記事投稿の背景
- IT企業を業態で分類すると、自社開発、受託開発、SIer、SES、派遣などがある。
- 各業態の特徴の違いについて、なんとなく理解しているつもりではいたものの、言語化して備忘録として残すことにした。
- 役割・業務範囲・キャリア・売上に影響する要素の観点から簡潔に整理をしてみた。
自社開発
- 自社の製品やサービスを開発している企業。
- 従業員は自社の製品開発に携わり、製品の企画から開発、運用まで広い範囲の役割を担う。
- 正社員採用が基本で、長期的なキャリア形成がしやすい。裁量権が高く、製品に対する愛着も生まれやすい。(業務委託や派遣社員はスポット的に活用している)
- 自社製品の売れ行きが会社の業績や働きやすさに大きく関係する。
受託開発
- 他社から依頼を受けてシステム開発を行う企業。
- 従業員は受託先の要件に基づき開発を進めることが主な役割。
- 正社員、派遣社員など多様な雇用形態の人がいることが多い。受託契約はプロジェクトごとの契約が一般的で、スキルアップを目的に加入する人もいる。
- 幅広い案件を幅広い顧客から受注している一方で、業績や社内体制が受注プロジェクトの影響を受けやすい。
SIer
- 複数のシステムを連携・構築することが主業務。
- 従業員はシステム基盤の構築から運用・保守まで幅広い開発を担当。
- 大手企業が中心で新卒入社の正社員が多く、大規模案件を経験できる点が魅力。社内の異動によって多様な経験を積めることも多い。
- 社内政治の影響を受けやすい。
SES
- 要件定義や設計、コーディングなど、プロジェクトの一部に関与。
- 従業員は要件定義や設計など開発前段階の役割が中心で、高度な技術・知識を獲得できる。
- SIerから再委託を受けて開発を行うため、比較的大規模なシステム開発案件に関われることが多い。
- SIerから一部を委託されるため、プロジェクト全体を俯瞰できる機会は少なくなる一方、高度な領域を深掘りして開発することが多い。
- 業績はプロジェクト獲得状況に左右される。
派遣
- 客先に社員を派遣し、人件費とマージンを取るビジネスモデル。
- 従業員は客先での開発業務に従事する。雇用形態は契約社員がほとんどだが、自社で正社員として雇用してから派遣する会社もある。
- 案件切替を比較的柔軟に行うことができ、多様なプロジェクトで経験を積無ことができる一方、労働環境は客先に依存することになる。