nothing missing Nan Inf
Juliaには、特殊な値を表すためにいくつかの組み込み定数が用意されています。
- nothing: この定数は、値が存在しないことを示すものです。
- missing: この定数は、値が存在するが不明であることを示すものです。
- NaN: この定数は、数値が不正であることを示すものです。例えば、0で割る演算や無限大の値を計算する演算では、この定数が返されます。
- Inf: この定数は、正の無限大を表すものです。負の無限大は、-Infと表現します。
以下は、これらの組み込み定数を使ったプログラムの例です。
# nothing
x = nothing
# missing
y = missing
# NaN
z = 0 / 0
# Inf
w = 1 / 0
println("x = $x")
println("y = $y")
println("z = $z")
println("w = $w")
x = nothing
y = missing
z = NaN
w = Inf
nothing と 未定義
notingは空を意味しますが、変数そのものは存在します。
未定義の場合変数そのものも存在しません。
以下は未定義の変数を使ってしまった場合です。エラーが発生します。
#変数abcは未定義
println(abc)
# UndefVarError: abc not defined
変数として予約したい場合などにnotingを使います。
判定
組込み定数nothing、missing、NaN、Infを判定するための組み込み関数が用意されています。それらの関数は、次のように使用します。
# nothing
isnothing(x)
# missing
ismissing(x)
# NaN
isnan(x)
# Inf
isinf(x)
xには、判定したい値を指定します。各関数は、指定された値がその組み込み定数の場合はtrueを、そうでない場合はfalseを返します。
以下は、これらの組み込み関数を使ったプログラムの例です。
# nothing
x = nothing
println(isnothing(x)) # true
# missing
y = missing
println(ismissing(y)) # true
# NaN
z = 0 / 0
println(isnan(z)) # true
# Inf
w = 1 / 0
println(isinf(w)) # true
このプログラムを実行すると、次のようになります。
# 出力
true
true
true
true
組み込み定数を使用することで、値が特殊な値であるかどうかを判定することができます。