はじめに
こんにちは。既にネタ切れことbockringです。
今更、でもない気がしますが、CASIOの高精細日本語表示関数電卓、fx-JP900CWをレビューしていきます。
この製品はCASIOが2023年9月21日から販売を開始した新作のモデルです。
製品ページはコチラ
CASIO fx-JP900CW
関数電卓界ではバケモノクラスに高画質な、そして性能もバケモノな関数電卓です。
既に使い倒しています、非常に便利なので是非お試しあれ。
あ、ちなみにCASIOにした理由は「CASIO画質良すぎっ」、そんだけです。
(日本語表示時→SHARP:2行 CASIO:4行)
既に開封し、使用開始している以上、自作自演レビューになってしまいます。その点はご了承ください。
とはいえ、梱包の丁寧さなどは分かるように梱包し直したり、気を付けてはいますので、参考になれば幸いです。
開封
それではまず箱をドーン。
※グリーンバック生成のため、画像の一部(カーソルキー・ソーラーパネル付近)にノイズが乗ってしまいました…
個人的には店頭で触って操作感を確かめることができないので紙パッケージはやめて欲しいですね(環境問題なので仕方ないですけどね…)。
開封すると、ビニール袋で梱包された関数電卓本体(そこはビニール梱包なんかいっ!)と保証書だけが入っていました。
「うわー取扱説明書紙じゃないんかぁ…」って思ってWebで取扱説明書を開いたら驚き(良い方の)。HTMLタイプでした!PDFのは読みにくいから嫌いなんですけどね。HTMLタイプのは項目を探しやすくて、Web版の強みを生かせているので割と好きです。
電源は太陽電池とコイン電池(LR44)の両用タイプです。電池は中国Golden Power製のLR44が入っていました。お試し電池ではなさそうです。長く使える(交換の必要がない)のでありがたいですね。(とは言え、初期電池はなんとなく使いたくないタチですので、Panasonicの物に交換しました。)
いざ起動!おぉ!「画面が綺麗!」これなら関数電卓初心者(1台目)の私でも使えそうです。
※この記事の画面の写真(GIF動画含む)は見やすいよう、背景を白く編集しています。
正直なところ画面だけでSHARPではなくCASIOを選んだので、良いですね。コントラストが低い気がしますが、これに関しては仕方ないですし、設定画面でしっかり変更できるので問題ないです。
上位モデルの関数電卓の特徴については、それぞれ
\ | CASIO | SHARP |
---|---|---|
画質 | ◯ | △ |
コントラスト | △ | ◯ |
性能 | ◯ | △ |
価格 | △ | ◯ |
となっています。それぞれに利点があります。買う際は調べてからにしましょう。
迷ったらこの2社から選んだ方が無難でしょう(作り込みが違います)。
設定についても見やすいと思います。
式と解の表示は
式入力 | 解出力 |
---|---|
教科書通り | 教科書通り |
教科書通り | ライン |
ライン | 教科書通り |
ライン | ライン |
の4種類です。
性能チェックなど
それでは軽く確認などをしていきましょう。
6/2(1+2)
この式は懐かしいですね。これは実行方式によって答えが変わるものです。
単純に左から右へ向かって実行すると
6/2(1+2)
=(6/2)*(1+2)
=3*3
=9
となりますが、括弧を含む式の順番に従うと、
6/2(1+2)
=6/{2*(1+2)}
=6/(2*3)
=6/6
=1
というようになります。これを実行すると、下のようになります。この動画は起動からのものです。
※これは合成動画です。画面表示は少し違う点がありますが、ご了承ください。
tan(355/226)
こちらはよく精度確認用で使われる式です。355/226
の演算精度がマチマチなためです。tan()
に渡す引数はRAD(ラジアン)モードである必要があります。ですので角度モードをRADに変更してから実行します。
通常の状態では角度モードはDEG(ディグリー)モードになっています。必ず変更してから実行しましょう。
ちなみに本来の解は
tan(355/226)
=-7497258.1853...
