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カリー化(Juliaで解説)

Last updated at Posted at 2022-12-04

「カリー化」という概念があります。カリー化とは、複数の引数を持つ関数を、いくつかの関数の組み合わせで表現することを指します。ここではJuliaで解説します。

例えば、次のようなコードでは、複数の引数を持つ「add」という関数を定義しています。

# 複数の引数を持つ関数
function add(x, y)
    return x + y
end

# 関数を使用する
println(add(1, 2))
println(add(3, 4))
println(add(5, 6))

このコードを実行すると、次のような出力が得られます。

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このように、複数の引数を持つ「add」という関数を定義し、その関数を使用しています。

一方、juliaでは、このような複数の引数を持つ関数を、単一の引数を持つ関数の組み合わせで表現することができます。例えば、次のようなコードでは、「add」という関数をカリー化した形で定義しています。

# 複数の引数を持つ関数をカリー化した形で定義する
function add(x)
    function(y)
        return x + y
    end
end

# 関数を使用する
println(add(1)(2))
println(add(3)(4))
println(add(5)(6))

このコードを実行すると、次のような出力が得られます。

3
7
11

このように、カリー化を使用することで、複数の引数を持つ関数を、単一の引数を持つ関数の組み合わせで表現することができます。

メリット

カリー化によって、複数の引数を持つ関数を、単一の引数を持つ関数の組み合わせで表現することができるため、次のようなメリットがあります。

関数を再利用しやすくなる

カリー化を使用することで、同じ引数を持つ複数の関数を1つの関数で表現することができます。そのため、同じ処理を行う複数の関数を定義する必要がなくなり、再利用性が向上します。
例えば上記の例ですと以下のような使い方もあります

add10 = add(10)
println(add10(5))

# 15

コードをスマートに記述できる

カリー化を使用することで、複数の引数を持つ関数を、単一の引数を持つ関数の組み合わせで表現することができます。このため、複数の引数を持つ関数を書くよりも、単一の引数を持つ関数の組み合わせで書く方が、コードがスマートに書けるようになります。

関数をパイプラインで繋げやすくなる

カリー化を使用することで、複数の引数を持つ関数を、単一の引数を持つ関数の組み合わせで表現することができます。そのため、複数の関数を「パイプライン」と呼ばれる形で繋げることができます。このため、関数をパイプラインで繋げることで、よりスマートなプログラムを書くことができます。

カリー化のデメリット

カリー化を使用することには、いくつかのデメリットがあります。ここでは、その代表的なものを紹介します。

コードがわかりづらくなる

カリー化を使用することで、関数の定義が複雑になります。元々は、単純な複数の引数を持つ関数が、カリー化を使用した形で定義されることになります。このため、その関数を使用するためには、カリー化を理解する必要があります。しかし、カリー化は一般的ではないため、カリー化を使用した関数を理解し難いときもあり、コードがわかりづらくなることがあります。

デバッグが難しくなる

カリー化を使用することで、関数の定義が複雑になるため、デバッグが難しくなる可能性があります。例えば、カリー化を使用した関数でエラーが発生した場合、そのエラーが発生した箇所を特定するのは困難である可能性があります。例えば上記の例ですとadd10は関数ではないと誤解してしまい、println(add10)としてしまう恐れがあります。

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