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AVD(Android Virtual Device)内のChromeブラウザのVersionを上げる方法

Last updated at Posted at 2022-12-22

はじめに

AVD内のChromeバージョンを上げる方法です。
実際に実践した上で、意外と苦労することが多かったのでその内容をこちらに記載します。

経緯

業務でスマートフォン用サイトページを作成するにあたり、古いAndroid OSで検証を行う必要がありました。
ただしデフォルトで入っているChromeバージョンだとJSの一部メソッドが対応していないためエラーとなってしまい、検証が行えないということがありました。
それを解決するためにAVD内のChromeバージョンを更新する必要がありました。
ただ筆者はiPhoneユーザのためGoogle Playなどが利用できず、少し面倒な手順で更新する必要がありました。

手元の環境

PC: MacBook Pro(13-inch)
OS: macOS Monterey(12.5.1)
Android Studio: Dolphin | 2021.3.1 Patch 1

手順

AVDの作成

Android Studioはすでにダウンロード済みの前提で進めます。

・もしダウンロードできていない場合はこちらからダウンロードしてください。
・またAVDを使用するにあたり、最初にプロジェクトを作成する必要があります。もしまだ作っていないという方はこちらの「このプロジェクトを作成するにあたって必要なプログラム群をインストールするよ、という確認画面が表示。Finishをプッシュ。」まで実施してください。

こちらはAndroid Studioで操作します。

Virtual Device Managerを起動

Android Studioを起動すると下記画面が表示されます。
右上にあるGet from VCSの右にある縦向きの3点リーダのような部分をクリックします。
いくつかメニューが表示されるので、その中の一番下にあるVirtual Device Managerを選択します。
スクリーンショット 2022-12-11 23.23.10.png

端末を選択

Device Managerが表示されたら、左上にあるCreate deviceを選択します。
スクリーンショット 2022-12-12 0.18.21.png

作成可能なデバイスが一覧として表示されますので、好きなデバイスを選択してNextを押してください。
今回はPixel 5で作ってみます。
スクリーンショット 2022-12-11 23.33.02.png

OSのバージョンを選択

デバイスを選択したら、使用したいOSバージョンを選択してNextを押してください。
今回はAndroid10(Q)を使用します。
スクリーンショット 2022-12-12 0.40.11.png

もし添付画像のようにダウンロードが必要な場合は赤枠部分をクリックしてダウンロードしていただければ大丈夫です。
スクリーンショット 2022-12-12 0.20.46.png

ダウンロードを押すとInstallerが動きますので、完了になるまで待機してください。
スクリーンショット 2022-12-12 0.21.44.png

AVD完成!

最終確認が表示されるので、名前を変えたい方はAVD Nameを好きに変えていただいてOKです。
問題がなければFinishを選択してください。
スクリーンショット 2022-12-12 0.41.07.png

作成したAVD

Device: Pixel 5 API 29
OS: Android10(Q)
スクリーンショット 2022-12-12 0.42.44.png

作成したAVDにデフォルトで入っているChromeのversionを確認する

実際に作成したAVDのChromeのversionがいくつなのか確認してみます。
作成したAVDの再生ボタンをタップするとAVDを起動することができます。
スクリーンショット 2022-12-12 0.44.09.png

起動するとこのようにデバイス画面が表示されます。
スクリーンショット 2022-12-12 0.46.54.png

実際にChromeを起動してversionを見てみます。
右上の縦向きの3点リーダのような部分をタップしてSettingsを選択してください。
スクリーンショット 2022-12-12 0.52.02.pngスクリーンショット 2022-12-12 0.52.39.png

下の方にAbout Chromeという部分があるので、そちらをタップしてみてください。
スクリーンショット 2022-12-12 0.57.27.png

Chromeのデフォルトversion

Version: 74.0.3729.185
スクリーンショット 2022-09-16 21.10.05.png

.apkファイルの取得

こちらはお手持ちのパソコン(ここではMacBook Pro)で操作します。

まず最初に、取得したいバージョンのChromeアプリの.apkファイルを取得する必要があります。
.apkとはAndroid Application Packageの略で、一言で言うとGoogle Playからダウンロードできるアプリケーションデータだと思っていただけるとわかりやすいかと思います。

Google Play以外から.apkファイルを取得する

普通であればGoogle Playから.apkファイルを取得するのが一番簡単なのですが、上でも述べたように筆者はiPhoneユーザである関係でGoogle Playにログインすることができません。
Google Playからアプリケーションを取得したい場合は一度ログインする必要があり、これが実現できないので諦めるしかないという状態です。(Androidユーザの方は自前のアカウントを使用してログインすれば取得できるはずです。)
ただこの.apkファイルはGoogle Play以外のサイトからも取得することができます。
なので今回はログイン等が不要なAPKMirrorというサイトから取得してみようと思います。