となります。結果としては、-7497258.185
となりました。ジャストですね。この関数電卓の仮数(表示桁数)は10桁ですので、表示範囲で正確な値が算出できていると思います。
前代のfx-JPシリーズでは誤差があったそうなので、進化していると言えますね。
2024.5/24追記
同じ計算をGoogle ColaborationのPython実行環境上で実行してみました。
from math import*
print(tan(355 / 226)) #式
ちなみに、Pythonでは標準でRAD(ラジアン)モードです。逆に、DEG(ディグリー)モードに変更したい場合はradians()
の引数に値を入れて実行する必要があります。そして、実行結果は…-7497258.179140373
でした。ズレてますね。
ベンチマーク
定番の積分の式を実行します。係数(私で言うなら2π
)は人によって4
だったりするようですが、基本構成は同じです。
実行時間は6.4秒
でした(ほぼ正確に測れる方法を使用しています)。
他サイト(関数電卓マニア」さん)では、前代のfx-JP500でこの式とほぼ同じもの(係数が2π
ではなく4
なだけ)が6秒
(小数点以下不明)と出ていましたので、計算速度はあまり差は無いのでしょう。その代わり精度が向上しているようですね(とは言え、演算速度は現状(投稿時点)最速のようです)。
とは言え、更に前のモデル(正確に計算できるものだと20秒半ば〜50秒程度らしい)よりかは爆速ですので、進化を感じますね。
参考ですが、サイトでは2.1秒
かかりました(実行デバイスによって数値は変動するかもしれません)。比べてはいけない気がしてきました。
積分実行サイト MathDf
(desmos関数電卓は積分非対応ですので、MathDFにしました。)
特殊機能紹介
ここではCASIOの関数電卓、ClassWizシリーズだからこそできる謎機能(←おい失礼だぞ)を紹介していきます。といっても「これ関数電卓に積むの?!」みたいな機能は1つでしたのでそれを紹介していきます。
表計算
結論から言うと、Excelのようなものです。そして、こう思う人もいると思います。
(・_・) {Excelで良いじゃん。)
でも慣れたらこちらの方が速く操作できます。操作数は多いかもですが、キーが少ないので、効率がいいです。また、数値しか扱えない(変数x
,y
などはその変数に格納されている値が自動的に代入されます)ため、単純なものにしか使えません。ですが、これが良いんですね。
機能が多いと探すのがめんどくさくなったりしますが、大丈夫です、表計算用の関数は4種類です。
MAX(*#,*#) ←最大値
MIN(*#,*#) ←最小値
AVG(*#,*#) ←平均値
SUM(*#,*#) ←総和値
といった、基本の計算しかできません。しかし、特殊関数の呼び出しが楽なんですね。ということでこれを使って遊んでみましょう。
表計算で乱数生成の精度をチェックしてみる
下の折りたたみをひらけば読めます。少し長いので、折りたたみにしました。
表計算で遊んでみる
ここでは、軽く乱数生成の精度をチェックしてみましょう。操作は以下の通りです。
・電源をONにする
・表計算モードにする
・TOOLS
から一括入力(数式)
を選択する
・数式欄にRanInt#(
を入力する(CATALOG
→確率
→整数乱数
)
・0
, SHIFT
, )
, 1
, )
の順に入力する
・範囲欄を選択する
・SHIFT
, 4
, 1
, CATALOG
, 表計算
, :
, SHIFT
, 1
, 2
, 5
の順に入力する
・カーソルキーでA27セルに移動する
・0
を入力する
・カーソルキーでA28セルに移動する
・SHIFT
, (
, 1
, 0
, 0
, -
, SHIFT
, 5
, 2
, 8
の順に入力する
・カーソルキーでB27セルに移動する
・1
を入力する
・カーソルキーでB28セルに移動する
・SHIFT
, (
, CATALOG
, 表計算
, 総和
, SHIFT
, 4
, 1
, CATALOG
, 表計算
, :
, SHIFT
, 1
, 2
, 5
, )
の順に入力する
のようにツラツラと説明しても良いですが、キーの押す順番(全て)はこちらを見てください。(左から右へ、そして上から下へ)
これだけです。最初はギョッとするかもしれませんが、慣れればスッとできます。CASIOのClassWiz又はClassWiz CWシリーズの最上位モデル(モデル番号にfx-JP900
が含まれるもの)をお持ちの方はお試しください(やったことが無いのなら)。
数値としては、A27セルとB27セルに入力した値(0、1)の割合がその下に出ている値です。
ちなみに、これを実行するとわかるのですが、かなり精度は低いですし、時間もかかります。
Arduinoの方が断然速いことが分かりまs(((消費電力が違いますし、プロセッサのスピードも違います。言及してはいけません。
ということでExcelでも同じ事を実行。「もうどうにでもなれ。」
※このGIF動画は重いです、読み込みに時間がかかります。
まとめ
結論としては「買い」です。関数の呼び出しの操作感は前代に劣るところが少々ありますが、それでもこのカーソルキーは使いやすいですし、明朝ではなくゴシックなのも良いです。値段は高いですが、使っていけばその価値を見出せると思います。迷っている方は買ってみてはいかがでしょうか。
「値段が全てじゃない、本質が重要だ」なんてよく言われますけど、結局は価格と品質・クオリティってある程度比例してきますよね。ってことで結局高いものばかり買ってしまいます…(テスターで言うなら共立電気計器のKEWMATE 2012RAとかもw)
これもまた少しハマりそうですね… 今度またSHARPのEL501T-X(標準タイプ)とか、CASIOのfx-290Aとか、買おうかな…(ちょっとレトロ風な奴を出していくスタイル)
それではまた今度の記事で会いましょう、それではまた〜