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【情報技術の基礎知識】RIP(Routing Information Protocol)

Last updated at Posted at 2022-07-11

はじめに

ネットワークスペシャリストの学習内容整理のために投稿しています。
応用技術まで合格済みですが、馴染み無い分野を全て捨ててきたため、今回のように基本情報レベルのことも整理しています。
誤りや認識違いがありましたらご指摘いただけると嬉しいです。

目的

RIPの特徴、RIPをつかった経路制御の仕組みの理解。
以下のような問題を解くことを目的としますが、経路制御仕組みやOSPFとの違いの理解のためやや掘り下げます。

問題①

RIP(Routing Information Protocol)における、宛先に到達可能な最大ホップ数は幾らか。【NW試験R1午前2問題】

ア 15
イ 31
ウ 6
エ 127

問題②

二つのルーテイングプロトコルRIP-2とOSPFを比較したとき,OSPFだけに当てはまる特徴はどれか。【NW試験H29午前2問題】
ア 可変長サブネットマスクに対応している。
イ リンク状態のデータベースを使用している。
ウ ルーティング情報の更新にマルチキャストを使用している。
エ ルーティング情報の更新を30秒ごとに行う。

用語の説明

ルーティングプロトコルとは

ルーター間で経路情報を交換する通信を行うためのプロトコル。種類は以下。

種類 ルーティングプロトコル 方式

EGP(s)1

EGP 距離ベクトル型
BGP 経路ベクトル型

IGP2

RIP 距離ベクトル型
RIP2 経路ベクトル型
OSPF リンク状態型

このほか、IGRP、IS-IS、EIGRPなどがある。

距離ベクトルとは

距離(メトリック)と方向によって目的NWへの経路を決定する方法。
距離には、ルーターの数(ホップ数)が使われる。

RIPとは

RIPを設定したネットワーク基本的な動作

  1. 初期設定として、それぞれのルーターに直接接続されているネットワークの情報、距離ベクトルデータベースが設定されています。
    スクリーンショット 2022-07-11 15.45.35.png
    (*)実際はIPアドレスが入ります。

  2. 次に各ルータはその情報に距離を1つ足して隣接ルータにRIPパケットをブロードキャストします。
    スクリーンショット 2022-07-11 15.51.54.png

  3. 2を30秒ごとに繰り返します。
    この時、隣接するルータには2で送付した経路情報(既に自身のアドレステーブルに存在する経路情報)が存在するため、その情報も送られてくることに注意します。
    RIPでは、ベルマン=フォードアルゴリズム(後述)により、ルーティングテーブルの更新判定が行われます。ルーターBからの情報を受信したルーターAを例にとるとルーティングテーブルは以下のようになります。
    スクリーンショット 2022-07-11 17.04.49.png

ベルマン=フォードアルゴリズムとは

スクリーンショット 2022-07-11 16.16.02.png

RIP2とは

RIPの改良版で以下の特徴があります。

  • サブネットマスク対応
  • マルチキャスト使用
  • 認証の仕組みが使えるようになった

障害時の挙動とRIPの問題点

RIPは隣接するルーターに情報を送るため、情報の送り返しが発生します。通常時はベルマン=フォードアルゴリズムにより問題は発生しないように見えますが、一部のネットワークに問題が発生した時の挙動に注意が必要です。

RIPのネットワーク障害時の挙動

  1. 問題を検知したルーターが自身のルーティングテーブルから問題のあるNWアドレス行を削除。
  2. 隣接するルーターには当該NWアドレスの情報が送られなくなる。
  3. 隣接するルーター(障害をまだ検知していない)は、NWアドレス行の更新が6回(180秒)行われなかった場合、当該行を削除。

ルーティングループ問題

障害時の挙動は、情報の送り返しにあります。
ルーターAでNW-Aの問題を検知し、ルーターAのルーティングテーブルからはNW-Aの行が削除されますが、隣接するルーターBとルーターCには未だNW-Aの情報が存在します(180秒経過するまで)。
この状態で、30秒間隔で送信している情報がルーターAに届くと、ルーターAは、存在しないNWアドレス情報として、自身のルーティングテーブルにNW-Aの情報を追加してしまいます。
その後、送り返しが発生し、距離がどんどん増えていくルーティングループが発生します。
スクリーンショット 2022-07-11 17.30.42.png

このループは、RIPの最大数15を超えた16を受信した時点で到達不可としてルーティングテーブルから破棄されますが、7分30秒(15x30秒)かかり、非効率です。

ルーティングループの防止

いくつか方法があります。

①スプリットホライズン
経路情報を受け取ったインターフェースからはその経路情報を送り返さない。
欠点としては、ループは防げるが、障害時に各ルータが障害NWの情報を削除するのに時間がかかる点は解決できない点。

②ポイズンリバース
経路情報を受け取ったインターフェースからはその経路情報を16にして送り返す。
スプリットホライズンと共存できないため、どちらかを使うようになっている。

③トリガーアップデート
30秒では無く変更をトリガーに経路情報を送信する仕組み。

④ホールドダウン
障害情報の削除が通知(180秒更新がない、もしくは距離16の情報を受信した場合)されたルーターがそのNW情報の更新を保留することでループを防止する仕組み。ホールドダウン中のNW情報は送り返しで受信しても更新されなくなる。保留期間はすべてのルーターに削除情報が伝わるまで。

⑤ルートポイズニング
障害時に情報を削除(NW情報を流さないの)ではなく、障害のNW情報を距離16として送ること。
受信したルータはその場でホールドダウンと組み合わせループの防止と180秒の待機が不要になる。

RIPの特徴(問題①の解答)

ア 15
RIPにおけるホップは15が最大。16は到達不可として扱われます。

RIP、RIP2の特徴(問題②の解答)

イ リンク状態のデータベースを使用している。

今回、OSPFではなくRIPを重点的に学習しましたが、以下から回答が導けました。

  • RIP, RIP2は距離ベクトル型でホップ数を使用します。リンクという概念はありません。OSPFはリンクステート型ということから、リンクという概念が存在しそうです。イは候補となります。
  • 他の選択肢は、RIP2(RIP)に当てはまっています。

このことからイが正解という回答が導けます。

ア 可変長サブネットマスクに対応している。

RIPは対応していませんが、RIP2で対応しました。(学習外でしたがOSPFも対応しています)

ウ ルーティング情報の更新にマルチキャストを使用している。

RIPは対応していませんが、RIP2で対応しました。(学習外でしたがOSPFも対応しています)

エ ルーティング情報の更新を30秒ごとに行う。

RIPもRIP2も30秒ごとに情報を更新します。(学習外でしたがOSPFは非対応です)

おわりに

ありがとうございました。

学習に利用している教材

  

  1. EGPは、AS間ルーティングプロトコル

  2. IGPは、AS内ルーティングプロトコル

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