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Goを真面目に勉強する〜4.パッケージとスコープ〜

Last updated at Posted at 2020-02-16

#はじめに
Goをはじめて1年半。アウトプットが進まない私が、専門家の@tenntennさんから受けたマンツーマンレッスンの内容をまとめて、Goのスキルアップを目指します。Goの基礎から丁寧に学んでいきます。
記事のまとめは以下の通りで順次作成していきます。
今回は「4.パッケージとスコープ」になります。

シリーズの一覧

  1. Goについて知っておく事
  2. 基本構文
  3. 関数と型
  4. パッケージとスコープ(今回)

本記事の内容

今回学ぶ内容は以下の通りです。

#パッケージ
パッケージは関数や変数、定数、型を意味のある単位でまとめたもので、Goのプログラムはパッケージを組み合わせることで実現されます。

Goのプログラムはmain関数のあるmainパッケージを起点に実行されます。mainパッケージから別のパッケージをインポートすることで、様々な機能が利用できるようになります。

###パッケージの種類

種類 説明
mainパッケージ main関数が存在し、プログラムの起点(エントリポイント)となるパッケージ
標準パッケージ Goが最初から用意しているパッケージ
準標準パッケージ golang.org/xで提供されるパッケージ
サードパーティパッケージ 第3者(自分も含む)が開発したパッケージで、多くがインターネット上で公開されている。ライブラリとも呼ばれる。

##パッケージを使う
###パッケージのインポート
パッケージをインポートすることで、他のパッケージの機能を利用することができます。
次の例の場合、mainパッケージ内で標準パッケージのfmtパッケージをインポートすることで、fmtパッケージが提供するPrintln関数を利用しています。


package main

import (
	"fmt"
)

func main() {
	fmt.Println("Hello world!")
}

複数のパッケージをインポートする際には次のように羅列して記述します。


import (
	"fmt"
	"log"
	"net/http"
)

ビルドにはライブラリを取得しておく必要があります。取得の仕方はライブラリを取得するを参照。

###パッケージのエイリアス
パッケージ名には別名(エイリアス)をつけることができます。エイリアスは同じパッケージ名のパッケージを使いたい場合や、インポートパスとパッケージ名が一致しない場合に利用します。

  • syncパッケージとサードパーティパッケージのパッケージ名が衝突しているため、サードパーティパッケージにmysyncという別名をつける

import (
	"sync"
	
	mysync "github.com/tenntenn/sync" // syncパッケージと名前が衝突している
	greeting "github.com/tenntenn/greeting/v2" // インポートパスとパッケージ名が一致しない
)

##パッケージを作る
自作のパッケージを作ってmainパッケージにインポートすることができます。
次の例は、int型の数値データを16進数の文字列に変換する機能を自作パッケージmyhexとしたものです。
パッケージ名は"package" PackageNameで定義します。

myhex/myhex.go

package myhex // 自作パッケージmyhex

import "fmt"

type Hex int

func (h Hex) String() string {
	return fmt.Sprintf("%x", int(h))
}

myhexパッケージをインポートすることで、提供する機能を利用することができます。

main.go

package main

import (
	"fmt"
	"myhex" // 自作パッケージmyhexをインポートする
)

func main() {
	var hex myhex.Hex = 100 // myhexパッケージのユーザー定義型Hexで変数hexを宣言する
	fmt.Println(hex) // myhexパッケージのStringメソッドが実行される
}

###パッケージの実装を複数のファイルで行う
パッケージは複数ファイルで実装して結合することができます。ただし、結合できるのは同じフォルダ内にある場合に限ります。(パッケージを配置するを参照)

myhex/string.go

package myhex // 自作パッケージmyhex
...
myhex/rune.go

package myhex // 自作パッケージmyhex
...

###パッケージ外へのエクスポート
パッケージで定義した関数や変数、定数、型はエクスポートすることで外部から利用できるようになります。Goでは先頭を大文字にした識別子がエクスポートされます。


type Hoge int // exported
type hoge int // unexported

var Hoge string // exported
var hoge string // unexported

const Hoge int = 100 // exported
const hoge int = 200 // unexported

func Hoge() {} // exported
func hoge() {} // unexported

###パッケージを配置する
hogeパッケージを作成した場合の例です。
GOPATH以下の任意の場所に、パッケージ名のフォルダで配置します。
alt

##パッケージの初期化
パッケージの初期化は以下の順に行われます。

依存パッケージの初期化順

  1. インポートしているパッケージリストを作成
  2. 依存関係を解決し、依存されていないパッケージから初期化する
    2.1. パッケージ変数を初期化する
    2.2. init関数を実行する

