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fx-4850Pをレビュー 初代Basic Like(笑)を使ってみる!

Last updated at Posted at 2025-05-09

はじめに

こんにちは、電卓爆買い中(?)ことbockringです。

今回、3台まとめて購入しました。

  • fx-4850P ←今回はこれ!
  • fx-115ES Plus 2nd Edition
  • F-789SG

この3機種をレビューしつつ、おすすめ電卓の記事も書いている、なかなかカオスな状態です。

ここでネタバレしちゃうのも何とも変な感じですが、下の画像の状態になっています。

IMG_0074.jpeg

まずはプログラム電卓fx-4850Pからレビューしていきます。
なお、中古です。 ←最近、中古を買うことが多いなぁ

fx-4850P

プログラマブル関数電卓の現行機種の1つ前のモデルです。

fx-4000Pシリーズに属し、fx-4800Pとfx-4850Pはマイナーチェンジレベルの差です。

  • 基本計算(複素数OK)
  • 1変数統計
  • 2変数統計(直線回帰計算)
  • n進・論理演算
  • 漸化式
  • プログラム

案外機能数は控えめですが、漸化式機能が特徴ってところでしょうか。この電卓で困ることはそうそうないと思います。

演算速度も十分というレビューが多いので、期待です(EL−566Eとどちらが使いやすいかが焦点です)。

プログラムの章の画像で確認していただきたいのですが、画面右上に28KBを印字されています。これはやはり、プログラム関数電卓として2006年発売当初は相当大容量だったことを示すのかなと、考えられるのです。(実際、基本モデルのfx-4800Pは4.5KBだったようです) 2011年(?)発売のSHARP EL-566Eですら(簡易プログラム機能であるにせよ)640STEPであったのですから、その差は歴然です。

まずは基本のレビュー

使い心地からレビューしていきます。どうしてもキーのクリック感の弱さが気になります。私が単純にクリック感のあるものが好きというのもありますが、**クリック感がないとちゃんと押せているか不安)になるんですよね。

そして仕方のないことですがソフトウェアメニューというのも少し使いにくい要因かと思います。しかし少ないキーで多くの関数を使えるようにする必要がありますから、ここは我慢です。そもそも数字入力で選べるタイプなので、案外マシなものです。fx-JP500/700/900CWとは比べ物にならないくらい使いやすい代物です。

速度は十分に速いかと思います。一応下の定積分(「電卓喫茶」さんで紹介されていたもの)を解かせたところ、fx-JP900, TI-36X Pro, そしてほんの少し間をおいてfx-4850Pの順にゴールインしました。fx-115ES Plus 2nd Edition(fx-375ES Aと同系統)よりはかなり速くゴールインしていました。SHARP機とは比べてはいけないレベルです。

$\int_{0}^{10^2}{x(sin(x)+cos(x)+1)}$

あと、CALC機能とSOLVE機能が少し古いことも触れるべきでしょうか。独立数式記憶枠に数式を保存(IN)してからの使用になります。

速度は意外にも苦にならないレベルでした。とはいえ、最速のスタンダード関数電卓達(fx-JP900CW, fx-JP900, TI-36X Pro)を使ってきたせいで若干遅く感じてしまうのはなぜでしょうか(自明)。

あと地味に初めて大画面のライン表示電卓を使いましたが、案外楽ですね。カーソル操作がいらないだけで、素晴らしい。

微分は中心差分法、積分は不明です。が、ガウス・クロンウッド法ではないでしょう。多分シンプソン法です。どちらも桁数精度は悪く、特に後者は精度g出にくい点は注意です。

そうそう、[STO]と[RCL]がそれぞれで独立している点は賞賛すべき点です。戻してくれよ、CASIOさん。そのためだったら[ENG]キーが裏に回っても黙っておくからさぁ。

Basic-Like(笑) 第1世代

どうやらCASIO Basic-Like(通称「CASIO Basic」)には世代が2つあるようです。どちらもキーストローク言語ですが、第2世代の方が読みやすさの向上と多様なコマンドの追加がされているみたいで、fx-CG50に搭載されているCASIO Basicが第2世代みたいです。しかし、今回は第1世代をレビューしていきます。

説明書を読み、実践し、何とか言語の使い方は理解できましたから紹介していきます。

PARA-RES(合成抵抗)

まずは僕にとって定番の合成抵抗の計算プログラムから。

COMPモードで実行します。

PARA-RES :CO
"N OF RES"↵
{N}↵
N=2⇒Goto 2◺↵
N=3⇒Goto 3◺↵
Goto E
Lbl 2↵
R=AB/(A+B)↵
Lbl 3↵
R=ABC/(AB+BC+CA)↵
Goto 0↵
Lbl E↵
"ERROR!"↵
Goto 1↵
Lbl 0↵
Cls↵
"PARALLEL RES"↵
" "↵
"R="↵
R↵
Lbl 1

これを実行すると、最初に抵抗の本数(2 or 3)を問われます。そこで入力し、それぞれのモードにジャンプします。モードが適切でない時はERROR!と表示して終了します。

ここで感じたのが、EL-566Eよりは使いにくいけど便利ではあることです。ジャンプを何度も使えるということは複雑なものが作れるということです。EL-566EのAERに求めることではないですが…

