前段
記事を書こうと思ったきっかけ
みなさま、はじめまして。
私は社会に出てから10年間、ずっとQAエンジニアとして従事しています。
その過程で外部発信も行っていまして、QAエンジニアの外部発信の機会はQiitaのような"記事投稿"やCEDECやJaSSTのような"外部登壇"がそれに当たります。
今回、参加したGREE Tech Conferenceにおいて、今まで経験した外部発信とは異なる"ブース出展"の形式を経験し、それが非常に珍しく知見として整理したい、と感じたことがこの記事を書くきっかけでした。
BtoBの企業に勤めている方であれば東京ゲームショウなどで経験があるかもしれませんが、「BtoC企業」の「機能部門」としては珍しいかと思いますので、もし機会があればぜひ参考にしてみてください。
今回はトピックとして取り上げませんが、弊社QA部門が取り組んだ記事投稿や外部登壇の例を貼っておきます。
あわせて参照してみてください。
■ 過去の外部発信事例
- Qiita
- CEDEC(ゲームに関する技術や知識を共有するカンファレンス)
- JaSST(ソフトウェア業界全体のテスト技術力の向上と普及を目的としたシンポジウム)
GREE Tech Conferenceとは
グリー株式会社が2020年から運営している、技術的なチャレンジを通して得られた知見や、これから取り組んでいくチャレンジを紹介する技術カンファレンスです。
グリーグループ内の各部門や子会社のメンバーが各々の取り組みを発表する機会になっており、我々QA部門も毎年発表者として参加しています。
今年と過去に実施したGREE Tech ConferenceのQA部門の過去の発表内容も記載しておきます。
■ 2024
ブース出展を決めた背景
事業会社の機能部門がブース出展するメリット/デメリット
今回のGREE Tech Conferenceではいつもの登壇形式に加えてブース出展が新設されました。
QA部門もブース出展を行うか否かを判断するため、ブース出展の形式で参加するメリット/デメリットを整理しました。
■ メリット
- 外部発信の場をきっかけとした自社の取り組みの言語化
- 他社との交流による自社の業務品質の向上
- 業界全体の活発化
- 上記に関連した他社連携の拡大(技術研究会など)
- ブース出展を経験することによる自身およびチームメンバーの能力向上
■ デメリット
- 不慣れな領域への対応コスト
- 活かす機会の少ない可能性がある知見の取得
ブース出展を決めた理由
メリット/デメリットを整理した結果、ブース出展を行う上での明確なデメリットはほぼ見当たらず、得られるものも複数ありそうなことがわかりました。
そして何より私自身が経験したことのないブース出展という取り組みを非常に面白そうと感じたため出展を決定しました。
ブース出展に向けた準備
今回のブースは大きく「説明用パネル」と「モニタへの投影資料」の2つで構成されていました。
それぞれについて順を追って説明します。
パネルの作成
まずパネルの作成を行いました。
もちろんパネルなど作成した経験はなかったため、パネルをどのように用いるかの観点で目的を整理しました。
作成の際に意識したこととあわせて下記に記載します。
■ 目的
- パネルがブースに興味を持つきっかけになること
■ 作成の際に意識したこと
- グリーQAの取り組みを理解できる(&我々も説明できる)ためのツールにする
- 見やすいものにする(図表を使用する、文字の大きさやフォントが見やすい)
- ブース全体との調和(色見など)
投影資料の作成
次に投影資料の作成を行いました。
パネルと同じく、投影資料の目的と作成の際に意識したことを下記に記載します。
■ 目的
- グリーQAに興味を持った方へ深く説明するための資料
■ 作成の際に意識したこと
- グリーQAの取り組みの中でも特に興味を引きそうな要素を盛り込む
- グリーQAとして他社の方と意見交換がしたいトピックを記載する
■ 作成したもの(一部)
ブース全体の準備
最後にブース全般の準備を行いました。
■ 目的
- 他社の方と議論できる場の形成
■ 作成の際に意識したこと
- きれいな雰囲気
- 親しみやすさ(キャラクターなど)
- 統一感(色見など)
■ 作成したもの
- QA部門オリジナルキャラクターのパネル
- QA部門オリジナルキャラクターのテーブルクロス
運営当日の振り返り
当初の想定と結果のギャップ
これらの準備を行い当日を迎えたのですが、やはり初めての取り組みだったこともあり当初の想定とのギャップもいくつかありました。
備忘録を兼ねてどういったことが想定通りだったか、逆に想定と異なっていたかを記載しておきます。
■ 運営
- うれしい悲鳴ではあるが当初の想定よりも多くの方にブースを見てもらえた
- 反面、ブース対応人員の不足する場面があった
- 当初は2名での対応想定だったが実際はヘルプ人員を合わせて最大6名で対応を行った
- 繁閑期の差が大きかった(スポットでのアサインを前提とするべきだった)
- 反面、ブース対応人員の不足する場面があった
- 完全にQAに特化していたためQAに興味のある方しかキャッチできなかった
■ パネル
- おおむね狙い通りだった
- 会話のきっかけとなり話も弾んだ
- 印刷すると想定と色見が異なっており微妙な不統一感が生まれた
■ 投影資料
- 最も想定と違った
- ほぼ使うことがなかった...
- パネルを詳細に記載した反動でパネルのみで話が完結してしまった
ブース出展で意識すべきことの整理
はじめてのブース出展を経て、今後ブース出展を行う人に向けて、意識すると良いことを整理しました。
ぜひ参考にしてみてください。
運営
- 人員配置
- メイン要員とスポット対応要員のそれぞれを事前に検討しておく
- (自組織が複数の機能を持っている場合)1機能だけでなく他機能の取り組みのアピール
- 弊社の場合だとQAのほかにCSや監査の部門も同組織だったのでそれらの取り組みを行ってもよかった
- アイスブレイクになるものの用意
- 今回は部門オリジナルキャラクターが非常に効果的だった
- ただしあまりにもオリジナルキャラクター一色だったので複数あってもよさそうだと感じた
- ブース全体のイメージの事前検討
- 今回の取り組みで私の意識が一番薄かった
- どうしてもわかりやすい"パネル"や"投影資料"に気を取られてしまった
- 事前の想定を細かく実施するとより効果的だったと感じた
- どこに何を配置するか
- 興味を持ってもらった方とどこでお話をするか
- ブースの前が大混雑だったためパネルや投影資料前に固まりすぎないように意識すべきだった
- 今回の取り組みで私の意識が一番薄かった
パネル&投影資料
- 下記2パターンのどちらかがよさそうと感じた
- パネルで詳細に説明&投影資料は1枚に伝えたいことを集約(取捨選択したうえで)
- パネルは概要のみ&投影資料で詳細に説明
- どちらのパターンにせよ、パネルと投影資料の連動を意識したつくりが重要だと感じた
ブース出展に取り組んだ感想
ありきたりな感想ですが、非常に有意義な取り組みでした。
計画を立てて臨んだことで意味のある機会にでき、当初の目的であった他社の方との交流や我々自身の知見の向上も一定達成することができました。
もし機会があれば次回は更に良いブース出展を実現しますのでその際はぜひ訪れてみてください。
参考資料(過去のGREE Tech Conference)
■ 2023
■ 2022
■ 2021
■ 2020