HP Thin Micro TM200 はもうディスコンの古いモデルですが、NTT-X Store で安売りしていた時に購入しました。
8 Core (16 thread)、最大メモリ 64GiB、IMPI(iLO4) 対応、ということで仮想サーバとしてよさそうです。
まずは FreeBSD をインストールしますが、IPMI 対応なので ipmitool を使ってリモートからインストールしてみます。
構成
購入した状態ではストレージがなく、メモリも最小限のものがついているだけだったため、ストレージ追加とメモリの増設を行っています。
- HP Thin Micro TM200
-
WD Red™ Plus NAS Hard Drive 3.5
- 8G
- 2台
- 8G
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DDR4-2400 / PC4-2400 (* PC4-19200) RDIMM / ADS2400D-Rシリーズ
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ADS2400D-R32GDW
- 64GiB (32BiB x2)
- もともとは 8GiB だったので DIMM を入れ替え
- 64GiB (32BiB x2)
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ADS2400D-R32GDW
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ADATA SX6000 Lite PCIe Gen3x4 M.2 2280 SSD
- ADATA XPG SX6000 Lite M.2 2280 PCIe Gen3x4 SSD 256GB (NVMe1.3対応 Read(MAX)1800MB/s Write(MAX)1200MB/s ヒートシンク付き) ASX6000LNP-256GT-C
- 256GB NVMe SSD
- 日本語のマニュアルには記述がありませんが、英語のマニュアルには記述があります。
- 接続可能なものは M.2 2280 M-Key になります
- 英語のマニュアルの記述(PCIe M.2 2280 solid-state devices)と M-key から NVMe を試してみたところ、認識できました
- 日本語のマニュアルに記述がないため、サポート外になると思われます
memtest86 の実行
OS などのインストールを始める前に、メモリのチェックを行っておきます。
メモリのチェックには定番の memtest86 を使いました。
今回は memtest86 が起動する USB Memory を作成して起動しました。
オペレーション用ホストの準備
IPMI の LANPLUS 対応のツールを実行できる環境を用意します。
FreeBSD の場合 pkg binary があるのでインストールしておきます。
pkg instlal -y ipmitool
HP Thin Micro TM200 を最小限セットアップ
OS のインストール
HP Thin Micro TM200 をネットワークに接続
HP Thin Micro TM200 をネットワークに接続します。
iLO4 専用ポートを持っていますが、初期状態では "WAN/LANポート1" と共有状態になっています。
iLO4 専用ポートとだけでなく、WAN/LANポート1 もネットワークケーブルでつないでおきます。
電源ケーブルを接続する
HP Thin Micro TM200 の電源ケーブルを接続し、いつでも電源を入れられる状態にしておきます。
この時点では電源 On にしておく必要はありません。
IPMI の機能を使ってリモートから電源 On/Off が可能です。
IPMI 接続用アカウントのパスワードを確認する
工場出荷状態で設定されている IPMI 接続用アカウントの初期パスワードを確認しておきます。
初期パスワードについていは HPE iLO 4ユーザーガイド の「iLO に初めてログインする方法」を参照してください。
FreeBSD インストール用 USB メモリを差しておく
ネットワークブートでインストールすることも可能だと思いますが、そのために準備するものがいろいろ必要になります。
今回は FreeBSD インストール用 USB メモリを作成し、作成した USB メモリを事前に差しておく方法をとります。
FreeBSD インストール用 USB メモリの作成は、https://download.freebsd.org/ftp/releases/ISO-IMAGES/13.0/FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64-memstick.img をダウンロードし、dd などを使って USB メモリに書き込むことで作成します。
USB メモリは 2GiB 以上のものを使ってください。
FreeBSD 環境では fetch コマンドを使ってダウンロードできます。
fetch https://download.freebsd.org/ftp/releases/ISO-IMAGES/13.0/FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64-memstick.img
取得したファイルを dd などを使って USB メモリに書き込みます。
dd if=FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64-memstick.img of=/dev/da0 bs=8k
ipmitool で接続
ネットワークに接続された HP Thin Micro TM200 に ipmitool で接続します。
接続先の IP アドレスは初期状態では DHCP で取得する設定になっているため、起動時の画面に表示されるアドレスを調べておくか、DHCP サーバで IP アドレスの割り当て情報から確認します。
管理ユーザとして初期状態で Administrator が用意されているので Administrator でログインします。
ipmitool -I lanplus -H ${IP アドレス} -A PASSWORD -U Administrator shell
電源を入れる
IPMI の機能を使って電源を入れます。
ipmitool> chassis power on
Chassis Power Control: Up/On
ipmitool>
ipmitool> chassis power status
Chassis Power is on
ipmitool>
iLO4 で初期設定
boot デバイスの選択
起動中に "For access via BIOS Serial Console:" という表示が出ると boot デバイスを選択できます。
USB メモリ以外に boot 可能なデバイスがなければそのまま待っていれば USB メモリから boot しますが、HDD/SSD に起動可能な OS をインストールしていた場合は、このタイミングでESC
の次に !
を押して boot デバイスの選択メニューを表示させ、"Generic USB Boot" を選択して明示的に USB メモリから起動させます。
For access via BIOS Serial Console:
Press 'ESC+9' for System Utilities
Press 'ESC+!' for One-Time Boot Menu
Press 'ESC+@' for Network Boot
One-Time Boot Menu
FreeBSD
FreeBSD
FreeBSD
> Generic USB Boot
Embedded SATA Port 1 HDD : WDC WD80EFAX-68KNBN0
Embedded SATA Port 2 HDD : WDC WD80EFAX-68KNBN0
Embedded LOM 1 Port 1 : HPE Ethernet 1Gb 4-port 366i Adapter - NIC (PXE IPv4)
Embedded LOM 1 Port 1 : HPE Ethernet 1Gb 4-port 366i Adapter - NIC (PXE IPv6)
Rear USB 2 : Sony Storage Media
NVMe Drive 1 : NVM Express Controller - 2K5229AE1EP2 -ADATA SX6000LNP -0
Run a UEFI application from a file system
FreeBSD をインストール
USB メモリから起動させたら、あとは FreeBSD をインストールしていきます。
FreeBSD のインストール方法については公式ドキュメントの 第2章 FreeBSD のインストール を参照してください。
他にもQiitaにもいくつか記事がありますし、Qiita以外にも情報がありますので探してみてください。
最後に
FreeBSD をインストール出来たら、次は仮想化機能の利用を考えます。
現時点では Xen Dom0 は起動できない状態ですが、bhyve は動いたので bhyve で仮想環境を整えてみます。