「フロー状態」というのはいわゆる「神様が降りてきた状態」とでも言えばよいのでしょうか。ある作業に100%に没頭している非常に生産性が高い状態のことです。
「フロー」はflow。スポーツでは「ゾーンに入る」とも言いますね。ソフトウエア開発の世界では「邪魔されないフロー状態に入ること」を、「wired in」、「The Zone」、「hack mode」に入るなどと呼んでいます。
・フローの構成要素
心理学者のチクセントミハイ( Mihaly Csikszentmihalyi )は、フロー体験の構成要素を6つ挙げています。
- はっきりした目的
- その目的に対する高い集中
- その活動にはまり込んだ感覚
- あっという間に時間が経過する感覚
- 成功と失敗が明確
- 活動が易しすぎず、難しすぎない
を挙げています。
・フロー状態をへの入り方(例えば)
私はカレンダー通りに生活し、集中する時間をできるだけ多くとるようにしています。その時間は、すべての通知を切り、気の散るアプリケーションを終了して、歌詞のない音楽をかけます。フロー状態に入るまで大体 10 分から 15 分かかります。さらに、集中タイムは最低でも 2 時間ずつのブロックでとるようにします。そうでないと、いいところまで行く前に中断することになったり、反対に会議に遅れたりするからです。
—CATT SMALL、ASANA、製品デザイナー (ゴール)
データサイエンティストとして、私はどんな分析を行う前にもフロー状態に入るように心がけています。フロー状態に入るためにはまず 5 分間の休憩を取ります。その間は特に何も考えないようにして、心を空っぽにします。その後、残った時間はひたすら呼吸に集中します。そうすると「ゾーンに入った」状態になり、難しい問題に挑戦する準備が整うのです。
—AVINASH NARAYANAN、ASANA、データサイエンティスト
私は、面白くて取り組みがいのある仕事をしていると、いつの間にかフロー状態に入ります。たとえば、ある程度得意な分野でのデバッグ作業や、実装したものが既存のコードと思ったようにうまくかみ合わない理由を探す作業などです。また、思う存分集中できる余裕も必要です。その時の気分に合った音楽を選んで、じっくり作業に集中します。”
—GINA BOLOGNESI、ASANA、製品エンジニア
プログラムリーダーの私は、受信トレイに入ってくる仕事に対応する作業と、集中して取り組む個人の仕事の両方に時間をかける必要があります。受信トレイの仕事にまとめて応答する時間を決めておくと、かなりフロー状態に入りやすくなります。あるいは、何度も作業が中断されないように受信トレイの通知をオフにすることもあります。通知アイコンを見ると慌てるものですが、受信トレイに届くものがそこまで緊急であることは滅多にありません。
—YAMILEX AVILA-STANLEY、ASANA、ソフトウェアエンジニア
私は、自分がフロー状態に入るには「計画を立てる」「環境を作る」「集中する」の 3 つの段階があることに気づきました。フロー状態に入るには、長時間、邪魔が入らずに作業できることが必要です。月曜日は会議の予定をほぼ入れないことにし、ほかにも会議とランチ、個人的な休憩を組み合わせてカレンダー上でまとまった空き時間を作るようにしています。フロー状態に入りやすいスケジュールを立てることで、長期的に見ればより効果的なワークスタイルを確立し、影響力の高い仕事を達成できます。”
—DAVID BRANDT、ASANA、インフラエンジニア
・フロー状態を達成する条件(具体的には)
- 明確な目標を立てる
- 気が散るものを減らす
- 割り込み(電話とか通知とか)をオフにする
- マルチタスクをやめる
- 好きなことをする、することを好きになる
・フローを妨げるもの
- 曖昧な目標、明確でない指示
- 暴力的な割り込み(電話とか通知とか)
- 結果に対する曖昧なフィードバック
・技術者がフローのためにできること
- 作業のゴールを書き出す
- 遅いPCは使わない
- 動きの早いツールを使う
- 大きなディスプレイ
- タイピング訓練
- 騒がしい環境を減らす(電話オフ、通知オフ、イヤホン、歌詞のない音楽)
- 割り込みを完全になくす
自分が仕事中に流す音楽(画面の中の人も勉強しているなーと思ってやる気が出る)
https://www.youtube.com/watch?v=kgx4WGK0oNU