今回は「黒魔術からの防衛術」ということで、自分がいた黒魔術(ブラック)研究室について書きます。極力事実に基づいて書きますが、私怨が混ざっている箇所もあると思うのであしからず。
見てほしい人
- D進しようと思っている学生。
- 特に、D進したいけど迷っている学生。
要約
- 旧帝大、応用物理系の理論の研究室の話。
- B4のときに入って、M1の3月までD進しようと思っていた。
- しかし学振や奨学金返還免除を取るどころか論文が1つも出せなかったので、「自分は黒魔術にかけられているらしい」と気づいて、就職することにした。
自分が入った黒魔術研究室であったこと
古い言語や不自由なライブラリの使用を強制する
- シミュレーション業界ではfortranがスタンダード(これは悪くない)
- しかしいまだにFORTRANコード(全部大文字なのがミソ)がありがたく受け継がれてくることがある
- もちろんオブジェクト指向なんて誰も知らない
コード管理がガバガバ
- 研究室の多数の学生が研究に使う大規模コードのメンテナンスが、研究室OBの顔も見たことがないプログラマに任されている。(以前は契約でお金が流れていたらしい。今はコネでやってるのか契約でやってるのかは知らない。)
- OBだから教授は盲信しているが、ろくにテストもしないでリリースしていたり、とにかくガバガバ。
- バージョン管理もええ加減(git?何それ?)なので、以前に修正されたバグが再び復活していたりする。
- バグを報告すると「あなたが加えた修正が悪いんでしょう?」と文句をつける。
- そのバグを踏み抜いてデバッグに時間がかかると、学生が責められる。
指導もしないのにダメ出しはする
- 「文字が小さい」「図が汚い」と資料を一切見ない。
- 定期的に報告に来いとは言うが、建設的な議論ができないので段々モチベーションが下がりおっくうになる。
- なので、やっつけで資料を作って、つっぱねられてますますやる気がなくなる。
マネジメント能力が皆無
- 上述の状況に問題意識を持ってリファクタリングやツールの導入など改善の努力をしても、それは努力したとみなされない。
- 相談しても「それは大変ですね。それで?」で終わり。
- 他のスタッフや学生も見て見ぬふりで助けてくれない。
黒魔術に対する防衛策
基本的にサボる
- ろくに面倒を見てももらえないのに、自分だけ骨身削ってゴリゴリ努力しても報われない。
副業をする
- Pythonやってたら、就職で異世界に転生できた。
- 研究を極力サボるようにしたら時間ができたので、大型二輪免許を取った(副業?)。
まとめ
- プログラミングを扱う研究室≠情報系。アカデミアは極めて保守的なので、本業が情報でないのに最新の情報技術にキャッチアップしている人はごくまれ。
- 「研究者としてやっていくなら結局実力主義なんだし、教授がクソでも自分が能力があればいけるやろ」は無理。指導がちゃんとしてないと最悪死ぬ。よくて神経系の薬が手放せなくなる。
- アカデミアに残るだけが生きる道じゃない。「自分は研究職しかできない」と思ってる人でも、大学のほかにも道がある。