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ソケット通信で加速度センサーデータを送る方法

Last updated at Posted at 2024-01-10

はじめに

今回はESP32 MicroPython で、加速度センサーデータをソケット通信で送ってみたいと思います。

ソケット通信については以下の記事を参考にしてください

電話には電話番号がついてます。そして、電話をかけるときは、この電話番号 でどの電話機にかけるかを特定します。インターネットには数多くのコンピュー タが接続されています。インターネット上でコンピュータ同士が通信をすると きは、どのコンピュータ(またはグループ)と通信をしたいのかを特定しなけ ればいけません。インターネット上の電話番号に相当するのは、IPアドレスと ポート番号と呼ばれるものです。
引用元: http://research.nii.ac.jp/~ichiro/syspro98/socket.html

ソケット通信には引用文に記述されている通り、電話をかける側が必要です。それと同時に電話をかけられる側が必要です。今回は電話をかける側をステーション(ST)、電話をかけられる側をアクセスポイント(AP)とし、STがデータを送る側、APがデータを受け取る側とします。

目的

今回私は、二台のESP32に搭載されていた加速度センサーデータ取得し、それを同時に処理するためにはどうしたらよいか考えました。考えた結果、ソケット通信を用いて片方の加速度センサーデータをもう片方に送り、送り先で計算させるという結論に至りました。

準備するもの

まず、今回ソケット通信をするに辺りAPとSTの二つのESP32が必要です。

続いて、MicroPythonのバージョンはv1.21.0です。

そして、使う加速度センサーはLIS3DHとします。

プログラム

ST側からAP側に加速度センサーデータを送ります。プログラム起動にはデータを受け取る側つまりAP側のプログラムから実行させ、次にデータを送る側つまりST側のプログラムを実行させます。
続いて以下でAP側とST側の詳しい説明をします。

AP側

まずはコードの全文です。

receiver.py
import socket
import network
import time
import re
import ure
import _thread
import time
import utime
from machine import Pin, SoftI2C, I2C, PWM
    

#I2C設定
i2c = I2C(scl=Pin(22), sda=Pin(21), freq=400000) 

#アドレス設定
address = 0x18

#LIS3DH設定
i2c.writeto_mem(address, 0x20, bytes([0x57]))

#プログラムの経過時間の記録用
sec = 0

# アクセスポイント(AP)モードの設定
ap_ssid = #各々で確認してください
ap_password = #各々で確認してください

ap = network.WLAN(network.AP_IF)
ap.active(True)
ap.config(essid=ap_ssid, password=ap_password)
print(ap)

# APのIPアドレスを取得
ap_ip = ap.ifconfig()[0]

# 受信用のソケットの設定
s = socket.socket()
port = 80
s.bind((ap_ip, port))
s.listen(1)

#接続確認
print("APモード: 接続待機中", ap_ip)

while True:
    client, addr = s.accept()
    print("Connected by", addr)

    while True: 
        try:
            #データの受け取り
            data = client.recvfrom(1024)
    
            #受けったデータの出力
            print(data)
    
            #数字だけ取り出す
            ST_num = str(data[0])
        
            #データ読み込み
            xl = i2c.readfrom_mem(address, 0x28, 1)[0]
            xh = i2c.readfrom_mem(address, 0x29, 1)[0]
            yl = i2c.readfrom_mem(address, 0x2A, 1)[0]
            yh = i2c.readfrom_mem(address, 0x2B, 1)[0]
            zl = i2c.readfrom_mem(address, 0x2C, 1)[0]
            zh = i2c.readfrom_mem(address, 0x2D, 1)[0]
    
            #データ変換
            out_x = (xh << 8 | xl) >> 4
            out_y = (yh << 8 | yl) >> 4
            out_z = (zh << 8 | zl) >> 4
            
            #極性判断
            if out_x >= 2048:
                out_x -= 4096
            
            if out_y >= 2048:
                out_y -= 4096
            
            if out_z >= 2048:
                out_z -= 4096
    
            #AP側だと分かりやすいのようにする
            AP_num = out_z
    
            #処理部分 
            if AP_num > ST_num:
                print(APの方が高い)
            else
                print(STの方が高い)
                
            #物理量(加速度)に変換
            out_x = out_x / 1024
            out_y = out_y / 1024
            out_z = out_z / 1024
            
        except Exception as e:
            print("Error:", e)
        
# ソケットを閉じる
client.close()
s.close()

プログラムの解説

加速度センサー側の解説

receiver.py
import time
import utime
from machine import Pin, SoftI2C, I2C

#I2C設定
i2c = I2C(scl=Pin(22), sda=Pin(21), freq=400000) 

