前提条件
この手順書は、MX Linux MX-23.4_rpi_respin(Raspberry Pi OSをMXのセットアップとツールで再構成したもの)を使用している環境向けです。
対象ハードウェア: Raspberry Pi 4, Pi 400, Pi 5
注意:
本手順書では、sudo
を使用して特定のユーザー(例:blue_islands
)でvncserver
を実行する手順を含みます。
サービスとして登録する方法も記載しています。
1. TigerVNCのインストール
1.1 パッケージの更新
システムのパッケージを最新に更新します。
sudo apt update && sudo apt upgrade -y
1.2 必要なパッケージのインストール
TigerVNCとxterm
をインストールします。
sudo apt install tigervnc-standalone-server tigervnc-common xterm -y
2. パスワードファイルの作成
-
指定ユーザー(例:
blue_islands
)でパスワードを設定sudo -u blue_islands vncpasswd
-
パスワードファイルの確認と権限設定
ls -l /home/blue_islands/.vnc/passwd sudo chmod 600 /home/blue_islands/.vnc/passwd sudo chown blue_islands:blue_islands /home/blue_islands/.vnc/passwd
3. 手動で VNCサーバーを起動
sudo
を使用して特定のユーザーで VNCサーバーを起動します。
起動コマンド
sudo -u blue_islands /usr/bin/vncserver -localhost no -SecurityTypes VncAuth -PasswordFile /home/blue_islands/.vnc/passwd -xstartup /usr/bin/startxfce4 :1
接続情報
-
IPアドレス: サーバーのIPアドレスを確認:
ifconfig
-
ポート番号:
5901
(ディスプレイ番号:1
の場合)
ログ確認
起動後、ログを確認して正しく動作しているか確認します。
cat /home/blue_islands/.vnc/mx:1.log
4. サービスとして VNCサーバーを設定
4.1 サービスファイルの作成
以下のコマンドで新しいサービスファイルを作成します。
sudo nano /etc/systemd/system/vncserver@:1.service
4.2 サービスファイルの内容
以下の内容を貼り付けます。
[Unit]
Description=Start TigerVNC server at startup
After=syslog.target network.target
[Service]
Type=forking
User=blue_islands
WorkingDirectory=/home/blue_islands
ExecStart=/usr/bin/sudo -u blue_islands /usr/bin/vncserver -localhost no -SecurityTypes VncAuth -PasswordFile /home/blue_islands/.vnc/passwd -xstartup /usr/bin/startxfce4 :1
ExecStop=/usr/bin/sudo -u blue_islands /usr/bin/vncserver -kill :1
PIDFile=/home/blue_islands/.vnc/%H:1.pid
[Install]
WantedBy=multi-user.target
4.3 サービスの有効化と起動
-
サービスファイルをリロード:
sudo systemctl daemon-reload
-
サービスを有効化:
sudo systemctl enable vncserver@:1.service
-
サービスを起動:
sudo systemctl start vncserver@:1.service
-
サービスのステータスを確認:
sudo systemctl status vncserver@:1.service
5. クライアントからの接続設定
-
接続先の設定
-
IPアドレス: サーバーのIPアドレス(例:
192.168.x.x
) -
ポート番号:
5901
(ディスプレイ番号:1
)
-
IPアドレス: サーバーのIPアドレス(例:
-
VNCクライアントソフトで設定
- 接続先:
<サーバーのIPアドレス>:5901
- パスワード: 設定したVNCパスワード。
- 接続先:
-
接続をテスト
正常に接続できると、設定したデスクトップ環境が表示されます。
6. トラブルシューティング
6.1 VNCサーバーが起動しない場合
ログファイルを確認してエラーを特定します。
cat /home/blue_islands/.vnc/mx:1.log
6.2 ポートがブロックされている場合
ファイアウォールでポートを開放します。
sudo iptables -A INPUT -p tcp --dport 5901 -j ACCEPT
7. VNCサーバーの停止と削除
7.1 サーバーの停止
現在起動中のセッションを停止します。
sudo systemctl stop vncserver@:1.service
7.2 サービスの無効化
sudo systemctl disable vncserver@:1.service
7.3 設定の完全削除
すべての設定とインストールを削除します。
sudo apt remove --purge tigervnc-standalone-server tigervnc-common xterm -y
これで、sudo
を使用して特定のユーザーで VNC サーバーを起動する方法が網羅されています。さらに調整が必要であればお知らせください!