前の記事で ERC 1155 のマルチトークンの扱い方が分かったが、opensea でどう表示され、相性はどうなっているかを調査してみました。

デプロイした内容

画像ファイル・metadata ファイル

この辺は、pinata を使って ipfs にアップロードしておきました

コントラクト内容

// SPDX-License-Identifier: MIT
pragma solidity ^0.8.9;

import "@openzeppelin/contracts@4.8.0/token/ERC1155/ERC1155.sol";
import "@openzeppelin/contracts@4.8.0/access/Ownable.sol";
import "@openzeppelin/contracts@4.8.0/utils/Strings.sol";

contract FishToken is ERC1155, Ownable {
    constructor()
        ERC1155("https://gateway.pinata.cloud/ipfs/QmNYCwzyM4FUaRpEypyqsFPA8j7jmh6aH2Nc8RBq5BsihX/{id}.json")
    {
        _mint(msg.sender, 100000000, 99, ""); // 0000000100000000 は先頭の 0 が許されない
        _mint(msg.sender, じょう, 1, "");
        _mint(msg.sender, 1000000100000005, 1, "");
        _mint(msg.sender, 1000000200000001, 1, "");
    }

    function uri(uint256 _tokenId) override public pure returns (string memory) {
        return string(
            abi.encodePacked(
                "https://gateway.pinata.cloud/ipfs/QmNYCwzyM4FUaRpEypyqsFPA8j7jmh6aH2Nc8RBq5BsihX/",
                Strings.toString(_tokenId),
                ".json"
            )
        );
    }
}

補足

openzeppelin の ERC 1155 コントラクトのままで、初期化処理にてテスト用データを mint するだけの内容です
ERC1155 の初期化パラメータにわたす URL に {id} 文字列を含めています
- これは EIP 1155 Metadata に書いている内容に従う実装です
上記と似ている役割を持っている関数 uri も定義していますが、これは opensea に metadata url を正しく識別させるためです

デプロイ結果

opensea 上の表示は、

ERC 1155 コントラクトは、ERC 721 と同じく、１つのコレクションとして表示される
- なので、コントラクトの中で、id のルールに従って更にセクションを分けるのは、対応されていません
- 上記デプロイした内容の中、下記２つのトークンは10000001配下の #2 と #5 ということは認識されません
```
1000000100000002
1000000100000005
```
metadata も ERC 721 と同じルールに従えば、正常に表示される
NFT / FT の区別については、前の記事に書いたどおりに、コントラクトの id ルールの設計次第なので、opensea はそのルールを知らないため、サポートできるわけがないと思いましたが、意外にそれっぽく表示されています。
- 該当 token id 配下の残高合計（全オーナー）が 1 個の場合、NFTっぽいような表示になっています
- 該当 token id 配下の残高合計（全オーナー）が 2 個以上の場合、残高合計数・ログインしているユーザ所有している個数・オーナー個数のデータが表示されます

注意点

現時点（2022 年 12 月）testnet でやってみた限りでは、オークションに出品できて、固定価格の出品でも価格を下げることができましたが、opensea のヘルプセンターに、ERC 1155 は、opensea 上のオークションに出品できない、かつ、固定価格の場合価格を下げることができないのような記載があります。

There are a few things to know when interacting with ERC-721 and ERC-1155 NFTs.
On OpenSea, ERC-1155 NFTs can't be listed on auction.
You can only lower a listing price on ERC-721 NFTs, not ERC-1155 NFTs.
Some wallets, like MetaMask mobile, have issues displaying ERC1155's in-app.

まとめ

ERC 1155 は opensea 上で出品・売買・送金できるようにみえます。

ただ、コントラクト全体が１つのコレクションとして扱われるため、id のルールによるサブコレクションのような扱い方は、サービス提供者側がサービス内で対応できますが、その範囲を超えると、意味がなくなります

さらに、ERC 1155 に対してウォレット・アプリのサポートもいまいちなので、特別な理由がない限りでは、ERC 721 を使うほうが無難だと思います。