2024年3月14日~15日の間開催されたJasst Tokyo 2024にオンラインで参加してきました!参加した感想を残します。
◇目次
参加した背景
目的
目当ての講演
参加した感想
最後に
◇参加した背景
今年度も自動車業界からの講演内容があり、業界としてソフトウェアテストへの興味が高まっているように感じているため。
今まで、V社やd社などのHILS装置を使ったシミュレーションに目が行きがちだったが、SDVがキーワードになり、制御ソフトウェアのテスト品質の向上も必要という機運が高まっていると個人的に感じている。
(内製化比率の高まりなどもある・・・)
◇目的
・自分のモチベーションアップの種を得る
・仕事への還元できる何かを得る(来年度の業務に活かしたい)
・チームについての学びを得る
◇目当ての講演
・テストだけで品質は上がらない?! エセ自己組織化した品質組織からの脱却
◇参加した感想
・Tangible software quality
qualityは単数と複数で意味が変わる。
Quality:品質、質
qualities:特性、個性
このツイートを見て、品質副特性に置き換えて考えると分かりやすいなと思った。
ユーザーの価値を考えるとすると、利用時の品質に効く、外部品質を考える。
さらに、外部品質に効く、内部品質を考える。
内部品質(品質副特性)のデータを収集して、トレードオフスライダーを決めるために使えるようにする。(動的テストと静的テストを効果的に使う必要がある・・・?)
だから、テストエンジニアがデータを測定して、可視化できるようにする必要がある。
テストをより効果的に、開発にFBして(FBなのかな?もっと議論しようが近い?)、ユーザーの価値に直結する活動にする必要があると感じた。
内部品質のメトリクスのデータの可視化、FBとなると設計の知識と経験がないと話せないのでは?とも思った。(静的テストなんて、設計側がメインでやるものだし・・・)
QAエンジニアにも、開発経験がないと難しいのかもしれないと感じた。
・テストだけで品質は上がらない?! エセ自己組織化した品質組織からの脱却
アジャイル開発生産性の考えには、トヨタ生産方式やQC活動などが含まれている。
→製造業へのアジャイル活動の適応は有効なはずだ
ハードウェアが絡むと、試作などの複雑さが増えるよねーとも思ってしまう(笑)
基調講演と同じで、データを持って語ろう!
開発サイド、品質サイドと別れてしまうと、自分たちの業務を良くしようとするバイアスが強くなってしまう可能性がある(えせ自己組織化)。
データ(事実)を持って、顧客に何を提供することで、価値になるかをチーム全体で考える必要があると再認識できた。
組織構造やチームビルドのやり方も意識しないといけない。
チームスピリットやノーススターメトリックなどがあると、対立構造が発生しそうなときに、それらを元にチームが話し合ったり、思い出したりすることで対立構造バイアスを避けることができるかもしれないなと思った。
データで語る、チームで仕事をすることって何?ということを意識することが重要と感じた。
・自動車のソフトウェア品質に関する現場の試行錯誤
昨年に引き続き、今年もJasst Tokyoにてトヨタ自動車様の講演があった(昨年はWoven Core株式会社名義で登壇していた)。
昨年よりも、車開発に近しい部門でのお話という感じだった。
現場の苦労がよくわかる話。
(OEMはどこも似たような悩みを持っているかもしれないと思った)
ただ、現場を含めカイゼンし始めている、活動を始めている点で、進んでいる。
車の開発自体が難しいし、テストは難しいなと、改めて思った。
ずっと思ってたのが車の開発では、テストよりもシミュレーションという感じが強いなと思ってた。(MBDがどちらかというとシミュレーション寄りという感じだった、1d-CAEとか含めて)
今日の講演を聞いて、シミュレーションからソフトウェアテストに考えがシフトしてきているのかもしれない・・・と感じられた。(個人的にはとてもうれしい)
車1台HILSのテストを考えるのは、難しい・・・
車はシステムオブシステムズ。
いろんなサブシステム(ステアやブレーキ、ADASなど)を組み合わせて、システム(車)を構成している。
サプライヤ部品、内製部品、たくさんのモノが組み合わさってできている。
もちろん、すべての製品が試作段階ということは、小ロットの貴重品。(めちゃくちゃ高いもの・・・)
そして、それらの試作品のたくさんの部品同士をつなげる必要がある、その分のHILS装置も必要になってくる。
デジタルの世界で、車両挙動を実車に近づけようとすると、HILS装置も高性能なPCも必要になってくる。
1台HILSを仕立てるのも、とてつもないお金がかかる・・・。
(試作車はもっとかかるけど)
また、テスト管理を考えるとHILS装置やVirtual試験ソフトが絡むととても大変。
試験装置、ECU、Virtual環境、テスト成果物(テスト設計成果物、テスト結果)のすべてを一元管理しようとすると難しい。
OSSツールを利用して、プロジェクトに合うようにカスタマイズすれば・・・と思うこともある。
ISO26262もしくはVDAで、ツールの適格性を保証されていなければならない。
ツール認証を受ける必要があり、OSSツールの認証、社内向けに適合させたアプリケーションの認証が必要になってくる。
これが大変・・・、本当に悩んでいる。
同じ悩みを持っていることを知れたのは収穫が大きかった。
B2Bテストの話もあった、トヨタ自動車様は、量産モデルを使用していることをサラッとおっしゃっていた。
動く仕様書と言われることが多い仕様モデルから、量産モデルを作り、オートコードしていると読み取れた。
正直うらやましい。
ちゃんとしたMBDができる環境・・・、いいな!
三河を離れて3年、確実に変わっている。
変化の速度に、今の環境は追従しているのだろうか・・・。
頑張らないと・・・。
◇最後に
2023年度のJasstの講演で、「価値」に関する講演が多かったなと感じた。
今年度の締めくくりも、「価値」に関する内容が多かった。
「価値」とは何か、何が顧客に提供でき、世界を良くすることができるか、よく考えて、チームで議論して開発することが大事だと再確認できた。
もっと、「価値」について議論して、お客様のうれしいにつながるように、開発ができることに貢献できるように頑張ろう!