LoginSignup
5
8

More than 5 years have passed since last update.

要求抽出について

Posted at

要求抽出を行うにあたり、3つの難点があります。
1.システム化の境界が明確に定義できない(どこまでがシステム、どこまでが人の作業なのか)
2.要求者自身が要求について完全に理解していない。
→コンピュータの能力や限界についての理解が不十分・ユーザフレンドリといった要求が曖昧過ぎる。
 こんな風にしたいんだけれど、どうすれば良いのかな?程度の認識しかなく、何があれば自分の問題が解決するか分かっていない
3.時間の経過とともに要求が変化する。

では具体的に、どのように要求を抽出すれば良いのでしょうか?
1.資料収集:業務に関する既存の資料を収集・分析を行い、問題点や要求事項を抽出する手法。
→ある程度正確なドキュメントが残されている前提で行います。データマイニングが一番近い?

2.アンケート:システムを使うであろう人にアンケートにし、要求を抽出する手法。
→てっとり早い方法ですが、誘導尋問に近い形になる手法です。アンケートの質問を超える内容は出てこないケースがほとんどです。

3.インタビュー:オープン型インタビュー(自由に意見を貰う)と、構造化インタビュー(エンジニアが予め想定した回答に誘導する)の二種類がある。後者は責任分散が主な目的です。
→ほぼアンケートに近いですが、顔を合わせる分お互いの解答が印象に残りやすいです。

4.現場観察:現場に属することにより、事実、問題、対処策、改善の機会、成功するために必要な条件、KPI候補を導き出す。
→情報収集を、資料ベースでなく自分の感覚で進めていくやり方。人によって向き不向きがくっきり別れる手法です。

結論として、要件抽出の精度を上げるには適切なコミュニケーションを取るしかないです。
お互いが機能要件に熟知していれば最小で済みますし、逆の場合は僅かな意思疎通の乱れが命取りになります。
お互いのコミュニケーションを基本として、使いやすい手法・ツールを試し、質の高い要件抽出を目指しましょう。

最後に、コミュニケーション手法の例を示します。
・会議:最も一般的です。原則同一部署(利害関係が一致)内で行われますが、複数の利害関係者を同時に集めて議論する「協調セッション」という方法もあります。集団の合意を得るためには一番効率的な方法だそうです。
しかし、会話内容が十分正確に記録できないと、作成される要求仕様が不正確になる恐れがあります。
→真面目な人ほど会議好きのイメージです。

・ブレインストーミング:細かい意見が出やすく想定外の意見が出やすいため、活発なコミュニケーションが期待出来ます。しかし、まとめ役が不在の場合、生産性があるように見えてほとんどない場となってしまいます。
→学生が好きなイメージです。

・シナリオの利用:そのシステムが実際に使われたと過程してみんなでシミュレーションする。
例:福祉支援システムの要求を抽出する場合:年齢83 歳の花子おばあさんのある1日を具体的に各々想定する。
→一番能力のある人が全体を引っ張っていくケースが多発しそうなので、初学者の意見は吸い上げにくいかもしれません。

5
8
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
5
8