はじめまして。
今回は半年にわたって行ったQA技術勉強会についてどういう過程でおこなったのかを記事にしました。
社内で勉強会を検討している方に少しでも参考になればと思います。
流れ
そもそも、なぜQA技術勉強会をおこなおうと思ったかについて説明します。
弊社はゲームをはじめとするエンターテインメント系のサービスを展開しており、QAグループの社員はそれぞれのサービスへのQAの管理を行っています。
365日提供しているサービスのため、繁閑の差はあれど基本的には常にQA管理業務が発生します。
そのため目の前の業務ばかりに注力してしまう傾向が強く、新しいQA技術情報を理解し導入するといった業務改善が滞っているという課題感がQAグループにはありました。
そこで今回、QAグループの社員へのインプットの場を設けることで、グループ全体の技術力向上を目的にQA技術勉強会を開催しました。
QA技術勉強会の進め方
方針の決定
QA技術勉強会を開催するにあたり、まずは方針の検討を行いました。
QAに関する技術はテストケース作成手法といったテスト実施現場で活用する技術からQA体制運用時に使用するプロジェクトマネジメント知識まで多岐にわたります。
そのため勉強会のターゲットを誰にするか、どういうことを伝えたいかにより内容が大きく変わってきます。
今回は技術に関するインプットが少ない傾向にあるQAグループの社員に様々な技術に触れてもらうことが発端でしたので「直接的 / 間接的問わずQA業務に活かせる様々な技術を伝える」をテーマにしました。
また副次的な効果として、あわよくば社員に勉強の習慣をつけたいという考えがあったため「勉強会の曜日は水曜に固定する」など細かい方針も合わせて決めました。
個々のテーマの決定
方針が決まった後、具体的にどのような技術や知識を取り扱うか決めました。
まずはブレインストーミングの形式でQA業務に活かせそうな技術や知識を挙げました。
その結果、我々がQAを仕事としていることが起因して、伝えたい技術を考えるとどうしても「QA技術」に偏ってしまいました。今回のテーマは「直接的 / 間接的問わずQA業務に活かせる様々な技術を伝える」であるため方針に若干反してしまいます。
そこで、挙がった技術や知識を「QA技術」「EN知識」「統計知識」というようにカテゴリ分けを行い、全体のバランスを考えながらテーマを決定しました。
検討過程の表を下記に示します。
検討の結果、下記の5つを勉強会のテーマとして決定しました。
- テスト設計
- FMEA
- ITパスポート
- プログラミングとアルゴリズム
- Agileとリスクベースドテスト
勉強会の実施
テーマが決まったあとは担当テーマごとに資料作成を行いました。
技術や知識をそのまま共有するだけでなく、実際のQA現場に活かせるようにアレンジしつつ資料を作成しました。
例としてFMEAに関する説明資料を示します。
ふりかえり
勉強会の進め方で良かった点
振り返ると、テーマとした「直接的 / 間接的問わずQA業務に活かせる様々な技術を伝える」が非常に良い方針だったと感じました。
実施後に受講者を担当者としたアンケートを行ったのですが、QA技術以外の講義において「他業界の知見を得られたことがポジティブだった」といった意見が多く見られました。
QA技術以外については、そもそも知らないと学ぶことができないので、未知の知識を知れたこと自体に価値があると受講者が感じたのではと考えています。
QA業界は様々な経歴を持った方が多いことに起因して、各々が持っている知識が大きく異なるケースも多いと思いますので、もし勉強会を検討されている方がいましたら参考にしてみても良いのではと思います。
最後に
このような過程を経て全8回のQA技術勉強会を無事に完遂することができました。
振り返ると聴講者はもちろん、講師陣の学びも非常に大きかったように思います。
自分の知っている技術や知識を他者に伝える過程で、あらためてその技術や知識についての理解が深まったように感じました。
もちろん講師陣の負荷も無視はできません。
方針決定や資料作成の準備など、通常の業務がある中で行う必要があるため大変ではありましたが、それを鑑みても非常に有意義だったと思います。
記事は以上です。
同じような課題を感じている方や勉強会を検討されている方に少しでも参考になれば幸いです。