###init関数

  • パッケージの初期化を行う関数で、初期化時に実行される。
  • プログラム内から明示的に呼ぶことはできない。
  • init関数は同一のパッケージ内やファイル内に複数宣言することができる。ただし、実行順はGoの実装によるため、実行順がシビアなものはinit関数には書いてはいけない。
  • パッケージ内のinit関数が同時に実行されることは無い。
  • 複数のパッケージからインポートされている場合でも、init関数は一度だけ呼ばれる。

#ライブラリ
##ライブラリを取得する(go get)

go getコマンドを利用してライブラリを取得します。

  • Goのライブラリなどを取得するコマンド
  • 依存するライブラリも一緒に取得してくれる
  • 指定した場所からダウンロード&インストールしてくれる
  • 一度取得したものは2度取得しない
go get github.com/tenntenn/greeting

##ライブラリのバージョンを指定する(Go Modules)
go getコマンドはライブラリのlatestバージョンを取得するため、特定のバージョンのライブラリを使いたい場合はgo getコマンドでは管理できません。そこで、登場するのがGo Modules(vgo)です。

Go Modulesを使うためには環境変数のGO111MODULEonにします。
パッケージをインポートした上で、go mod initコマンドを実行するとgo.modgo.sumファイルが生成されます。
(依存モジュールがない場合はgo.sumは生成されません)

種類 説明
go.mod 依存モジュールを管理
go.sum 依存モジュールのチェックサムを管理

go.modファイル内で依存モジュールは以下の形式で管理します。
require <ライブラリ> <バージョン>
バージョンはsemverで記述して、特定のコミットも指定することができます。

go.mod
module hello

go 1.13

require github.com/tenntenn/greeting/v2 v2.0.0
go.sum
github.com/tenntenn/greeting v0.0.0-20190203153616-a128ec76efc4 h1:1lfizcROSeZN+ejPMSYmpEiubZ724OA3WzhlIvfjYRA=
github.com/tenntenn/greeting v0.0.0-20190203153616-a128ec76efc4/go.mod h1:E3Ht/04nVnsgPJqBdZYg2BmvqQJmRPxhIv6qX4RyE9Y=
github.com/tenntenn/greeting/v2 v2.0.0 h1:9vHheZ4F7JS/u4fqBfKIHtiUI38t98W8iDRFFXeaccA=
github.com/tenntenn/greeting/v2 v2.0.0/go.mod h1:EkHY3zj6AR1MtKVmdhvooxb+zIUEihioi7gG93rsX5I=

####セマンティックバージョニング(semver)

  • バージョンの付け方のルール
  • semverと略される
  • v0.0.2やv.11.1などと表記する

バージョンのあげ方

  • 互換が崩れる場合はメジャーバージョン(例:v1.2.3 → v2.0.0)
  • 機能追加の場合はマイナーバージョン(例:v1.2.3 → v1.3.0)
  • バグ修正の場合はパッチバージョン(例:v1.2.3 → v1.2.4)

###Go Modulesのコマンド

種類 説明
go mod init go.mod,go.sumファイルを生成する
go mod tidy 使用していないパッケージをgo.modから削除する。
必要なパッケージをgo.modに追加する。
go mod why 指定したパッケージがなぜ必要になったか表示する

#スコープ
スコープは識別子(変数名、関数名など)を参照できる範囲のことで、参照元によって所属するスコープが違います。親子関係があり親のスコープの識別子は参照できます。

種類 説明
ブロックスコープ ブロックごとのスコープ。関数やif、forなどのブロック単位。ブロックは{}で囲まれた範囲。
ファイルスコープ ファイルごとのスコープ。ファイル内でインポートしたパッケージを保持する。パッケージ以外は対象としていない。
パッケージスコープ パッケージごとのスコープ。大文字から始まる識別子は他のパッケージからも参照できる。(パッケージ外へのエクスポートを参照)
ユニバーススコープ 組み込み型や組み込み関数を保持するスコープ。プログラム実行時からずっとあるスコープ。他のスコープの一番ルートとなる。

ブロックスコープ

func f() {
	n := 100
	println(n)
	if true {
		n := 200 // 100が入った変数とは別のもの
		println(n)
	}
}

func g() {
	n := 300 // 100,200が入った変数とは別のもの
	println(n)
}

ファイルスコープ

// fmtがファイルスコープになる
import "fmt"

パッケージスコープ

package myhex

import "fmt"

type Hex int // パッケージスコープの型

func (h Hex) String() string { // パッケージスコープの関数
    return fmt.Sprintf("%x", int(h))
}

ユニバーススコープ

false := true // 定数falseはユニバーススコープ
if false {
	fmt.Println(false) // trueが表示される
}

type int string // int型はユニバーススコープ
var n int
fmt.Printf("%q\n", n) // ""が表示される

##パッケージ変数
関数間の変数の共有は、パッケージスコープで変数を宣言すれば可能です。

var msg string = "hello"
func f() { println(msg) }
func main() {
	f()
	msg = "hi, gophers"
	f()
}
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