はじめに
こんにちは、劣化モバイルバッテリー所有中のbockringです。
前回の記事で容量チェックをしたら40%程まで劣化していて、よく見たらバッテリーが膨らんでいるのかケースがほんの少しだけ曲がり、浮いていました。
前回の記事も併せてご覧ください(当該章が開きます)。
ということでバッテリーセルはリサイクル確定なので完全放電の後、分解していきます。基板は充放電の管理基板として使用します。これこそ3R。
充電池(特にLi-ion)を含む製品の分解は必ず完全放電してからにしましょう。なお分解の際も金属系のヘラは使ってはいけません。セルに傷を付けてしまったら最悪の場合火事コースです。
モバイルバッテリーの完全放電は、時間がかかりますが1A以下(500mA程度を推奨)でゆっくりセルへの影響を最小に抑えつつ放電を行いましょう。
私は約0.6Aで放電が可能な放電装置(USBのVBUSとGNDに10W16Ωのセメント抵抗を2個並列に接続(20W8Ω)したものを使用しました。
なお、バッテリーは本来膨張しているものは回収対象外ですが、初期段階なので膨張していないということにして(おい)、衝撃にも耐えられるよう丁寧に緩衝材を用いて梱包してリサイクルボックスに入れておきました。
ちなみに、膨張度合いは
「軽く押したらちょっとペコペコするし空気層があるなぁ」
といった程度です。
仕様
モバイルバッテリーの仕様です。新品での公称仕様はこちらです。
項目 | 仕様 |
---|---|
セル容量 | 13800mAh |
出力 | 5V2A |
入力 | 5V2A |
と、なんとも無難な雰囲気ですが、劣化の影響で以下のようになっています。(また後でも言いますが13800mAhは詐欺です。実際は10000mAhでした。)
項目 | 詳細 |
---|---|
セル容量 | 5200mAh |
出力 | 5V1A |
入力 | 5V2A |
※セル容量は内部の昇圧効率を75%として計算しています。
と、出力が1Aに制限される程には劣化しているのに充電は2Aという劣化推進設計(?)になっています。おそらくこの充電スピードがセルに負荷をかけていたのでしょう。出力を1Aに制限していただけマシと考えた方が良さそうです。Amazonの安いやつを5年使っていましたし。
分解
事故だけには気を付けて
分解していきます。
分解は完全放電してからです。何があっても放電しきってください。過放電でも良いです。絶対に完全放電してください。
超大事なので3回言いました。
注意点など
用意するものは
・ナイロンスパッジャ(樹脂製のヘラ)
・無水エタノール(又はIPA)
・静電防止作業マット
・絶縁テープ(ビニールテープなど・幅15mm程度推奨)
は最低限必要です。機種によっては
・ニッパ
・半田ごて
なども必要です。使用の機器に合わせてご用意ください。
金属ヘラは使ってはいけません。内部回路のショートやセルの損傷に繋がる可能性があります。
あなたがプロだっていうならなんでも好きな方法でどうぞ(というか我流でどうぞ)。
分解開始
バッテリー分解の時に定期的に写真を撮るなんてできません(でした)。セルを外し、基板を外し、ついでにUSB-Aの端子も取りました。
ここで悲報(?)。分かってはいましたが容量詐欺していました。表示値13800mAhのところ、中には1セルあたり5000mAhのLi-Poバッテリーが2セル並列になっていました。初期状態でも10000mAhですね。
だとしても劣化率50%だから捨てるには変わりないのですが。
基板はこんな感じです。
単純に充放電管理ICや残量処理用のマイコン、入出力のインターフェース、そして昇圧回路などが載ってるだけです。
とはいえ、基板のシルク印刷もあるので(普通だけど)、このまま流用できそうです。
VIN+/VIN- : 入力端子
B+/B- : バッテリー端子
V+/V- : 出力端子
です。そのままですね。充放電基板は規格上(というかセル初期状態)では2A引き出せていたのでまぁ普通に使えるでしょう。ストックします。
おわりに
充放電管理基板ゲットやったね!以上です。
必要になったらUSB-CやMicro USBも頂いていきます。別に専用の端子がそれぞれ存在しますし。
それではまた〜(これだけ?!)