GYAOの窓際エンジニア 玉利です。
ベトナムのオフショアはいわゆる「ラボ型」というものです。日本であるのは「請負型」(完全にお任せ)や「準委任型」になります。日本では直接指示をしてはいけなくて、対向のマネージャーにお願いする形になります。
ラボ型では、派遣さんや社員と同じように直接指示ができます。ここまでがベトナムでオフショアする際の基本的な知識です。そして、この裏にはやっかいな問題があります。
ベトナム人と日本人は「OK」のレベルが全く違う。
ホーチミンのベトナム人は、南方のおだやかで朗らかな性格です。悪く言えば大雑把です。安易で楽な方向に流れます。
私は中国のチームも3年くらい面倒を見てきました。いまどき、日本人の買い物は中国ベトナムミャンマー製造がほとんどでしょう。労働集約型の仕事は海外生産にシフトしました。品質的には悪く無いレベルに達していますが、頑張ってるのは日本人の現地のオジサンたちで品質管理は「ものすごく」大変なんです。
彼らにとってOKは、日本では絶対ダメなレベルだったりします。
ベトナムでは、歩道を普通にバイクが走ります。バイクだけじゃなくてタクシーも走ります。ちなみに警察に捕まったら賄賂で解決するのがお決まりだそうです。
「玉利さん、賄賂払ったことありますか?」
「日本では賄賂は厳密に禁止されてます」
という、冗談みたいな会話が真面目に発生します。中国でも同じなので驚かずに真面目に返してしまいました。
このように、ラボ型という形は、ベトナム人だと品質管理がいまのところ出来ないので成り立つ形なのです。だから安いと考えてください
いま絶賛進行中、rootで動かさないで対策
ここ数日、ベトナム人のメンバーにお任せで作ったシステムの非root化を進めています。彼らは好奇心と向上心が非常に強く、「そろそろ任せてよ」と言ってきた矢先にこんな体たらくです。そして、rootで作ったということは彼らに言わせれば歩道をバイクで走るのと同じで、「前に動くから良いでしょ」という考えなのです。
そりゃベトナムではそうなんですけど、日本でそれをやったらアカウント禁止と強制削除くらっても仕方ないです。
教育は効き目があるか?
ベトナム人エンジニアは、大学でコンピューターサイエンスを学んできているはずなのですが、大学ではプログラミングを教えるだけでUNIXシステムについては教育ができてない感じです。
本来であれば、このあたりを一括で教えていかないといけないのですが、おそらく、彼らからすると「バイクで歩道を走るのはやめましょう、アプリをrootで動かすのは止めましょう」というのは理解できないと思います。
中国人が列に並べないのは直しようがないし、ベトナム人が歩道をバイクで走るのも禁止できません。
解決策は、HerokuなどのPaaS
結論として、ベトナムで作るものは旧来の仕組みで動かすとかえって高コストになると考えています。なんでも出来てしまうけど腕や工夫が必要、というものは発展途上国にはマッチしないですね。安易で変な方向に流れてしまいます。
というわけで、ベトナム案件では素直にPaaSを使いましょう。
なんで今回のPJでPaaS使わなかったかといえば、業務サイドがWindowsファイル共有する巨大なストレージをオンプレミスに置いてるせいで、PaaS経由からファイルアクセスできないんですよね。ここがS3だったら話が早かったんですが。
日本人は、もう少し手抜きをする方法を覚えるべきだと思うし、ベトナム人はもうすこし手抜きをしない方法を取るべきです。