#アドレス設定
address = 0x18

#LIS3DH設定
i2c.writeto_mem(address, 0x20, bytes([0x57]))

while True:

    #データ読み込み
    xl = i2c.readfrom_mem(address, 0x28, 1)[0]
    xh = i2c.readfrom_mem(address, 0x29, 1)[0]
    yl = i2c.readfrom_mem(address, 0x2A, 1)[0]
    yh = i2c.readfrom_mem(address, 0x2B, 1)[0]
    zl = i2c.readfrom_mem(address, 0x2C, 1)[0]
    zh = i2c.readfrom_mem(address, 0x2D, 1)[0]

    #データ変換
    out_x = (xh << 8 | xl) >> 4
    out_y = (yh << 8 | yl) >> 4
    out_z = (zh << 8 | zl) >> 4
    
    #極性判断
    if out_x >= 2048:
        out_x -= 4096
    
    if out_y >= 2048:
        out_y -= 4096
    
    if out_z >= 2048:
        out_z -= 4096
    
    #物理量(加速度)に変換
    out_x = out_x / 1024
    out_y = out_y / 1024
    out_z = out_z / 1024

加速度センサーで必要なコードです。
順番に解説していきます。

receiver.py
#I2C設定
i2c = I2C(scl=Pin(22), sda=Pin(21), freq=400000) 

はじめにI2Cの設定です。
まず、I2Cとは、、、

I2C は、デバイス間通信のための2線式プロトコルです。物理レベルでは、クロックラインである SCL とデータラインである SDA の2本のワイヤで構成されています。
引用元: https://micropython-docs-ja.readthedocs.io/ja/latest/library/machine.I2C.html

ということです。
 ということなので、クロックラインのSCLとデータラインのSDAの設定をしなくてはいけません。
 今回私が用いたESP32は、SCLがピンの22、SDAがピンの21でした。そのため、そこに合わせてあげます。
freqは400kHzにします。これは引用元に習っています。

receiver.py
#LIS3DH設定
address = 0x18
i2c.writeto_mem(address, 0x20, bytes([0x57]))

続いて、LIS3DHの設定です。
ここでは、加速度センサーから得られたデータの書き込む設定をしています。
addressの0x18は、一番下のbitはRead/Write用の0x30, 0x31を右に1つシフトすると、Read/Writeのbit無しの0x18になるので、今回はそれを活用します。詳しくは、下記の引用元をご参照ください。

引用元:https://qiita.com/aikawa_YO/items/282f14f842b42a49242d

ソケット通信側の解説

receiver.py
# アクセスポイント(AP)モードの設定
ap_ssid = "" #適切なSSIDの設定
ap_password = "" #適切なパスワードの設定

ここでは、AP側のSSIDとパスワードの設定をしています。

receiver.py
ap = network.WLAN(network.AP_IF)
ap.active(True)
ap.config(essid=ap_ssid, password=ap_password)

ここでは、Wi-Fi接続するための設定を行っています。
apでWi-Fiインターフェースのオブジェクトのインスタンスを作成、ap.active(True)でインターフェースを有効にし、ap.configで接続が出来ているか確認します。

receiver.py
# APのIPアドレスを取得
ap_ip = ap.ifconfig()[0]

ここでは、ソケット通信のためにAPのIPアドレスを取得しています。

receiver.py
# 受信用のソケットの設定
s = socket.socket()
port = 80
s.bind((ap_ip, port))

ここでは、受信用のソケットの設定をしています。
AP側のIPアドレスとポートをアドレスとしてs.bindでバインドします。

receiver.py
#接続確認
s.listen(1)
print("APモード: 接続待機中", ap_ip)

s.listen(1)でサーバーが接続を受け付けるようにします。

receiver.py
while True:
    client, addr = s.accept()
    print("Connected by", addr)

サーバーとの接続が確立された後、ST側の接続を受け入れます。

receiver.py
while True:  
    #データの受け取り
    data = client.recvfrom(1024)

    #受けったデータの出力
    print(data)

ここでは、ST側から送られてきたデータを受け取っています。
さらに確認のため、出力しています。

receiver.py
#数字だけ取り出す
ST_data = str(data[0])
ST_num = ST_data.replace("b'", "").replace("'", "")

出力すると(b'センサーデータ',アドレス)という感じに来ていたので、先頭のセンサーデータだけを取り出します。取り出した後、数字として使いたいためreplaceを用いて数字だけを取り出します。

receiver.py
AP_num = out_z
#処理部分
if AP_num > ST_num:
   print(APの方が高い)
else
   print(STの方が高い)

