GYAOの窓際エンジニア 玉利です。
現在はベトナムメンバーと一緒にサプライチェーン系のツールを開発しているのですが、先日ようやく本格稼働はじめまして弊社の新サービスの大量の業務を無事さばくことが出来ました。これをExcelとメールでやってたら、自分が業務担当だったら人生考えなおしたくなります。
いままではExcelで作っていたので、だいたい日付ベースで処理を行ってきたのですが、今度からWebシステムになったために、できることがふえました。
例えば荷物の到着日を「材料到着日」として Excel上では扱っていたため、開発時の要求仕様書では日付を入れればよく、DB設計は「date型」にしたのですが。
Kさん「急ぎ便の処理を見分けるために、時間まで入れて欲しいんだけど」
ワタシ「えー、そこDBがdate型なのをdatetimeに変えなきゃいけなくて、結構面倒だよー」
やりたくない仕事なのですが、Kさん美人で面白い人なので聞いてあげることにします。
でも本当の理由は、「探す仕事は付加価値を生まない原価だけを高める行為」ということなのです。ここをカイゼンするのは我々がやってはいけないことを無くす、という製造業で言う「5S(整理 整頓 清掃 清潔 躾)」活動になるからです。
下調べをしてみる
まずはRubymineでDBを見てみます。date型ではありますが、秒数が入ってるっぽいので、マイグレーションでなんとかなりそうな気がしてます。ここでダメならカラムを潰して作り直しになるので、過去データの扱いは非常に面倒になります。
行けそうな気がしてきました。こういうのはDB設計レビュー時につぶしておきたかった問題点ですが、業務サイドに仕様を仕切れる人がいないからExcelで頑張っているというのがほぼすべての会社の姿なので、気がついた時にカイゼン活動をしましょう。
このチェック部分は、将来への影響までしっかり考え抜かないと、あとで地雷が発生したり大変なので、ベテランがしっかり押えてくださいね。
要望資料を書いてもらい、SEのコメントを入れる
以前、どこかの記事で書いてもらった気がしますが、要望はグラフィカルにパワポで作ってもらいます。前はExcelで箇条書きされてて、毎回自分でパワポ化していたのですが、パワポじゃないと要望受けないよ、と伝えてあります。
近年ではパワポは悪、みたいな扱いを受けることが多いのですが、発案者の頭の中にある問題点を可視化するには非常に優れたツールですね。
そして、緑の部分はワタシが追記したコメントです。
これを、ベトナムに送ります。
ベトナム側の翻訳
ベトナムオフィス(Techbase Vietnam)には、日本留学経験のあるコミュニケーター(通訳)がいます。
(写真はTechBase Vietnam Facebookより)
彼女が、ベトナム語に訳してくれます。最初は英語でやろうとしていたのですが、どうせ日本人は英語わからないし、日本人エンジニアもコードは読めるけど英語もベトナム語もダメなので、「ベトナムではベトナム語を公用語にすべきである!」というシンプルな考えで、現地資料はベトナム語にしました。
細かい詰めの作業は、社内Slack的なメッセンジャーで処理します。
なにかわかりにくいところがあれば、この段階で日本語で問題を潰すことができます。
開発作業
そして、エンジニアに依頼が渡ります。いまメインで担当しているのはコアさん、日本でも滅多に見かけない腕の良いエンジニアです。Hackdayイベントでも表彰されていました。彼は特に仕事が速いので、彼らの仕事を出すのが大変です。Rubyエンジニアは、PHPエンジニアの倍くらいの速度で仕事を片付けてくれます。
(写真はTechBase Vietnam Facebookより)
要望は、ベトナム側の開発チームでGithub Issue化されます。
あとは、社内Slackで質問が来たら、サンプルコードで答えていけばなんとかなります。
実装が終わったら、コードの確認と動作の確認を行い、Issueのクローズをしていきます。
ベトナム開発の社内でのメリット例
だいたい日本のWebサービスの会社は、バックエンドはExcelというのが普通にあります。10年以上前の着メロブームの時でもそうでしたし、今でもサービス開発が忙しくバックヤードは人力という会社ばかりだとおもいます。
弊社のスタッフで、アメリカの動画系サービス会社に視察に行った人は、業務システムがしっかり作られていて小人数でまわるようになっているのが衝撃だったようです。ええ、過去を振り返れば日本は個人技で頑張って、兵站でアメリカに負けたわけです。日本人はシステム化に疎いという弱点は今も昔もおんなじです。
シリコンバレーの会社は、おそらくインドや中国のアウトソースを使ったりして社内システムを整備し、創造的なフロント側はアメリカで開発してるんじゃないかと想像しています。あんなに立派な業務システムまで手が回るほど、エンジニア売り手市場のシリコンバレーにエンジニアリソースは転がってません。
日本でやる場合は、ベトナムを味方に付ければ同じモデルに持ち込めるのではないかと思ってます。シリコンバレーの背中はまだ見えませんが、GYAO社は数年でおいついてやろうと思っています。