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Postman Flowsを使って外部公開のAPIを作成する

Last updated at Posted at 2023-12-24

はじめに

Postman FlowsはGUIを使ってノーコードでAPIの呼び出しフローを作成するサービスです。
Momento会 #8にて Momento Topicに入ってきたデータをTiDBに保存する際の保存APIの構築にFlowsを使ってみたので、利用時のTipsなどを書いて見たいと思います。

実装内容

  • Momento Topicsで配信されたJSONをTiDBに保存する。
    • Momentoからはwebhookを使い配信時にAPIをコールする
    • TiDBへの保存は、TiDB側で用意したAPIが存在するのでそれをコール

要はMomento Topicsのイベントで起動される Lambda + API Gatewayのようなものですが、単に来たJSONを左から右に流すだけですし、入り口も出口もREST APIなのでPostmanを使うと一元的に管理できたりテストできてよさそうです。

準備 - 送信元APIをPostmanのcollectionとして取り込む

送信先のAPI定義の取り込み

送信先のAPIをPostman側にImportしておくと、Postmanの変数定義が利用できて加工が柔軟になります(後述)。ここでは、TiDBのAPI定義を読み込みます。(TiDB側でのAPI作成についてはここでは割愛します)

このような定義になっていますが、この定義をOpenAPI形式のJSONファイルで取得できます。
image.png

これをImportすることで、自分のワークスペースにCollectionsとして取り込むことができます。
image.png

送信先APIの各種パラメーターを変数化する

APIコール時に設定するrequest parameterやbody、認証情報などを変数にしておきます。
今回の呼び出し先のAPIはrequest parameterはなし、bodyのみ。認証情報はダイジェスト認証となっています。

まず認証情報を設定します。認証情報はCollectionsのトップレベルで設定します。ここでは {{PUBLIC_KEY}} {{PRIVATE_KEY}}で設定します。 Postmanでは変数は {{変数名}} で設定します。この変数はFlowsの中はもちろん、様々な方法で設定することができます。詳細はPostman川崎さんの徹底解説 をご覧ください。

image.png

Bodyについても変数を使って定義します。今回は送信元とJSONの形は一緒なので、送信元から来たJSONをそのまま設定することにして、全部変数にしています。個別APIのbodyタブで、rawを選択して {{rate_json}}と入力しています。

image.png

ここまでできたら、SAVEしておきます。

環境変数を設定する

さて先ほど定義した3つの変数 {{PUBLIC_KEY}} {{PRIVATE_KEY}} {{rate_json}}を環境変数で設定します。環境はAPIテスト用のTESTと本番用のPRODを作成します。TESTでは{{rate_json}}にJSON文字列をセットしますが、PRODではこれは呼び出し元のbodyをセットしますので不要です。

image.png

作成した後SAVEするのを忘れずに

環境変数ができたら、環境を指定してAPIのテストを実行してみます。API画面の右上に環境選択ドロップダウンがあります。ここで環境を選択します。
image.png

あとは実行するだけです。正しくheaderやbodyが設定できているか、consoleでチェックしましょう。
環境変数が正しく設定されているかは、環境選択ドロップダウンの隣のEnvironment Quick Look で確認できます。
image.png
@nagix さんから教えていただきました。

Flowsの作成

API呼び出しの設定

Flowsで新規作成を行って、Startの直後でAPI呼び出しを追加します。API呼び出しのドロップダウンからCollectionsのAPIが選択できるので、先に作成したrate_jpnを指定します。
自動的にbodyの変数定義を認識して、変数として表示してくれます。このとき、環境が選べるのでPRODを選択します。

image.png

jsonの変換

呼び出し元のMomentoが渡すbodyのjson定義は下記のようになっているので、ここからtextのjsonを抜き出してrate_jsonに設定すればよいのですが・・・

{
  "cache": "momento-exchange",
  "topic": "rate",
  "event_timestamp": 1703245656262,
  "publish_timestamp": 1703245656262,
  "topic_sequence_number": 418,
  "token_id": "",
  "text": "{\"best_bid\":6594882,\"best_ask\":6598048,\"orig_timestamp\":\"2023-12-22T11:47:36.1833839Z\",\"timestamp\":\"2023-12-22T11:47:36.250Z\"}"
}

ここでちょっと問題発生です。意図的なのかどうか分かりませんが、Momentoが送ってくるJSONはテキストとして解釈されているようです。恐らくリクエストヘッダのContent-Type指定がないからだと思うのですが、デバッグでちょっと困りました。
テキストで渡ってくるbodyをJSONにしなければなりません。このような処理をするためにPostman FlowsではEvaluateブロックを用意しています。

このブロックの中ではFQLという簡易言語で式を記述することができます。ここでは入力をJSONにする式を書きましょう。

  1. rate_jsonの左から線をドラッグして、Evaluateブロックを選択し、Evaluateブロックの入力にStartを接続します。
  2. Evaluateブロックに変数inputを設定します。pathは空で構いません。これでbody全部がinput変数にセットされます。
  3. FQL式を記載します。$jsonParse(input) です。
    image.png
  4. rate_json側に戻って、rate_jsonにtextを設定します。

これでOKです。

テスト

デバッグの為にStartやAPIコールのErrorにLogを設定します。Logに渡した入力はinputに出力されます。
全体のフローは下図のようになります。

image.png

左下にあるWebhook URLPreviewを押して、APIのテスト画面を開きます。Bodyにテスト用のJSONを設定して実行してみます。
image.png

Flowsの画面上からも実行結果が確認できます。
image.png

また、コンソールにAPIコールとLOGの内容が出ているのも確認できます。
image.png

Publish

動作に問題なければWebhook URLの下にあるPublishを押せばそのURLでデプロイされます。外部から叩いて確認してみましょう。

まとめ

Postman Flowsを使うとデータ変換を伴うAPI呼び出しの連携をノーコードで作ることができます。また、Postmanプラットフォームで連携されているのでAPIテストと同様の変数が利用できるのも利便性が高いです。
今回は簡単な例でしたが、複雑な変換などもブロックやFQLで記述できるので、APIの連携開発に有効そうです。

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