Google Chromeアプリケーションを探す

APKMirrorにアクセスすると下記のような画面が表示されます。
右上にある検索欄からgoogle chromeと入力して検索します。
スクリーンショット 2022-12-05 20.45.50.png

該当するファイルを選択

検索を実施すると下記のような検索画面が表示されます。
この中からGoogle Chrome: Fast & Secureとなっているものを選択してください。
スクリーンショット 2022-12-05 20.46.51.png

作成したAVDに合う.apkファイルを選択

遷移先画面の少し下にDownloadという項目があり、たくさんのバージョンが存在しています。
ここから.apkファイルをダウンロードするのですが、どれをダウンロードすれば良いのかわかりにくいです。
見極めとしては以下を満たすものであれば大丈夫です。

  • Variant: APKとなっているものを選択
  • Architecture: 作成したAVDのOSのABIと同じものを選択(今回はAndroid10(Q)がx86となっているのでそちらを選択)
    • 基本的にはx86, x86_64のいずれかなのでそちらを選んでいただければ大丈夫です。
    • 確認方法としては作成したAVDにてAndroid10.0 Google APIs | の後ろにx86とついているので、ここを見ればOKです。
  • Minimum Version: 作成したAVDのOSよりも下のバージョンがカバーされているものを選択(今回はAndroid10(Q)が担保されていればOK)

今回であれば赤枠のファイルが良さそうなのでこちらを選択します。

  • Variant: APKとなっている
  • Architecture: 作成したAVDのOSのABIを含んでいるx86 + x86_64
  • Minimum Version: 作成したAVDのOS(Android10(Q))が担保しているAndroid 7.0+
    スクリーンショット 2022-12-05 20.47.45.png

ファイルのダウンロード

遷移先画面にてDOWNLOAD APKというボタンが存在するので、こちらをタップして.apkファイルをダウンロードしてください。
スクリーンショット 2022-12-12 0.37.42.png

Chromeのversionを更新する

こちらはAndroid Studioで操作します。

.apkファイルのダウンロードが完了したら、実際にバージョンのアップデートを実施してみましょう。

.apkファイルをAVDに適用させる

上で作成したAVDを起動し、Finderで先ほどダウンロードした.apkファイルを表示させておいてください。
下のgifのようにFinderから対象の.apkファイルを選択し、ドラッグ&ドロップでAVDまで持っていってください。
うまくできればInstalling APK...と表示されて、.apkファイルのインストールが実施されます。
画面収録 2022-12-12 1.19.49.gif

適用されているか確認する

再度Chromeを起動して、バージョンが更新されているのか確認してみましょう。
作成したAVDにデフォルトで入っているChromeのversionを確認すると同じ手順で確認してみましょう。
スクリーンショット 2022-12-12 1.25.25.png

該当するファイルを選択で選択した.apkファイルのversionである108.0.5359.79が入っていますね!
これで完璧です!

余談:更新後に検索などを行うとクラッシュする・・・?

こちらはAndroid Studioで操作します。

無事にChromeのバージョン更新も実施できたのでこれで完璧だと言いたいのですが、実際に更新後Google検索などを実施してみましょう。
こちらのようなSomething went wrongと表示されて検索できない状態になることがあります。(ならない方はOK!)
もし途中でクラッシュしてしまい検索ができなくなったという方がいらっしゃったら、一度AVDを終了して設定を変更する必要があります。

AVDの設定を変更

対象AVDの編集ボタンを押下し、Show Advanced Settingsを選択してください。
スクリーンショット 2022-12-12 1.38.58.pngスクリーンショット 2022-12-12 1.40.23.png

下の方にスクロールするとEmulated Performanceという項目があります。
こちらの項目がもしQuick bootとなっている場合は、Cold bootに変更してみてください。
スクリーンショット 2022-12-12 1.42.50.pngスクリーンショット 2022-12-12 1.50.42.png

2つの違いに関して、Quick bootがスリープ状態に変更(iPhoneでいう電源ボタンを一度押して画面を暗くする)、Cold bootが電源を落とした状態に変更(iPhoneでいう電源ボタンを長押しして電源を落とす)とイメージしていただくとわかりやすそうです。
更新後に一度電源を落とすようにしましょうということですね。
Stack Overflowでも、Chromeの更新後にCold bootに設定して電源を一度落とすようにしないといけないという旨が記載されています。
スクリーンショット 2022-12-12 1.49.28.png

最後に

こちらで無事にAVDの更新ができたかと思います。
ぜひ活用していただき、より開発品質の向上に充てていただければ幸いです。

また余談:更新後に検索などを行うとクラッシュする・・・?の事象が今回一番解決するのに苦労した部分だったのですが、今回実施したDolphinだと発生しませんでした・・・。
以前使っていたChipmunkだと起こっていたので、もしかしたらバージョンアップと一緒に解決してくれたのかもしれないです。
ただDolphinでは絶対に起こらないという保証はないので、もし同様の事象が発生した場合は参考にしていただければ幸いです。

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