ここでは、AP側のセンサーデータとST側のセンサーデータの処理をしている箇所です。今回分かりやすいようにout_z(地上からの高さの値)同士を比較しています。

receiver.py
            
# ソケットを閉じる
client.close()
s.close()

最後にソケット閉じて終了です。

ST側

まずはコードの全文です。

sender.py
import time
import utime
import socket
import network
from machine import Pin, SoftI2C, I2C


# Set up Station (ST) mode
sta_ssid = "" #適切なSSIDの設定
sta_password = "" #適切なパスワードの設定

sta = network.WLAN(network.STA_IF)
sta.active(True)
sta.connect(sta_ssid, sta_password)

while not sta.isconnected():
    pass

print("ST Mode: Connected to WiFi")

# Get the ST IP address
sta_ip = sta.ifconfig()[0]

ap_ip = ""  # Replace with the AP's IP address
port = 80

# Set up socket for connecting to the AP
s = socket.socket()

# APに接続
s.connect(socket.getaddrinfo(ap_ip, port)[0][-1])
print(socket.getaddrinfo(ap_ip, port)[0][-1])


#I2C設定
#i2c = I2C(scl=Pin(22), sda=Pin(21), freq=400000) 
i2c = SoftI2C(scl=Pin(22), sda=Pin(21), freq=400000) 

address = 0x18
#address = 0x1A

#LIS3DH設定
i2c.writeto_mem(address, 0x20, bytes([0x57]))
#i2c.writeto_mem(address, 0x23, bytes([0x08]))

sec = 0

while True:
    try:
        # 時間
        time_data = utime.ticks_ms() / 1000
        
        #データ読み込み
        xl = i2c.readfrom_mem(address, 0x28, 1)[0]
        xh = i2c.readfrom_mem(address, 0x29, 1)[0]
        yl = i2c.readfrom_mem(address, 0x2A, 1)[0]
        yh = i2c.readfrom_mem(address, 0x2B, 1)[0]
        zl = i2c.readfrom_mem(address, 0x2C, 1)[0]
        zh = i2c.readfrom_mem(address, 0x2D, 1)[0]

        # データ変換
        out_x = (xh << 8 | xl) >> 4
        out_y = (yh << 8 | yl) >> 4
        out_z = (zh << 8 | zl) >> 4
        
        #極性判断
        if out_x >= 2048:
            out_x -= 4096
        
        if out_y >= 2048:
            out_y -= 4096
        
        if out_z >= 2048:
            out_z -= 4096

        #物理量(加速度)に変換
        out_x = out_x / 1024
        out_y = out_y / 1024
        out_z = out_z / 1024      
        
        print("s: "+str(sec)+"    time: "+str(time_data)+'   Z: ' + str(out_z))
        
        send_data =  round(out_z, 6)
        
        s.send(str(send_data))
        sec += 0.3
        # 一時停止
        time.sleep(0.3)

        #60秒間測定
        if sec >= 60.0:        
            print("STモードを終了します")
            s.close()
            break
        
    except Exception  as e:
        print("Error:", e)

プログラムの解説

加速度センサーのプログラムは前述したので省略させていただきます。

ソケット通信側の解説

sender.py
sta_ssid = "" #適切なSSIDの設定
sta_password = "" #適切なパスワードの設定

ここでは、ソケット通信に必要なSSIDとパスワードを設定します。これはAP側に合わせてください。

sender.py
sta = network.WLAN(network.STA_IF)
sta.active(True)
sta.connect(sta_ssid, sta_password)

while not sta.isconnected():
    pass

ここでは、Wi-Fi接続の確認を行っています。無事に繋がると"ST Mode: Connected to WiFi"と表示されます。

sender.py
# Get the ST IP address
sta_ip = sta.ifconfig()[0]

ap_ip = ""  # Replace with the AP's IP address
port = 80

ここでは、ソケット通信に必要なものを設定しています。AP側のIPアドレスとポートをここでは、設定してください。

sender.py
# Set up socket for connecting to the AP
s = socket.socket()

# APに接続
s.connect(socket.getaddrinfo(ap_ip, port)[0][-1])

ここでは、ソケット通信でAP側と接続をしています。

sender.py
send_data =  round(out_z)  
s.send(str(send_data))

ここでは、加速度センサーデータを実際に送っています。送るデータはstr側でキャストして送っています。

おわりに

今回は、加速度センサーデータをソケット通信で送る方法について解説しました。しかし、加速度センサー側のエラーが多発して開発が難しく現状try文で無理やり繋げています。次回はそのエラーを直していきたいです。

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