビルの資料などを見つつ、ちょっと無機質な感じに寄せた結果こうなりました。
これを見て、柱があるとやっぱいいな、と思いました(感想)。
MK-2まではフロア部分に柱がありませんでした。
ワイヤフレーム好きなんですよね、かっこいいから(感想)。
MK-3を組んでみたところ、少し広すぎる印象がありました。もう少しコンパクトにしたほうが良いかな?と思って次に組んだのがMK-4です。
MK-3は正方形でしたが、やはり長方形の方がビルらしい(?)かなと思って奥行を出しています。
それ以外はほぼ同じ構造をしています。
今当時のファイルを見ていたら、こんなのもありました。
これは...迷走してたやつだったと思います。いや結構アリか?わかりません。
**作戦会議**をしました。 pic.twitter.com/waiaS0Bz2Q
— Cap.🌗 (@CaptainAyakashi) June 6, 2020
この時点で、これまで作ったビルの内覧会をしました。
まずMK-2(上の写真でみんなが乗ってるところ)が既にだいぶ良いという話になって。上からメインフロアを見下ろす感じとか、光が差し込む感じとか。
合わせて、MK-3以降のようなフロア内の柱は欲しいね、ということになりました。
それと広さに関してもMK-4あたりがちょうどいいんじゃないかな、と。なので結果としてMK-2とMK-4の良いとこどりにしよう、という結論が出た。
MK-5
で、完成したのがMK-5です。
そもそも建築物としての構造なんですが、まあ恐らく正しくありません。が、正しくないけど解釈は出来るだろうということで良しとしました。柱のつくりとか鉄骨が見えてることとか。その辺は単純に怠慢なんですが、ゆるしてほしい。
モデリングの細かいところ
ビル
モデルとしては見ての通り単純で、直方体にちょっとベベルが掛かっている程度です。
配管の為にちょっと穴を開けています。
基底現実のビルを見てみると、意外とコンクリートの梁に穴をあけて配線とか配管を通してるみたいだったので、やりました。こういう "力技" みたいなのがけっこう好きです。
そういえば、通路に空いているスリットは階を表しています(気付いた人いるかな)。phiさん案。
金属類
鉄骨など。ビル本体に対してちょこっとしか居ませんが、雨垂れを落とすために必要なので、役割としてはけっこう重要な子です。
この辺も...鉄骨の形を調べて、良さそうなものをピックアップした感じです。これも形状はシンプルですね。
こう、千切れた感じとしてこうなってます。Boolean
で削り取りました。どうやったら鉄骨がこうなるんでしょうか。わかりません。
破壊
ビルの崩れた部分や鉄骨の断面は、概ねBoolean
とBisect
ツールで削っています。
はじめはCell Fractureを使って破壊しようとしていました(MK-1の破砕がそれ)。が、あんまり願った感じに崩せなかったというか、"こう壊れてほしい"というのを叶えるにはランダムすぎたのでやめました。
Boolean
は...Boolean
です。削り取ったりくっつけたりできます。便利。
Bisect
ツールは、ラインを引くと、その位置でメッシュを切ってくれます。内側か外側をトリムすることも出来ます。便利。ツールバーのKnife
ツールと同じ場所に居ます。
ベベル
柱や梁には少しだけベベルが掛かっています。
これによって良い感じのハイライトが入ったり、印象を柔らかくしてくれたり、という効果を狙っています。
ただ全体のオブジェクトが多くて、どこにベベルをかけてどこにかけないかの制御がめっちゃしんどかった記憶があります。ライトベイクのときに変な光が入る原因になったりとか。まあ概ねうまくいってる...と思っています。
その他
- UVは基本的に
Cube Projection
でエイッとやった(詳細はテクスチャ編にまわします) - 建物はオブジェクトが多くなって管理がしんどい(管理の仕方を決めておくべきだと思った)
- Z-fightしんどい
まとめ
とにかく学びが多かったですね...構造が単純ならサクッとつくれる気がしていましたが全然手間取りました。
今回チーム(雨部作戦会議課)だったので、世界に寄与しているのが自分だけでないわけです。ビルは自分が建てたものだけど、自分のモノではない感覚があって。絵、音、機構をphiさんとらくとさんが手がけていって、どんどん全体で世界になっていく様が見れたのがすごい良い体験でした。
この後は、ビル以外のオブジェクトとか、楽器のモデリングを追っていく予定です。
この記事は以上です。ありがとうございました。