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私が仕事をする上で大切にしていることは、

・長い手戻りは何も価値は生まない
・透明性
・説明責任
の3つです。

なぜこの3つ?・・・

働き始めた会社の経験、自動車業界での1社目の経験が大きく関係しています。

手戻りの苦い過去

私は、自動車業界に入る前、電源系のアナログ回路エンジニアを短い期間していました。
そこで、仕様折衝、回路設計、パターン設計、試作、信頼性試験の全工程を担当していました。

アナログは本当に素人で、右も左もわからない状態、授業で習う回路図が書けるくらい(抵抗書やコンデンサを置くくらいのレベル)でした。
開発を通して、得た学びは、「長い手戻りは何も価値を生まない」です。
ど素人が、回路設計し、パターンを設計しても、うまくいく訳はないですよね。(よくやらせてくれたなと思います、当時の職場に感謝です・・・)
回路図がだめだと、パターンもだめになり、当たり前ですが、性能も信頼性もない製品ができます。
当時すでに回路シミュレータはなどは巷にはありました。小さい会社ではなかなか使うことができないので、実機を使って評価を行うことが多かったと思います。
V字プロセスの、右上に該当するテスト(信頼性試験)で、だめだね(使い物にならないね)というのが分かります。
だめというのがわかって、戻る距離が非常に長いです。
いい設計ができないと、手戻りする距離、量が大きく、その分時間と費用を捨てることになってしまいます。
(試作品の部品の注文や、ポリテクセンターの予約も、自分でやっていたので、どんどん赤字になっていくのが分かり、ごめんなさいといつも思っていました。)
temodori.drawio.png

だから私は、長い手戻りがとても嫌いです。
早く失敗して、早く直して、お金をあまりかけずに良い製品開発をしたいと常々思っています。
今はソフトウェア開発に携わっているので、小さく作って、小さく失敗して、即修正するを実践しています。

ミッションクリティカルに作る

透明性と説明責任は、当時所属していた企業の社是になります。
私は、自動車部品サプライヤ(ブレーキ系)のソフトウェアエンジニアをしていました。
ブレーキと言えば、車に乗る人の命を守る安全部品の一つです。クリティカルセーフティであることが求められる製品です。
ブレーキ開発をする上で、製品開発の透明性が高く求められます。
透明性を担保するために、開発プロセスの順守、トレーサビリティ確立が当たり前の環境で育ちました。
「透明性」は、ユーザー(ドライバーや乗客)の安全を達成するために必要なことであり、また何かが起こったときにエンジニア自身を助けてくれます。
透明性を担保するためには、必然的に説明責任も必要になります。
透明性があることを、プロセスの順守、トレーサビリティの確保、テスト実行により、自分の開発したものが正しい状態・正しく動くことを証明する必要があります。

製品開発を進めながら、この社是は身に染みていきました。
今は、安全部品の開発に携わっていませんが、この三つのことを常に意識しています。

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