MONTE CAR(円周率の算出)

$\pi$を求めます。

乱数の精度が気になりますが… 乱数のランダム性は微妙かなってところです。

そのうえモンテカルロ法で算出するので精度は全くもって期待できません。あと時間がかかります。

MONTE CAR :CO
"MONTE CARLO"↵
"    CALCULATE π"↵
{N}:P=N↵
Cls↵
"CALCULATING..."↵
A=1↵
D=0↵
E=1↵
Lbl 1↵
B=2*Ran#-1↵
C=2*Ran#-1↵
(B^2+C^2)≦1⇒D=D+1◺↵
Dsz N:N>0⇒Goto 1◺↵
Cls↵
"DONE."
"π="↵
4*D/P

こちらは開始するとサンプル数の入力を求められます。今回は1000でいきます。これでも十分時間がかかります。

算出結果は3.116でした。ズレズレです。まぁでも動作していることは確認できました。

2回目も計算してみました。先ほどと同じくN=1000ですが、精度はマシでした。

IMG_0085.jpeg

この次は頑張って怒涛のN=60000で実行しました。大体75分でした(電池は新品を使用)。長い… 800Calc/mという結果です。うーん、早いのか遅いのか、よくわからないですね…

IMG_0086.jpeg

さっきと精度も変わってないですね… 前者が0.01440734641、後者が0.01172598692だけ実際の値とずれています。サンプル数が多い分後者の方がマシですが… 2度と実行したくありません。 懲りずにN=100000でも実行しました。大体110分でゴールインです。結果は3.12692で、差は0.01467265359でした。変わっとらんやん…

このプログラムだと、毎分800~900ループ程度の実行速度になるようです。


そして、100000回の演算を終えた地点でこの表示が。
 **Low battery!!**
あれま。でもそりゃそうか。それなりに高性能なCPUで、高速処理を実行し、プログラムのループを少なくとも165000回は実行したのですから、電池が無くなるのも無理はないです。あれ、昨日(5/8)に受け取って、新品の電池入れたばっかりじゃね…?

電池寿命もまぁ十分長いかな、と思います。でもCR2032駆動っていうのは…コスパが悪いようにも思えます(メモリ保護用電池は交換時期を多少早めることを覚悟してCR2025で代用してもいいかと思います)


このプログラムが作れたので、CASIO Basic(第1世代)はある程度マスターできたと思います。第2世代のは私には理解不能でしたが、第1世代の方は電卓で動かしていることを考えれば十分に良い言語かと思います。まぁ、使いやすいかと。

CASIO Basic総括

電卓で走らせる言語としては十分に扱いやすく、高度な機能も手軽に作れるかな、っていう印象です。

しかし、GetKeyが使えないのは痛いと思います。入力は任意入力しかできないのが問題です。

でも、絶対にBASICではありません。またBasic-Likeでもありません。似ているわけがないでしょう、この言語が。

あと、条件ジャンプ(分岐)行の最後にの記号を入れ忘れると、嘘みたいに正常動作しなくなります。

長すぎて途中中断する場合はACを押せば直ちに中断できます。半押しとかによる誤爆回避機能はないみたいです。

その他機能をレビュー

この電卓はライン表示電卓ですから、少し操作が難しいです。

COMP

COMPUTEの略語です。通常の数学計算に加えて、複素数計算もできます。ですが、$e^{\pi i}=1$とかは計算できません。あくまで複素数計算は四則演算のみってところです。

BASE-N

n進演算です。相互変換はFUNCTIONキーから毎回切り替える必要があるので、多少面倒です。

論理演算もできますが、これもソフトウェアメニューないなので… まぁでもないよりかは便利です。

SD

Standard Deviation(標準偏差)の頭文字をとった略語です。

ライン表示電卓の統計機能は使いやすく感じます。統計値はソフトウェアメニューから呼び出します。

LR

Line Regression(直線回帰)の頭文字をとった略語です。

2次回帰(Quad)や対数回帰(log)、指数回帰(EXP)などは使用できない点は残念かなと思います。使えたら便利なんですけどねぇ…

an

厳密には$a_{n}$と表示されています。

漸化式機能です。単純な数列($a_{n}=$)に加えて、2項間漸化式($a_{n+1}=$)が利用できます。一般項あるいは漸化式を入力し、nの値を入力することで、そのnにおける数列の項とそこまでの和が表示されます。

おわりに

今回はfx-4850Pをレビューしてきました。やはり古いのか、機能不足を感じました。今買うなら、もちろんfx-5800Pを買うべきですが、個人的には満足のいく機種でした。

fx-5800P、買っちゃおうかなぁ…
といってもfx-5800Pの高速化も僅かだからなぁ…
(↑これに関しては本当で、e-Gadgetさんの記事で速度比較されていますが微々たる差です。逆にいえば、fx-4850P(とfx-4800P)が十分に高速化されたモデルであることを意味します。)
でも速度以前に数学自然表示と、特に機能追加(前者は正直どっちでもいい)は欲しいんだよなぁ(回帰計算の機能向上とか)

それではまた〜

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