2024年1月より放送開始の「ダンジョン飯」。
1/24現在ではまだ3話しか放映されていないのにも関わらず、個人的には1、2話を観るだけ(約1時間)でマネージャーがチームを作るとき、あるいは再編するときに気をつけるべきことが詰まっていたので取り上げる。
キーとなるのは1話でパーティーの新規参入者として登場する「センシ」というドワーフ族のおっさん。彼がマネジメントを語る上でのキーマンとなっている。
ということで、彼を中心にパーティ(チーム)の再編時のマネジメントについて語ってみよう。
※アニメのネタバレが間接的に含まれているので嫌いな方は読まずに閉じてください。
空気を読まない
センシは空気を読まない。基本的に自分の欲望(調理)に忠実である。しかしながら知識は豊富だし、欲望を叶えるためには様々な方法で仲間と協力するし仲間を利用する。そのおかげでなんだかんだあっても素晴らしいダンジョン飯が出来上がる。
新しいチームのマネージャーも同じである。
マネージャーが変に空気を読んでしまうと、それが「チームの当たり前」になっていく。だから、マネージャーは基本的に空気を読まず思ったことや考えたこと、感じたことをストレートに伝えた方が良い。
プロダクトを成功させる、デリバリー速度を改善する、品質を向上させるなどなどマネージャーに与えられた目標は色々あるだろうが、それらを明確にチームに開示する必要がある。
何を達成ために何をやってもらうかということも大っぴらに会話して意識を共有する必要がある。
全ては美味しい飯にありつくために。ダンジョン飯。
役割を良い感じにする
2話でのセンシとチルチャックとのやり取りのとおり、チームには役割や権限、そして個人のパーソナルな範囲というものが存在する。
それには長い人生の道程で身についた当人の性格や経験に基づくものかもしれない。その場合は絶対に否定してはいけない。心理学の世界では性格はそう簡単に変えられない(他人のテコ入れ程度ではほぼ変わらない)と言われているので、ここで争っても意味がない。ダンジョン飯でもチルチャックが諦めているというかセンシの性格を受け入れている。その上で条件や守るべきことを共有し、お互いの認識共有をしよう。
また、長く同じチームメンバーで固定されている組織は「コンフォート・ゾーン」を無意識に作ってることもあり、新しいことに挑戦する、新しい仕組みを取り入れるというのに否定的意見が出やすくなっている場合がある。
幸いライオスのパーティはセンシが加入してもあまり役割が被ることがなくぶつかり合う場面が少ない。現実のチーム再編の際はこのあたりについて被りそうな部分あるいは被ってしまったと認識した部分は、当事者間またはチーム全体で素早く話し合いをして境界線を明確に作るのも良いかもしれない。
もちろん、境界線を承知の上で超える場面もあると思うので、その際は相手の領域侵犯の非礼を詫びるくらいの態度は示そう。(これについては次の章で詳細に述べる)
さらに、チームの人が増えたり減ったりすると新しい役割も発生する。これについても既知の部分の共有や作業の引き継ぎ、未知の部分の洗い出しや責任の所在の確認などをチームで行い、役割に対する新たな役割分担を作成していこう。
あとはお互いを信頼し、役割をこなすだけだ。煮えたぎった油を受けきったセンシのように。センシに言われるがまま料理に協力するチルチャックのように。チームが協力すればより良い仕事ができる。人も飯も変わらないのだ。ダンジョン飯。
相手を褒める・尊重する・感謝する
こちらも2話から。
マルシルが提案するマンドレイクの取り方は教科書通りのやり方であったが、近くに犬はいない、効率が悪いという感じに実践する前にチームに否定されている。
逆にセンシは長年の経験と実践的手法に従ってマンドレイクの収穫に成功している。
その後マルシルの(役に立ちたいという気持ちゆえの)暴走により叫びまくったマンドレイクを収穫できた際には、
実は叫ばせたほうがマンドレイクの味はまろやかになるということが判明した。
以上のように、チームでの活動には実践と知識のバランスが重要だ。どちらが良い・悪いというわけではなく、どちらの意見も尊重した上で知識なら実践を、実践なら検証をというふうに次のプロセスを検討しよう。
ライオスも劇中で言っていたように、メンバーには得手不得手が存在するのが常なので、それぞれの得意が良い感じに噛み合うようにするのもマネジメントの手法の1つである。
そして、新しい発見があったり助けられたりしたら「褒める」「感謝する」行動を取ろう。センシもしっかりとマルシルに対して言葉で感謝の意を述べている。これもまた重要。
「いただきます」「ごちそうさまでした」。人も飯も、感謝の言葉から始まり、感謝の言葉で終わる。ダンジョン飯。
最後に、ダンジョン飯はとてもマネジメントの勉強になるのだが、逆にバーンブレイバーンは話を聞かない部下をどうやって正しい方向に仕事させるかという方法を学ぶのに良いので、ぜひこちらも視聴していただきたい。