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【情報技術の基礎知識】トラフィック量(アーラン)の計算方法

Last updated at Posted at 2021-12-12

はじめに

ネットワークスペシャリストの学習内容整理のために投稿しています。
応用技術まで合格済みですが、馴染み無い分野を全て捨ててきたため、今回のように基本情報レベルのことも整理しています。
誤りや認識違いがありましたらご指摘いただけると嬉しいです。

目的

トラフィック量(アーラン)の計算方法の理解。
具体的には、以下のような問題を解くことを目的とします。

問題①

180台の電話機のトラフィック を調べたところ、電話機1台辺りの呼の発生頻度(発着呼の合計)は3分に1回、平均回線保留時間は80秒であった。この時の呼量は何アーランか。 【NW試験H29午前2問題】

問題②

1時間当たりの平均通話回数が60で、平均保留時間は120秒である。呼損率を0.1にしたい時、必要な回線数は最低いくらか。ここで、表中の数値は加わる呼量(アーラン)を表す。【NW試験H16午前問題】

回線数 \ 呼損率 0.1
3 1.271
4 2.045
5 2.881
6 3.758
表:即時式完全郡負荷表

問題③

現在、地域保守会社は10社あり、地域ごとに受付回線10本で対応し、最頻時は1時間あたり36件の問い合わせ電話がかかってくる。電話対応には、通話後の後処理を含め、1件あたり平均10分かかる。再構築後、A社で一括して受け付けるようにして、呼損率を従来と同等以下にするための必要最小限の回線数を答えよ。【NW試験H23午後2問題抜粋】

呼量 \ 回線数 10 66 67 68 69 70 71 72
60.0 4.3 4.6 3.9 3.4 2.8 2.4 2.0 1.6
66.7 6.7 9.8 8.9 8.0 7.2 6.4 5.7 5.0
70.0 7.9 12.7 11.7 10.8 9.8 9.0 8.1 7.3
表:呼損率表

各用語の解読

呼量(アーラン)とは

ある瞬間にいくつの呼1が接続中かを示す単位で、全ての呼の利用時間を単位時間で割ったものです。
例えば1時間に3回線それぞれに30分の電話がかかってきた場合、 (30分*3回線)/60分=1.5アーランとなる。
なお、問題①の単位時間は3分、問題②③の単位時間は1時間になる。

呼損率とは

呼損(呼が発生した時、通話中でつながらない)が起こる確率。
計算式があるが、情報処理技術者試験では、以下の表が用意される。

  • 呼損率表:回線数と呼量から呼損率がわかる対応表  
  • 即時式完全群負荷表(アーランB表):回線数と呼損率から呼量がわかる対応表

呼量(アーラン)の計算(問題①の解答)

以下の問題を用いて解いていきます。

180台の電話機のトラフィック を調べたところ、電話機1台辺りの呼の発生頻度(発着呼の合計)は3分に1回、平均回線保留時間は80秒であった。この時の呼量は何アーランか。 【NW試験H29午前2問題】

①単位時間(秒):保留時間に合わせ秒に変換
 3分 * 60 = 180秒

②単位時間(3分)内の呼の利用時間の合計(秒): 呼の回数に時間と回線数をかけます
 1回 * 80秒 * 180台 = 14,4000秒

③呼量(アーラン):② / ①
 14,4000秒 / 180秒 = 80アーラン

即時式完全郡負荷表の見方(問題②の解答)

以下の問題を用いて解いていきます。

1時間当たりの平均通話回数が60で、平均保留時間は120秒である。呼損率を0.1にしたい時、必要な回線数は最低いくらか。ここで、表中の数値は加わる呼量(アーラン)を表す。【NW試験H16午前問題】

| 回線数 \ 呼損率 | 0.1 |
| ---- | ---- |
| 3 | 1.271 |
| 4 | 2.045 |
| 5 | 2.881 |
| 6 | 3.758 |
表:即時式完全郡負荷表

①単位時間(分):計算しやすい分に変換
 1時間 * 60 = 60分

②単位時間(60分)内の呼の利用時間の合計(秒): 呼60回 * (120秒 * 1/60)
 60回 * 2分(120秒 * 1/60) = 120分

③呼量(アーラン):② / ①
 120分 / 60分 = 2アーラン

④呼損率0.1を満たすために必要な回線数:
 即時式完全郡負荷表から、2アーランより大きい回線数の最小は、4

呼損率表の見方(問題③の解答)

以下の問題を用いて解いていきます。

現在、地域保守会社は10社あり、地域ごとに受付回線10本で対応し、最頻時は1時間あたり36件の問い合わせ電話がかかってくる。電話対応には、通話後の後処理を含め、1件あたり平均10分かかる。再構築後、A社で一括して受け付けるようにして、呼損率を従来と同等以下にするための必要最小限の回線数を答えよ。【NW試験H23午後2問題抜粋】

呼量 \ 回線数 10 66 67 68 69 70 71 72
60.0 4.3 4.6 3.9 3.4 2.8 2.4 2.0 1.6
66.7 6.7 9.8 8.9 8.0 7.2 6.4 5.7 5.0
70.0 7.9 12.7 11.7 10.8 9.8 9.0 8.1 7.3
表:呼損率表

①単位時間(分):電話対応時間に合わせ分に変換
 1時間 * 60 = 60分

②単位時間(60分)内の呼の利用時間の合計(秒): 呼36回 * 10分
 36回 * 10分 = 360分

③呼量(アーラン):② / ①
 360分 / 60分 = 60アーラン

④再構築前の呼損率:
 呼損率表から、再構築前の回線数10かつ60アーランの呼損率は4.3

④再構築前の呼損率4.3を満たすために必要な回線数:
 呼損率表から、再構築前の呼損率4.3を満たす(4.3より小さい)60アーランの回線数の最小は67

おわりに

ありがとうございました。

学習に利用している教材

  

  1. 呼:電話をかけてから切るまでの1回の通話。

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