この記事はAtlassian Advent Calendar 2012 の9日目です。
ここ半年ほど、機会があってAtlassianのJIRA Ondemandを利用しています。10人以下だと 10$/月で、更にGreenhopperやbonfireといった付加サービスも +10$/月で利用できます。
Webシステムの開発でGreenhopperとBonfireを利用して、特にBonfireがものすごく便利だったので、今回紹介したいと思います。
Bonfire
BonfireはAtlassianが提供しているブラウザプラグインで、Webブラウザから簡単にJIRAのIssueを作成する機能を提供します。Firefox, Chrome, IE, Safari用のプラグインが提供されており、特にクロスブラウザのテストなどで威力を発揮します。
Webのテストでは、ブラウザ間に微妙に異なる挙動のせいでたとえばIEだけ見た目がずれたりIEだけ表示されなかったりIEだけ(略)といったケースがあると思います。そしてそれを開発チームに伝えるために実施手順はもちろん、画面キャプチャや実行環境を伝えることも欠かせません。
JIRAからIssueを登録するときにこれらの情報を登録しようとすると、ファイルアップロードを行ったり、ブラウザバージョンや実施OSといったカスタムフィールドに情報を書いたりと、とかく煩雑になりがちです。Bonfireはそれらを本当に簡単にしてくれるツールなのです。
主な機能は下記の通りです。
- Issueテンプレート機能
- 画面キャプチャ機能
- 画面キャプチャ加工機能
- 環境情報登録機能
Issueテンプレート機能
Bonfireの基本的な操作は、
- テスト対象のサイトをブラウズ(テストシナリオの実施)
- 問題のあるページを見つけたら、Bonfireアイコンをクリック
- 画面キャプチャ、環境情報が自動で添付されるので、必要事項を記入してIssueを起票。
となります。
Issueを起票する際、BonfireではIssueのテンプレートを作成して、入力項目を絞ったり、デフォルト値を入力しておくことができます。分かりやすい例としては、Issue登録先のプロジェクトの指定、Issue Typeの設定などが挙げられます。
また複数のテンプレートを登録して、切り替えて利用することも可能です。テストチームが複数の開発のテストを並行で実施している場合などに便利でしょう。
JIRAと同じくテンプレートは共有、自分専用それぞれ作成できるので、ユーザー主導でどんどん改善していくことができます。
画面キャプチャ加工機能
画面キャプチャは複数枚取得することも可能(アイコンをクリックするだけ)ですが、更に画面キャプチャの簡易加工機能も備えています。
とあるテキストボックスの表示がおかしい、エラーが正しく表示されない・・・といった時に、具体的にどの要素が問題なのかを明示することができます。MacのSkitchのような機能です。
また、画面キャプチャ機能は、最近のバージョンアップで、ブラウザ画面のキャプチャだけではなく、クリップボードからのペーストにも対応しました。これにより、任意のアプリケーションの画面を添付することが可能になりました。
そのため例えばDBの値を貼り付けたり、ログを貼り付けたりといった「ブラウザ画面以外」の情報も任意で貼り付けられるようになったのです。ブラウザのテストをしているときにブラウザをテストツールとして利用できるのは、やってみるとわかりますが本当にスムーズです。
環境情報登録機能
BonfireはIssueを作成する際に、問題があったURLやブラウザ、OSのバージョンなどの情報を一緒に登録します。
これはBonfireを導入すると追加されるフィールドなので、自分でカスタムフィールドを準備する必要はありません。
環境情報を入力するのはテスターにとっては苦痛以外の何者でもありませんが、開発者にとっては重要な情報です。Bonfireはそれを自動化して支援します。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
JIRA Ondemandだと、付加サービスを追加した場合は1ヶ月間の無料期間があります。僕もちょっと便利そうだから使ってみようか、というのがきっかけだったのですが、テストのワークフローを変えるくらいの衝撃がありました。
一番良かったのはテストチームと開発チームの認識相違が格段に少なくなることです。また、テンプレートのおかげでIssueの起票ミスも少なくなります。
Bonfireを入れると、もう一ついいことがあって、Test Sessionが使えるようになります。Test Sessionについては、また別の機会に紹介したいと思います。