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クリティカル・シンキングとは?とその考え方

Last updated at Posted at 2021-10-08

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グラフィックデザイナーが受講したビジネススクールで学んだことの振り返りと、その感想を兼ねて、今回はクリティカルシンキング。

クリティカル・シンキングとは

クリティカル・シンキングは、僕がデザインを学んだときには無かった言葉ですが、師匠からさんざ詰めら続けるほど、デザインで必ず使う考え方です。物事を適切な方法で、適切なレベルまで考えることを言います。クリティカル・シンキングをしっかりと行えれば、直感的な問題解決ではなく、物事の本質を捉えた問題解決が行えるようになります。

直感的に結論を出してしまうと考えはそこで止まってしまいますが、じっくり考えることで様々な可能性が発見でき、それまで思いつかなかった「新たな発想」ができます。また、それまでとは違った視点で考えるということが出来るため、見落とされていたチャンスや問題への気付きがあります。これらのメリットを得る過程で、客観的、多角的に考えるという工程があるため、相手の言いたいこと、その前提を的確に理解することも可能です。

クリティカル・シンキングの考え方

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クリティカルシンキングでは、目的は何なのかを非常に意識します。問題のあちこちを突いて意味のない検討をしてしまわないよう、そもそも「何のために考えるのか」「今そのことについて考える意味はあるのか」について常に考え、そして問題の一部だけに着目して、他の問題を見落とさないよう「目的は実は違うじゃないか」などを考えていきます。

例えば、お客さまから会社のWebサイトのリニューアルしてほしいという依頼があった時、そもそもなぜリニューアルをしなければならないのか、ご依頼された理由を考えるようにします。例えば、経営者が変わって、経営理念に変更があったので、Webサイトのリニューアルをする場合、そこを見落として、見た目だけを今風に変更したとすると、的はずれな仕事をしてしまいます。何のため?目的は?ということを、しつこく考えて行きます。

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また、自分と他の人の考える道筋が違うということも意識しておきます。僕もそうですが、人が何かを考える時、客観的にと思っていても個人の価値観を、多角的にと思っていても過去の経験からの教訓を、といったような、暗黙の前提を置いて物事を考えています。これを理解しておかないと、とても狭い世界や範囲で問題の答えを求めてしまいます。

例えば、ディレクターとスタッフが、A案、B案、C案、の3つの案を検討している打ち合わせがあったとき、ディレクターは効率重視のA案、スタッフは品質重視のB案を推している時、ディレクターはスケジュールや予算を、スタッフはクオリティややりがいを前提にしています。それぞれの暗黙の前提が違うので、お互いの主張に納得ができません。

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そしていちばん重要なのは、考えて結論が出たとしても、そこで思考を止めずに「つまり?」と「なぜ?」を考え続けることが重要です。で、刻一刻と変化していくビジネスの世界では結論の出た問題の先にまた新たな問題が見えてくることもあります。客観的な思考を継続することで、物事の本質を捉えながら先へ進むことができるようになります。

例えば、デザイナーのミスが多い時、なぜ?と考えた結果、作業フローが守られていない、という答えが出たとしても、ここで止めずに更に、なぜ作業フローが守られない?と続けて考えると、赤字の文字が汚い、作業量がとても多い、といった答えまでたどり着けます。その先も、更に、そして更に、と考えることで、問題の本質に近づいていきます。

まとめ:クリティカル・シンキングとは?

  • 物事を適切な方法で、適切なレベルまで考える
  • クリティカル・シンキングで可能になること
  • それまで思いつかなかった「新たな発想」ができる
  • 見落とされていたチャンスや問題への気付きがある
  • 相手の言いたいことや前提を的確に理解できる
  • クリティカル・シンキングの考え方
  • 目的を常に意識する:何のために考えるのか、今そのことについて考える意味はあるのか、目的は実は違うじゃないか、など、目的を常に意識する
  • 考えの癖を理解する:人が何かを考える時、個人の価値観や過去の経験からの教訓など、考え方に癖が出るため、これを理解し、そして意識する
  • 本質まで考え続ける:考えて結論が出たとしても、そこで思考を止めずに更に、そして更に、と考えることで、問題の本質に近づいていくまで考える

次回はエレベーター問題を使った具体的なクリティカル・シンキングの流れを記事にします。

振り返り

僕がデザイナーになりたての時、デザインの師匠から「なぜデザインするか考えろ」「お客さまは素人、お前はプロ」「依頼されたこと以上のことをやれ」と口酸っぱく言われてきました。当時はクリティカル・シンキングという言葉は無かったのですが、この言葉たちはまさしく、クリティカル・シンキングだったんだなと考えさせられました。

デザインの依頼があった時、お客さまには何か目的がありますが、その目的はお客さまも分かってないことが多いものです。お客さまは素人だから。なので、プロの我々が、なぜデザインするのか、それはデザインで解決することなのか、なにを解決したいのか?を考え、プロとして、デザインで問題の本質を解決できるならやるし、解決できないなら他の方法を提案したりします。とても厳しい師匠でしたが、一人前のデザイナーになる基礎の基礎を根気よく教えてくれてありがたいなと思った次第です。肩でも揉みに行こうかな。

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