はじめに
ザ・ダークパターン ユーザーの心や行動をあざむくデザインという本で、「意思決定の科学」という章が面白かったので自分なりに解釈して共有です。
たった一行のマイクロコピーで、ユーザーの行動は大きく変わる
マイクロコピーとは、ボタンの文言やエラーメッセージ、完了メッセージなど、入力フォーム周りに置かれる細かい文言のことです。
たった一言の文言がユーザーの意思決定に重大な影響を与えた事例を紹介しています。
空いている宿泊施設を検索するフォーム
「Book a room」(部屋を予約する) という文言とともに日付を入力し、検索、としていたものを 「Check Availability」(空いている部屋を確認する) という文言に変更したところ、予約率は 17% 上がった
⇒ 空き部屋を検索しよう、という時点では、ユーザーの心はまだ「予約モード」になっていないので前者だと検索するのに躊躇してしまいます。
よりユーザーに寄り添った文言に変えたのが成功した事例です。
クレジットカードの入力フォーム
住所入力欄に「必ず請求先住所と紐づく住所を入力してください」という文言を足したところ、決済ミスが 10% 減少した
⇒ 入力フォームすべてに文言を足すのは難しいですが、特にミスが多そうな・実際多いところに配置するだけでユーザー体験は向上しそうです。
NetFlix の登録ボタン A/B テスト
NetFlix では、上記テストを随時行っており、新規会員登録ボタンの文言を「今すぐ登録する」「会員になる」など 10 種類にわたって変え、どの文言だとユーザーの登録率が一番上がるか?という調査をしているようです。
ユーザーに行動させたい、と思わせるマイクロコピー
面白いのは、コンピューターや、私たちが設計したインターフェースに対して、ユーザーは 「人間社会と同じような振る舞い」 を求めることにあることです。
つまり、インターフェースに沿えるマイクロコピーも ユーザーに寄り添った、誠実な文章 でなければユーザーは不快に思ってしまいます。
(命令文や体言止めのようなマイクロコピーはあまりよくないということですね)
最後に
本書は、アンチパターン(よくないデザイン)ではなく、嫌な広告に使われるダークパターン(ユーザーを騙すようなデザイン)を紹介しているので、広告ビジネス向けかもしれませんが、、、
興味があったら読んでみてください!